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【防衛利権 蜜月の構図】

防衛省、報償費を裏金化 架空領収書使う

2007年12月16日

 防衛省が情報収集を主な目的とする報償費の多くを架空の領収書で裏金化して、幹部や関係部局の裁量で使えるような不正経理を組織ぐるみで長年にわたり続けていたことが判明した。防衛省OBら複数の関係者が15日、明らかにした。報償費は2007年度予算で年間約1億6400万円。裏金が職員同士の飲食経費など目的外に流用された可能性は否めず、新テロ対策特別措置法案の国会審議にも影響を与えるのは必至だ。

 政府は防衛省の報償費について「情報および資料収集、犯罪の捜査に必要な経費」と規定しており、大半は「情報収集」名目で使われてきた。

 関係者によると、裏金工作は数十年間繰り返されてきた。裏金は単年度で使い切れず、残っている。プール金は総額で少なくとも数千万円に上るという。

 石破茂防衛相は15日、共同通信の取材に対し「事実関係を確認できないので、コメントは差し控えたい」と回答、防衛省として内部調査を進める考えを示した。

 東京地検特捜部は守屋武昌前防衛事務次官をめぐる汚職事件の一環として既に防衛省を家宅捜索。押収した資料の中には裏帳簿なども含まれているもようだ。

 関係者の証言によれば、裏金づくりは大臣官房などが防衛省OBらの名前を使い情報提供の協力者に見せ掛けて、偽の領収書を防衛省の職員が大量に作成。具体的には、偽の情報協力者を接待したり毎月現金を手渡していたかのように装う架空領収書で報償費から裏金を捻出(ねんしゅつ)してきた。この操作で報償費は表向きの収支上、ほぼ使い切った形となって裏金に変わる。

 これは約680万円(2007年度予算)に限られている交際費の不足分を裏金で大幅に補てんし、内局や陸海空自衛隊の幹部、主要各課が柔軟に使えるようにする目的もあるとされる。

 裏金は実体のない団体名義などの裏口座に計上、領収書は架空のため同一人物が数年間も毎月現金を受け取る不自然な領収書が多数存在するという。

 

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