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南京入城・旧陸軍兵の証言 「城内は平穏だった」 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:第23回正論大賞
入城後、10日もしないうちに中国人は安全区から出るようになり、城内に市も立った。その映像もある。「商魂たくましいというか、われわれを撮影しては、それを記念写真として売ろうとする中国人もいました」。このころの写真や合成写真が後に「残虐行為を働く日本兵」として広まっていく。
次期アカデミー賞の有力作品に挙げられている米映画『南京』への出演依頼もあったという。「私の体験と、映画の方向性があまりにも異なるので断りました」という稲垣さんは、反日史観に基づく映画について「全くのウソです。虐殺のぎの字も、事件のじの字も、従軍した私たちは聞いたことがなかった」と残念そうに語る。
虐殺30万人、婦女暴行8万人…などという極端な数字が定着しつつあることについても「死体をどうやって運搬したのか非常に疑問です。当時、トラックは貴重でした。中国軍が荷車で何十万という死体を運んだなど、考えにくいことです」。
虚構が独り歩きした背景については「南京郊外の紫金山での戦闘では日本兵949人が戦死した。中国側も多くが戦死したことでしょう。そうした城外の戦闘が誇張されているのでは。多数の死体を見たと証言する日本人は城外の陸軍戦車隊や揚子江の海軍兵です」と語る。
証言と通説に大きな開きがある南京攻略戦。実際に南京にいた人々の証言を聞く機会がなくなったとき、史実はどう伝えられるのだろう。貴重な肉声に冷静に耳を傾けたい。