mintsBar 今夜のお客様は 徳武弘文 さん  

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”今夜のお客様は
         徳武弘文さんです。“
【徳武弘文 とくたけひろふみ プロフィール】
‘51年5月25日 北海道函館生まれ。大学時代に"ブレッド&バター" のサポートをつとめ、以後、伝説のバンド "はちみつぱい" のメンバーと共に "山本コータローと少年探偵団" を結成し、本格的な音楽活動を開始。後に "吉川忠英&ホームメイド" に参加しながら、スタジオ・ミュージシャンとして幾多のセッションを行なう。‘74年に松田幸一、村上律らと、泉谷しげるのバックバンド "ザ・ラスト・ショウ" を結成。独立し2枚のアルバムをリリース。その後ニュー・ミュージック系アーティストを始め、五輪真弓、吉田拓郎、長渕剛、杉田二郎、大瀧詠一、南こうせつ、高橋幸宏、ファッションデザイナー山本耀司、細野晴臣等のレコーディング、ライヴに参加、’98年、最も啓蒙を受けたナッシュビルのプログレッシブ・カントリー・ロック・バンド、”ベアフット・ジェリー”のリ・ユニオン・コンサートでのリード・ギタリストとして参加。その他にドラマの音楽制作、JT、サッポロビール、グリコ、花王、ハウス、マクドナルド、ブリジストン・ドーナツタイヤなど数え切れない程のCF曲の制作や、5作のソロ・アルバム、6作のギター教則ビデオをリリース。近年に於いては自らのバンドDr.K Projectを率い、精力的に活動を続けている。サムピックを使用したフィンガー・ピッキングにアメリカン・フィーリングを活かした独自のギター・スタイルを確立した彼のプレイは、カントリー・ミュージック、ルーツ・ミュージックが見直されている昨今、さらに注目されている。

徳武弘文 オフィシャルホームページ
Trip in the Country
http://www.rocosmusic.com/drk/

Dr.K Project オフィシャルホームページ
http://www.rocosmusic.com/drkproject/
除川: いらっしゃいませ。mints Barへようこそ。
徳武: こんばんは、長門さん。ここがmints Barか、雰囲気いいねぇ(笑)。
長門: いらっしゃい、徳ちゃん!ひさしぶり!
除川: さっそくですが、お飲み物はいかがいたしますか?
徳武: そうだねぇ、ウィルキンソンの辛口ジンジャーエールをもらおうかな。
長門: 話がのってくれば、お酒にしちゃおうか(笑)。

長門: 最近は本を出したり、細野(晴臣)さんのバンド、ワールド・シャイネスでも忙しいのに、よく来てくれたね。
徳武: いきなりこの本の事から話が始まるんだね(笑)。
長門: だって面白かったもの!僕らの事もきちんと話に出てきているし、細野さん、山本コータローさんとの対談も入っているし、Dr.K Projectの05年ライヴ未発表音源CDも付いている!売れているでしょ?
徳武: どうなんだろぅねぇ。でも、まさか本を出すとは思わなかったからなぁ(笑)。
長門: そうかぁ(笑)。今までもギターの教則本とかは書いていたよね。
徳武: 「ギター・マガジン」とかでも書いていたんだけど、今は残っていないじゃないですか。出版社の方と構成作家の方が、僕のファンだった事もあって、ギタリストの半生〜生き方の本を書いてみませんか?って言われて、”いや〜僕なんか”って言っていてね。本当は去年出す予定だったんだけど、集中的に執筆できないし、断片的な想い出をまとめても自分の中で時間軸が合わないじゃないですか。人に会って話をするのもあったりして、一年以上かかっちゃったのかな。
長門: この『ぼくらは今もエレキにしびれている』っていうタイトルは?
徳武: 音楽をやり出したきっかけってベンチャーズだったから、『エレキ』っていう言葉は、そこに戻らなきゃ自分を説明できないっていうのがあってね。僕らの世代じゃないと分かりにくいかもしれないけど、『エレキにしびれている』っていう言葉は、当時の時代を表している一世を風靡したキーワードで、どうしても使いたかったんですよ。
長門: そうだよね。『エレキ』って、あの時代を象徴する、今で言えば流行語大賞だよね。
徳武: 本を読んでもらった方々からは、同じような時代背景に共感したって言われたりしたね。

