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【防衛利権 蜜月の構図】

守屋枠は月数十万円 秘書課が裏金を管理・配分

2007年12月17日

 防衛省が年間約1億6000万円の報償費を裏金化していた問題で、防衛商社元専務からの収賄容疑で逮捕された守屋武昌容疑者が防衛事務次官当時に「次官室」枠として毎月少なくとも数十万円の裏金を分配されていたことが判明した。複数の防衛省・自衛隊関係者が16日、明らかにした。

 関係者によると、防衛相、副大臣、事務次官各室など首脳レベルの裏金は大臣官房秘書課が管理、配分してきた。守屋容疑者が次官に就任するまで次官室枠の裏金は毎月20万円前後だったという。守屋容疑者が次官になってから「増額された」との証言もある。

 防衛省は前防衛次官汚職事件と裏金づくりの表面化を受け、2008年度予算分から報償費の裏金化を取りやめる方向。ただ防衛省全体で少なくとも数千万円に上るプール金が裏口座にあるとされ、どう処理するかが焦点だ。防衛省は裏金問題で内部調査を始めたが、裏金づくりは多数の関係部局にわたり、組織ぐるみの裏金工作の実態をどこまで把握して公表するかは不透明だ。会計検査院の検査と予算の単年度消化のため大量に作成してきた架空領収書も過去5年間だけ保管しているとされ、それ以前の裏金工作の調査は事実上不可能との見方が強い。

 

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