「かものはしプロジェクト」が月6万円の家賃で「間借り」していた「株式会社ポジメディア」も、「山元学校」とは無縁ではない。
「コミュニティファクトリー」も、当初は「ポジメディア」の力を借りようとしていた形跡がある。
> 山元学校4.18
> 今回もたくさんの人が来てくれました。
(略)
> 11.100個の良いことをすると願いごとが叶う「heaven's passport」を
> 考案した自殺ZEROキャンペーンのオキタリュウイチさん
http://genki.yamamoto-gakko.com/?eid=634463
なにより、同社の木下拓己広報担当は「山元学校」でも広報を受け持ち、山本雅信学長とともにさまざまな活動に関わってきたという事実がある。
「オキタリュウイチ」代表は、『朝日新聞』の報道によれば本名を谷口龍司という。
〈芸名〉で活動する株式会社取締役というのも少し不思議な感じがするが、最近は加えて「飛口龍司」と名乗ることもある。
「女子高生に約15万冊が売れた『ヘブンズパスポート』」でせっかく〈ブランディング〉が成立した「オキタ」とは別名を用意する意図も、よくわからない。
彼の経歴を見てみる。
> 四国・徳島県の、とある小さな街の一角にある、小さな集会所。
> 大人たちが月に一度集まり、何やら不思議な会を開いていた。
(略)
> そういう「学校では普通」の話に乗ってこない上、
成功哲学の本を
> 一人、教室の隅で読んでいるオキタは、次第に目障りな存在だと
> みなされるようになった。オキタにとっては、マジックの会のほうが
> リアルだった。学校のほうがよほどバーチャルだ、そんな事を
> 感じていた。
http://www.melma.com/backnumber_15681_2330864/
マジックには種がある。
> ヘブンズパスポートの大ブームの間、パスポートを実際に使って
> 善い行いをする高校生たちの様子が、何度も報道された。
> すると何が起こったか。
(略)
> 「キレる17歳」という言葉がメディアから姿を消した。
> つまり、問題を起こす「キレる17歳」を真似て、
> その世代の若者たちが問題を起こすことが少なくなった。
> それに伴い、「キレる17歳」が問題を起こした、と報道される
> ことがなくなったのである。
http://www.melma.com/backnumber_15681_2333334/
「キレる17歳」というのは、漠然とその年のその世代に犯罪が多かった、ということではなく、2000年ころ、「17歳」少年による数件の猟奇的犯罪が連続して発生したことを指す。「神戸連続児童殺傷事件」(97年)と「西鉄バスジャック事件」(2000年5月)が代表であるが、これらが模倣犯であるという指摘はない。
「真似て」起こったのは〈犯行予告〉程度の愉快犯である。
「17歳」による凶悪犯罪が発生しなければ、自動的に「キレる17歳」ということばは風化する運命にあっただけである。
その後、連続する犯罪の発生がないことが『ヘブンズパスポート』の功績であるという証明はどこにもない
、時期が一致するという事実だけがある。
> 1999年、
建設省(現国土交通省)の企画『リバーキーパーズ』の企画総指揮。
「よしのがわリバーキーパーズ」
http://www.toku-mlit.go.jp/river/tanoshimu/riverkeep/riverkeep.htm
これのことだろう。スタンプを貯めると「摩訶不思議グッズ」がもらえる、という『ヘブンズパスポート』の焼き直しである。
「国土交通省」とはいっても「国土交通省四国地方整備局」による実施である。
> 2002年、『urashima system』と称するプロジェクトを立ち上げる。日比野
> 克彦氏やヘルムートシュミット氏、夢枕獏氏など、約30名程のアーティストに
> 呼びかけ、日本発現代のお伽話として海外に輸出するプロジェクトを進行する。
「ウラシマシステムプロジェクト」は確かに紹介された3名の参加を得ている。
100名の参加者を目指していたようだが、実際には十数名に止まった。
http://web.archive.org/web/20030410225509/www.urashima-system.net/arthist.html
他の参加者は、範保博光(現・てんつくマン)、太田裕美、中嶋朋子、セキヒロアキ、常盤響、サンプラザ中野、みのじ、宮崎信也、前北美弥子(現・マエキタミヤコ)、坂東孝明、柳沢由香里、黛まどか、亀井武彦、となっている。
夢枕獏、宮崎信也は中沢新一とともに対談集『ブッダの方舟』を出版している。宮崎信也は多摩美術大学芸術人類学研究所の研究員という肩書きを使うことがあるが、その所長は中沢新一である。
坂東孝明は「吉野川みんなの会」に参加していた。
中嶋朋子と前北美弥子とは、「ナマケモノ倶楽部」関係のイベントでたびたび共演しているのが確認できる。
てんつくマンらの「TEAM GO GO 2007」呼びかけ人でもあるサンプラザ中野。
...どうやら人脈には偏りがあるようだ。
> 「ウラシマップ」の使い方はとっても簡単です。最初にアナタの願い事を
> 「ウラシマップ」に1つ書き込みます。そして、アナタが「善い事」する毎に、
> 「ウラシマップ」に参加している11人のアーティスト達が提供した108枚の
> シールを1枚ずつウラシマップに貼るだけです。
ttp://www.rakuten.co.jp/mille-paquets/496467/882644/#792716
これもまた『ヘブンズパスポート』の変形である。『オトヒメカルタ』の企画もあったようだが、製品化されたかどうかはわからない。
『ウラシマップ』は現在も定価1000円で上記「楽天市場」内のショップで絶賛発売中であるが、「ウラシマシステムプロジェクト」のサイトはどうにもぱっとしないまま"under construction"という表示となり、最近ドメイン名が返上された。
「ウラシマシステムプロジェクト」事務局は上記ショップを運営する「株式会社マップス」の関連会社「グラスマップ」内に置かれていた。
http://www.minoji.net/work/urashima.html
[追記]
やはり変だ。
『ヘブンズパスポート』の発売は98年、「バスジャック事件」や「愛知主婦殺人事件」(2000年5月)は『ヘブンズパスポート』のブームが下火になったあとに起きているはずだ。
[追記]
web制作に携わったことがある方ならおわかりのように、「まるやき」には逆「SEO対策」を施し、必要以上に検索
縁尋エンジンの上位候補に上らないようにしている。
その気になれば「かものはしプロジェクト」で1ページめに表示することは可能である(Yahoo!については挙動がわからないので、11位以上に上げないのが精一杯であるが)。
今回、その禁をやぶって「自殺ZEROキャンペーン」スタッフのブログにトラックバックを送ってみた。
それが削除されるか、見ものである。