FLYING SAUCER 1947

長門: 徳ちゃんのギターが全面フィーチャーされている、細野さんの『FLYING SAUCER 1947』は、細野さんがカントリーやヒルビリーっぽいのをやりたいって処で、真っ先に呼ばれたんだろうね。レコーディングはどうだった?
徳武: 確か、二日間で9曲録ったんだよ。
長門: すごいね。細野さんも最短時間だって言っていたものね。きっとワールド・シャイネスっていうバンドが楽しかったんだ。
徳武: うん、楽しかったですよ。細野さんは、やっぱりグルーヴの求め方が良く分かっている人というかな、例えば1曲目の「PISTOL PACKIN’ MAMA」とかの古い曲のノリを求められて、僕やドラムのモッチャン(浜口茂外也)、(高田)漣はパッと掴めるんだけど、ベースの伊賀(航)君にしても(コシ)ミハルちゃんにしても、再現するのって難しいんだよね。僕らは助け合って作っていくんだけど、そういう姿を細野さんは面白がっている感じも有ったよね。でも細野さんはYES-NOが、はっきりしているから、ちゃんとグルーヴが出てくるまでやるんだよね。
長門: 徳ちゃんが入った事によって、すごくソリッドになったよね。細野さんの歌が生きてくるんだよね。それはエルヴィスと、彼のバンドのギター、ジェームス・バートンの関係だったり、そんな感じがするよね。徳ちゃんは細野さんのやろうとしている40年代のアメリカの音楽っていうのも、肌でわかっているものね。それが素晴らしいし、安心して聴けるよね。細野さんと昔、スタジオでやった事はあるよね?
徳武: うん、あるある。細野さんの『はらいそ』もそうだし、(鈴木)慶一の『火の玉ボーイ』がそうじゃないかな?
長門: 今出ているCD『火の玉ボーイ』には、徳ちゃん、ミッチ(林 立夫)、佐藤博さん、コマコ(駒沢裕城)、細野さんでやった「酔いどれダンスミュージック」とかが、ボーナストラックで入っているよね。あの頃から細野さんは、徳ちゃんのギターは(鈴木)茂や(伊藤)銀次ともタイプが違うし、すごいって言っていた。
徳武: 76〜77年頃かな?ヤマハの『LIGHT MUSIC』っていう雑誌があって、これから期待される若手のミュージシャンっていうテーマで取材があったんだよね。僕はラスト・ショウをやっている頃で、その時に細野さんが編集部に紹介してくれたらしかったんだけど、アリちゃん(松田幸一)が“そんなもん、載ってもあかんで!”って(笑)、断っちゃったんだよ(笑)。今度は直接電話がかかってきて、結局掲載されたんだよね。その時は確か、キーボードでは少年探偵団で一緒にやっていた岡田(徹)君と、ドラムの島村英二が掲載されたんだと思う。
長門: それにしても30何年経つワケだからね。でもここまでガッチリやったのは始めてだよね。細野さんとの一番最初のバンドはどこでやったんだっけ?
徳武: ライヴが先で、06年のフジロックでのハリー・ホソノ・クインテットかな。すごい条件の中で、よくやったなって(笑)。モニターも何も、予想と違って(笑)。もう、バンドのメンバーを信じてやっていくしかないっていう状況だったね(笑)。細野さんはツアーに行きたがっているみたいなんだよね。ワールド・シャイネスで、アメリカにツアーに行ってみたいよね。
長門: そうか、でも思っている時にやらないと、気が変わるからね(笑)。それにせっかく今、カントリーやアメリカン・ルーツ・ミュージックが盛り上がっているんだから。
徳武: でも細野さんがやるから、ウケるんだろうな。
長門: これをきっかけにして、少しでも若い人達がカントリーやヒルビリーを聴くようになれば良いよね。

