プロジェクトかものはしのまるやき カルトの培地としてのNGO/NPO

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「山元学校」? (22):「バイオディーゼル」

ゴールデンバンブー財団
麻薬撲滅・貧困対策・難民救済・環境保護のために竹苗の植林、竹炭・竹酢液の製造、竹資源活用、ジェトロファの栽培などを行っています。
http://www.yamamoto-gakko.com/links/index.html

「ジェトロファ」をキーワードに検索するといくつかのブログがヒットする。
「ジェトロファ、ジャトロファ、jatropha、ナンヨウアブラギリ」と初歩的なSEO対策が施されている(学術的には〈ヤトロファ〉が一般的で、農水省や「BPジャパン」はこの表記を採る)。

そのほとんどはたった1人によって開設されたものである。

「格安なタイの楽しみ方」
http://blogs.yahoo.co.jp/thaigaia/MYBLOG/yblog.html

「ジェトロファ/ジャトロファ専用ブログ」
http://ameblo.jp/thai-gaia/

「CO2削減プロジェクト」
http://blog.goo.ne.jp/docoemo_2005/

「ジェトロファとバイオディーゼル 最前線」
http://jatropha.seesaa.net/

これらのブログ、およびYahoo! Groupsによるメーリングリストの開設者は、かつて「ゴールデンバンブー財団」の「理事」だった人物である。
現在は"TERAL ESCO Co.,Ltd."として活動しているが、この企業についての情報は得られなかった。

「船井総研」が運営する掲示板に、このような投稿があった。

高能率軽油変換装置
投稿者: **** 投稿日:2007/11/29(Thu) 19:50 No.49
タイで一緒にやる事業者を捜しています。日本では締め切り。
無機物以外の有機物を高効率で軽油に変換する機械です。

=木質材料:質材料: 間伐材、剪定枝、建築廃材、ウッドチップなど。では
重量の35%を軽油に変換。

=農業残渣: 籾殻、藁、廃棄処分野菜など。
では重量の30%を軽油に変換。

=動物残渣: 食肉、食品加工後の動物や魚の残渣。
では重量の40%を軽油に変換。

=家畜し尿: 鶏糞・牛糞など。
では重量の35%を軽油に変換。

=廃油: 食用油、工業油など。
では重量の85%を軽油に変換。

=廃プラスチック:PVCを含む各種プラスチック廃材。
では重量の80%を軽油に変換。

=電子機器:パソコン・家電・OA機器などのプラスチック部分。では重量
70%を軽油に変換。

=一般家庭生ゴミ。では重量の50%を軽油に変換。
http://www.eco-webnet.com/portal/modules/yybbs/viewbbs.php?bbs_id=6(魚拓)

「軽油に変換」?

〈バイオディーゼル〉とは、軽油と同等の性状・性能を有する生物由来の燃料のことであり、その成分は「軽油」とは大きく異なる。

以下は、同掲示板への投稿の1週間ほど前のエントリである。

現在、進めている技術に植物を何でも軽油同等品に変える解重合技術があります。
(略)
この方法によれば、バイオディーゼルではなく軽油同等品として、オイルを抽出できます。化学的には組成が、ほぼ軽油と同等(ガスクロや工業技術センターの分析結果)と判定されセタン価60と軽油より等級が上のものです。

もちろん硫黄分は少なく、アメリカではガソリンスタンドで100%の使用が
許可されているようです。

これでジェトロファを投入しますと70%の軽油同等品が得られます。CDM
クレジットとして申請はしていないのですが、CDM理事会で高得点を得られる
可能性はあります。
(略)
EU規格にも合格していることを、メーカーに言えばもしかすると認証も取れる
かもしれません。

このような燃料が市場に出せるとしたら、温暖ではあるが貧困な世界中の途上国で
ジェトロファを栽培し、燃料油として先進国に輸出する・・これが今の私の夢です。
http://jatropha.seesaa.net/article/68044542.html

おかしいのである。

アメリカで開発が行なわれているのは家畜の脂肪の「解重合」(depolymization)によるパラフィン系バイオディーゼルである。
http://www.pecj.or.jp/japanese/division/division07/pdf/2007/2007-008.pdf

セルロースのような高分子多糖類の「解重合」で得られるのは低分子多糖類であろう。それを発酵させバイオエタノールを得る、というのならわかるのだが、いきなり「組成が、ほぼ軽油と同等」である。

さらに、「メーカーに言えばもしかすると」?

必要なのは「メーカー」からの〈お墨付き〉ではなく、〈揮発油等の品質確保に関する法律〉のもとに定めされた基準を満たすことが指定分析機関によって確認されること、であるのを知らないはずはないのである。

この人物は以前、広島県でガソリンスタンドを経営していたらしいのだから。
by grilled_duckmole | 2007-12-11 21:25 | Comments(6)

Commented at 2007-12-13 10:06 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by grilled_duckmole at 2007-12-13 11:58
少し修正しました。
Commented by ジェトロファ at 2007-12-14 12:09 x
上記ブログの管理者本人です。指定分析期間ではなく、県の工業技術センターの分析結果はあります。まだ、販売まではしていない状況で、「もしかすると」と、あいまいな書き方をしていますが、紛らわしいようであれば申し訳ありませんでした。
販売をするのにはご指摘の通りです。
Commented at 2007-12-14 12:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ジェトロファ at 2007-12-14 12:20 x
ブログを4つも出しておりますが、目的は日本の皆さまがどのような反応を示されるかにありました。
反応は様々ですが、多くの方が他国のバイオマス燃料の導入には否定的です。船井総研の掲示板に掲載していますが、これはタイでの国内消費を前提としたもの・・地産地消です。 ブログは継続します。
Commented by grilled_duckmole at 2007-12-14 15:52
> この解重合技術の開発は

2年前に「死んだ猫から燃料を作っている」という流言が飛び交った技術ですね。

Siemens社は関係ないでしょう。
特許はAlphakat社のChristian Koch博士が所有してます。

Energy Visions社のサイトには「ディーゼルのすごさ」とSiemensと日産の事例が紹介されていますが、これらはKDV技術とは無関係です。

Jetroのサイトには、パートナー募集案件が掲載されています。
アジア地域でKDVプラントを導入するには韓国のBat Engineering社を通すことが必要と言っています。
http://www3.jetro.go.jp/ttpp/JAN.CR06_JAN?id=1094399&corner_id=999

"The Japan Times"にも先日記事が掲載されました。
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fl20071201a1.html

"as well as homeopathic medicines"と、なにか怪しい説明も。

軽油の成分のベンゼンとかトルエンは芳香族炭化水素ですが、「解重合」だけで作れるかといえば疑問ですし、「バイオディーゼル」は原油由来の軽油と「化学的組成」が同じである必要はなく、芳香族を合成する手間はむだです。

残念ながら、売り方も技術的な説明も怪しげです。
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