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リフト停止、90人宙づり 救出終える 長野

2007年12月16日00時11分

 15日午前10時半ごろ、長野県王滝村のスキー場「おんたけ2240」(旧おんたけスキー場)で6人乗りのゴンドラリフト「スカイラブ」44基が突然停止。地上から最大約20メートルの高さで、スキー客ら計約90人を乗せたまま立ち往生した。約3時間後に救出が始まり、12時間近くたった午後10時すぎ全員の救出を終えた。木曽消防署などによると、救急車で搬送された人はいたが、今のところけが人はいないという。丸いカプセル型のゴンドラをつっているワイヤが支柱の滑車から外れたことが原因とみられる。

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おんたけ2240

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スキー客らの救出に向かう救助隊員ら=15日午後7時すぎ、長野県王滝村の「おんたけ2240」で

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救助され、救急車に乗せられる乗客=15日午後8時すぎ、長野県王滝村の「おんたけ2240」で

 同スキー場は当初、リフトを復旧させようとしたがめどが立たず、正午ごろから複数の乗客が携帯電話で「気分が悪い」と連絡してきたため、午後1時半ごろから木曽署や木曽消防署、地元消防団とともに計約100人で救出にあたった。乗客が残されたのは17基で、救助員がゴンドラまでロープを伝って登り、乗客をロープ降下させた。

 同スキー場によると、事故が起きたリフトは22本の柱で支えられ、全長約2.4キロ。全16本のコースのうち、メーンコースにある。ワイヤが外れたのは乗り場から約1キロの地点にある「8号柱」のワイヤをガイドする滑車。毎朝営業開始前に試運転しているが、当日も異状はなかったという。同スキー場は当面、事故があったリフトを止め、原因を調べる見通しだ。

 停止当時、雪が降っており、風は弱かったが零下10度以下と厳しく冷え込んだ。県内からの客のほか、愛知県など中京圏や関西地方からのスキー客が多かったという。

 木曽署や木曽消防署によると、当初、スキー場から事故の連絡はなかった。午後0時40分過ぎに、リフトの乗客から携帯電話で「スキー場に言っても待ってくれと言われるばかりだ」と119番通報があり、事故がわかったという。同スキー場は通報しなかった理由について「復旧作業が早く終わると考えていて、救助態勢を取るのが昼過ぎになった」と説明している。

 ゴンドラリフトは89年の建設。95年1月にもワイヤが滑車から外れ、乗客が数時間にわたって閉じこめられる事故があった。

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