長門: いろんな処で徳ちゃんのギターはひっぱりだこだと思うんだけど、最近は誰とやっているのかな?
徳武: 残念ながら(吉田)拓郎さんのツアーが無くなっちゃったけれど、予定では今頃ツアーの真っ最中だったんだよね。ギタリストとしては、ハロー・プロジェクトの安部なつみちゃんのバックをやっていて、今度のディナーショーは何本かやりますよ。昔一緒にやって来た仲間がいろんな処に散らばっていて、それぞれいろんな仕事をやるようになって来て、その中でも音楽的にモノを考える人もいるワケですよ。打ち込みじゃなくて”生”をやらせたいって、真っ先に相談を受けたから、”じゃ、やりましょうよ”って。アレンジは、いきなりアコースティックに修正って出来ないので、少しずつ生演奏でやっていますね。そのうち全部、生楽器でバックをやるようになると思いますよ。彼女達も、先を考えると音楽的な方向に行きそうなんですよね。僕らも成長して、そこまで見れるようになったのかな。昔だったら、お断りしてましたよね(笑)。
長門: 徳ちゃん自身のソロや、Dr.K ProjectのCDは、これから?Dr.K Projectとしては、冬のエレキ・インストの定番『Theme From A Winter Place』が、今の処の最新作だよね?
徳武: ええ。今は、昔からやりたかったんだけど、今年の5月くらいまでは、僕がレス・ポール役で、メリー・フォード役の女性シンガーと一緒にやるっていうスタイルを録音していたんだけどね。レス・ポール・スタイルの様に、多重録音じゃなくてシングルでやっているんだけど、それも雰囲気がすごく有ってね。じっくり焦らず作っていきますよ。
長門: あとは毎週のラジオもやっているよね?
徳武: 音楽専門の衛星デジタルラジオ、ミュージックバードのCommunity3のチャンネルで、毎週月曜日の15:00〜17:00に放送中です。全国37箇所のコミュニティFM局でも聞けるんだけどね。自分で選曲して、CDを持っていって、説明も全部自分でやってっていうラジオ番組。自分の好きな曲や、ルーツ・ミュージックを基本にカントリーロックとか、エレキ・インストのコーナーを設けているんですよ。仕事の都合がつかない時は別録りだけど、基本的には生放送。Trip in the Countryって番組名で、エリアコード615のアルバムタイトルなんだけど。
  http://www.musicbird.jp/channels/communitychannel/regular.html
長門: そうか。慶一のラジオ番組はRock Of All Agesってタイトルで、あれも好き勝手にやっているよね(笑)。
徳武: そうそう(笑)。慶一にはゲストで出てもらったことがある。
長門: あとはDr.Kが出張、出前、往診、巡回のギター・クリニック・サービスかな?
  http://www.rocosmusic.com/drk/clinic/clinic.html
徳武: 美人ナースは同行しないんだけどね(笑)。ギター・クリニック・サービスは時々かな。あとは地方から、ベンチャーズ・バンドでお呼びがかかるんですよ。
長門: それはいわゆる『オヤジ・バンド』?
徳武: そうそう(笑)!オヤジ・バンドのケアというかね。「大志を抱けお父さん」〜Daddies Be Ambitious!だよね(笑)!
長門: でも彼らにしてみれば、徳ちゃんはベンチャーズやジェームス・バートンだとかの、直系ギタリストとして見ているんだよね。彼らも思っていると思うよ、ソロが早く聴きたいって。
徳武: ありがたいよねぇ(笑)。でも僕自身、今は、いろんな仕事が出来ているのが楽しいからね。バッキングの楽しさに戻っている処は有るかもしれないね。

ジェームス・バートン/
ザ・ギター・サウンド・オブ・ジェームス・バートン

大貫妙子/
Grey Skies

長門: この本にも書いてくれているけど、初めて会ったのは、僕の長崎時代からの友達、小宮(やすゆう)の家、阿佐ヶ谷の”イタリアン荘”で会ったんだよね。
徳武: そうそう。名前はオシャレだけど(笑)。でもレコードがずら〜って有ってね。僕は当時、インストしか知らなくて、ただギターだけは弾いていて他人から褒められる(笑)っていう存在だったんだけど。仙台で田村君っていう人と知り合って、彼から”東京に戻ったら絶対に小宮君に会いなさい”って言われて、連絡もせずに、いきなり訪ねて行ったんじゃないかな。小宮君が、良く快く受け入れてくれたなって思ってね。今思うと、そんな巡り会いにもすごい感謝していますね。
長門: 僕らの当時の音楽仲間は、ほとんど長崎の人達だったけど、そこに徳ちゃんとか東京の人が入ってくるって、あんまり無かったんだよね。僕は矢野(誠)さんに呼ばれて東京に来て、あの頃は矢野さんの家に、徳ちゃんを始め、ブレッド&バターのメンバーや、いろんな人が出入りしていたよね。
徳武: 僕の最初のスタジオ仕事って矢野さんに誘ってもらったんだよ。譜面も読めないのに、コード譜とかだけもらって、アコースティック・ギターでアルペジオ。その後、インペグ屋から直接呼び出しがあって、スタジオに行ったら全然知らない人ばっかりなの(笑)。矢野さんは居ないし、これはマズイなっておじけずいちゃうわけ。出来なかったりするとディレクターから怒られてね(笑)。
長門: 四谷のディスクチャートにも良く来ていたよね。僕が覚えているのは、徳ちゃんがコカ・コーラのCMの仕事をとってきて録音したり、夜中に一緒にター坊のデモ・テープ作ったりとかしていて。その時のセッションは、こないだ紙ジャケで再発された、ター坊の『Grey Skies』にボーナストラックで「午后の休息」として発表されたんだよ。あの頃は山本コータローと少年探偵団をやっていたんだっけ?
徳武: 探偵団は、同じ頃かな?コーラのCMは、ジェリー・リードのスタイルでやった覚えがあるね。
長門: 僕はスプーンをカチャカチャやっていた記憶があるな(笑)。セッションでは、ギターももちろん、ベースもやっていたよね。
徳武: そう言えば、(山下)達郎が、シュガーベイブ作る時に、”ベースで入らない?”とか言われて誘われたんだよ(笑)。僕は”ちょっと違うよ”って(笑)断ったんだっけ(笑)。
長門: そうか、もしベースだったら、ルイズルイス加部みたいに弾きまくっていたかもね(笑)。あの頃から徳ちゃんは、他の日本人が誰も弾けないようなギター弾いていたからね。
徳武: そうだね。というか、僕は自分に向いている、自分の好きなモノっていうのが早めに見つかったんだと思うね。それは、長門さんや小宮君のおかげなんだけどね。ベンチャーズが入り口で入ったんだけど、もっとアメリカ音楽の深い処を探っているうちに自然と見つかったんだと思うね。
長門: ディスクチャートではしょっちゅうベアフット・ジェリーとかをリクエストしてくれていたしね。いまだにスタイルを変えずに一線でやっているし。そうだ、ベアフット・ジェリーとも一緒にステージに立ったんでしょ。
徳武: 98年にアメリカに行くっていうのが決まっていた時に、ベアフット・ジェリーのホームページを見たら、リ・ユニオンのライヴをやるのを見つけて、ナッシュビルに着いて連絡したら、”おまえギター持って来たか?”って言われて、”一緒にやろう”って(笑)事になって。次の日にリハで、その次の日に本番。曲順が書いてある紙だけもらって、譜面なんか無いんだよ(笑)。いきなり始まるんだけど、昔から大好きで聴いていた曲だから、できるんだよ、これが(笑)。ハモってたりすると、メンバー皆よろこんじゃったりして(笑)。こっちは心臓バクバクしてやっていて、”大丈夫か?こんなで良いのか?”とか思っていて(笑)。
長門: でもそれは、夢が叶ったって事だよね!(笑)。
徳武: うん!もう、夢だよ。帰って来て、大瀧(詠一)さんにセッションに呼ばれて行った時に、その話をしたら、”徳、おまえ、本懐を遂げたな!この野郎、最高だ!“って(笑)言われたっけ。

長門: 本にも音楽の出会いは書いてあるけど、最初に買ったハジレコって何?
徳武: 小遣いを貯めて買ったっていうのは、やっぱりベンチャーズだったよ。高くてLPレコードは買えないから、最初はシングルの「ダイアモンド・ヘッド」だったかな。LPが欲しかったけど、友達が持っているのを借りたりしていて、4曲入りのEP盤が出始めて、嬉しくて買い漁ったな。当時はギターの譜面も出ていないし、耳コピーでレコードを聴いて、ギターの練習していたね。キーは間違っていたのかもしれないけど(笑)。
長門: あの頃って、ベンチャーズが好きな人も居たけど、ビートルズって人もいたよね。
徳武: 二手に分かれていたよね。ビートルズは女の娘にキャーキャー言われていて、僕は硬派だから(笑)、ベンチャーズに行ったんだと思うね。それから、歌が歌えないっていうのもあったけどね。
長門: ベンチャーズはトリビュートもやったし、メンバーと一緒にセッションやったりもしているんだよね。ギターのジェリー・マッギーと一番仲良いんだっけ?
徳武: そうだね。ノーキー・エドワーズとも仲が良いけど、ジェリーとはルーツがお互い良く分かるっていうか、彼は音楽的な根っこがしっかりしていて、ルイジアナだから、スワンプをやったりしていてね。一年に一回、ベンチャーズの夏のツアーで来日する時は会いに行くんだけど。彼から”朝、一緒に飯を食べに行こう”って連絡が来て、そうすると朝の10時頃に新宿にいかなきゃいけなくて(笑)。それで公園に行ったり、一緒に楽器屋さんに行ったりって感じかな。
長門: 徳ちゃんが一番、レコード屋さんに行っていた時期は、何処に通っていたの?
徳武: やっぱり、長門さんのパイド・パイパーかな?たくさん教えてもらったよね。シンガー・ソング・ライター、R&B系、AORとかね。ちょうど、ラスト・ショウをやっていた頃で、ミュージシャンはお金が入るとレコード買っちゃうんだ(笑)。
長門: パイドをやる前は、僕は山下くんや小宮と、神田の中古レコ屋さんとかに行っていたけどね。
徳武: 僕は上野の蓄光堂だよね。あとはメロディ・ハウスも良く行っていたなぁ。そうそう、どこかのデパートの催事場で、レコード市をやっていてレコハンしていたら、あれ?どっかで見た奴がいるなって思っていたら、山下だったりしてね(笑)。コート着て、漁っていた(笑)っけ。今でいうヲタクだからさ(笑)。

長門: 徳ちゃんのルーツというか影響を受けた作品って、大体見当はつくんだけど。でも、それだけじゃ無いんだよね。
徳武: もちろん、ナッシュビル系は根っこにあるけど、オーティス・レディングや、モータウン、アトランティック系を集めた時もあったり、黒人音楽も大好きなんですよ。スティーブ・クロッパーのギターも、彼のプロデュースした作品も大好きだよね。レジー・ヤングとか、黒人も白人も両方やるじゃないですか。あの辺の人達のフレーズが、もうすごい勉強になったね。ここに来る人達は、みんなマニアックなものを持ってきているみたいだから、自分らしいのを持って来ちゃった。広げるとキリが無いんだよ(笑)。
長門: 全然、それで良いんだよ(笑)。
徳武: 「 ベンチャーズ / ノック・ミー・アウト! 」
  −録音的な部分から考えても、当時の最先端の音がしていたよね−
 「10番街の殺人」とかカッコ良かったな。アレンジもスゴイし、演奏も素晴らしいし。こんなカッコイイ音楽があるんだなって思ったね。当時全米でヒットしていた曲の「オー・プリティ・ウーマン」とか「シーズ・ノット・ゼア」とかをインストでやっているね。この中の曲はほとんど弾いていたな。初めて買ったLPがこのレコード。オデオン盤みたいな、赤いレコード盤。聴きすぎて、白い粉を噴くくらい、聴きこんだよね(笑)。

「 デュアン・エディ / Have Twangy Guitar-Will Travel 」
  −もう、神様みたいな存在の人。ああいう歳の取り方をしたいな−
 本人にも会って、僕のレコーディングにも参加してもらったし、メールもたまにやりとりしている。やっぱり素晴らしい人だよね。ナッシュビル録音で行った時に、この曲はデュアン・エディみたいに弾きたいなと思って、タイトルが決まっていなくて「デュアン・エディ・タイプ」って書いた譜面をメンバーに渡したら、”デュアン・エディだったら、隣の隣に住んでるよ”ってキーボードのビル・クォモ(Bill Cuomo)が言って、彼がデュアン・エディに教えたんだろうね。そしたら何日か後に、デュアン本人がスタジオに来たの!(笑)、目の前に(笑)。もう、ビックリした!(笑)。僕の音楽を聴いてくれて、気にいってくれたみたいでね。”君はアルバート・リーみたいな事をやっているんだね”とか言われて。本人も一緒に「アパッチ」をやっても良いって言われて、えぇ〜!!って(笑)、もう願ったり叶ったり。その二日後にスタジオに来てくれて。また、カッコイイでかいピック・アップ・トラックで来るんだよね(笑)。僕は先に録っていたから、ダビングで良いかなって思っていたら、”一緒に弾こう”って言われて(笑)。しかもノーギャラでやってくれた。すんごい緊張したけど、面白かった(笑)。

「 ベアフット・ジェリー / ウォッチンTV+ユー・キャント・ゲット・オフ 」
  −リユニオンのステージに一緒に立てた事、感慨深いものでした−
 ‘79年にナッシュビルに行った時に、初めてウェイン・モス(Wayne Moss)に会ったんだよ。彼は短パンだったけど(笑)。彼にラスト・ショウのレコードを渡して、その後僕はフロリダに行って一週間後に、またナッシュビルに戻った時に、大歓迎してくれて。彼、ラスト・ショウのアルバムを聴いてくれたんだと思うよ。それからの付き合いになってっていう感じかな。メンバーはまだ元気だけど、もう年金で食っていけるんだよね。向こうのミュージシャン組合に、肺水腫だという届けを出していて、その替わり演奏をしたら駄目らしいの。だからエンジニアだったらできますよ、みたいな感じ。プレイヤーとしてはやっちゃいけないと言いつつ、やっているけどね(笑)。

「 レス・ポール / NOW! 」
  −今でも通用するアイデアも、
        現在の録音方法の基本は既にやっていたし、いつ聴いても新鮮−
 昔のヒット曲を、一回リタイヤした後に復帰して、‘70年頃に焼き直して出したレコード。シンガーで奥さんのメリー・フォードとは離婚後の作品だから、全曲インストゥルメンタルの作品。レス・ポールは、今でもニューヨークのイリジウムっていうクラブでやっているらしいんですけど、もう93歳くらいかな?未だに現役なんですね。でも、ステージに行くまでは、お付きの人達から体を支えられて連れて出て来るんだけど、椅子に座ってギターを持つとシャキッとするらしい(笑)。彼は天才だから、未だに好きですよね。

「 ジェリー・リード&チェット・アトキンス / Me And Chet 」
  −ギター・スタイルもそうだし、彼から学んだ事はいっぱいありますよ−
 チェット・アトキンスは言うまでもないんだけど、ジェリー・リードの魅力って、黒人音楽が混ざっていることが凄いんだよね。ファンキーなノリをカントリーに持ってきた人という意味では、すごい功労者だと思う。どうやって弾いているのか解らなくて、テープに録音して半分のスピードで聴いていくと、”あっ!これ、開放弦の部分を使うんだっ!”っとかさ、ようするにバンジョーの弾き方なのね。それで、クロマチック・スタイルで、パパパって早い事をやるのね。それが判ったのよ(笑)。そうやって研究して、僕自身の中に取り入れたね。‘80年代後半に、日本の米軍ベースに知り合いが居て、ジェリー・リードのショーがあるよって言われて、横須賀まで観にいったんだ。本人がギター弾くのはチョロッとだけで、喋りがほとんどだったけれど、連れてきたバック・メンバーが無茶苦茶上手くて、観ていて呆れたね。今では引退しているので、彼にギター弾かせるのは大変だったらしいですよ。トミー・エマニュエルがチェット・アトキンスに、どうしたらジェリーは一緒にギターを弾いてくれるか聞いたそうで、そうしたら”ジェリーの曲を彼の目の前でやって、サビの最後の所を間違えろ”って、そうすると絶対寄ってきて、”そこちょっと違う!ギター貸してみな”って(笑)。

「 エリアコード615 / AREA CODE615+TRIP IN THE COUNTRY 」
  −スタジオ・ミュージシャンっていう存在に気づいた作品−
 福田一郎さんのラジオ「パック・イン・ミュージック」で聴いたのが一番最初で、「ヘイ・ジュード」をフィドルやバンジョー、ハーモニカ、スティール・ギターとかのブルー・グラスの楽器でやっていて、すごいなぁっと思っていた時期が、ちょうど少年探偵団を初めたり、小宮君とかと出会う時が重なったのかな。小宮君の家のレコード棚から、レコード引っ張り出してクレジットとかを見ていると、彼らスタジオ・ミュージシャンの名前があって、それでまた面白くなって来たんだよ。シンガー・ソングライターにも行けたし、ディランにも行けたしね。ギター以外に目がちゃんといったというか、楽器に関しての部分で、もろに影響を受けましたね。バック・ミュージシャン、スタジオ・ミュージシャンというのは、そういう役割だというのを教わった気がしますね。このCDは、再発の際にはライナーも書かせてもらったな。

「 マイケル・ジョンソン / THE MICHAEL JOHNSON ALBUM 」
  −バッキングやアレンジを考え出した頃に良く聴いていた−
 これはナッシュビルで録音された作品。マイケル・ジョンソン本人自体は変わっていないと思うんだけど、このレコードって、よ〜く聴いていくと、録音して足していった物をどんどん引き算して作っている感じがするのね。それがプロデューサーの吟味なのかもしれない。とにかくシンプルさっていう素晴らしさを教えてくれた。本当に、この音だけで良いんだっていうサウンドに聞こえたのかな。歌モノのバッキングや、アレンジとか考え出すのがこのレコードを買った頃ですね。

「 ルパート・ホームズ / ワイド・スクリーン 」
  −アルバムとしても、アーティストとしても、近年まれに見る衝撃的作品−
 これは衝撃的だったよね。彼自身の才能っていうのも凄いんだよね。ルパート・ホームズって人は、歌も、曲も、詞も作ったりして、アレンジ能力も素晴らしいし、全部できるじゃないですか。このレコードを聴いた時は、とんでもない才能だなと思ってね。確か彼は今、ミュージカルの関係をやっているんですよね。彼は一時期音楽業界をやめていて、証券関係か何かの仕事をやっていたんでしょ。それでまた音楽に戻って来るんだけど、変な人だよなぁ(笑)。これは確か、アレンジャーの瀬尾一三さんがパイドで買ったって言って、聴かされたんだよな。



ベンチャーズ
/ノック・ミー・アウト!
EMIジャパン TOCP-67404
DUANE EDDY
/HAVE TWANGY GUITAR-WILL TRAVEL
<輸入盤>
ベアフット・ジェリー
/ウォッチンTV+ユー・キャント・ゲット・オフ
MSI MSIF-7537

LES PAUL
/NOW!
<輸入盤>
JERRY REED&CHET ATKINS
/ME AND CHET
<輸入盤>

AREACODE615
<輸入盤>
マイケル・ジョンソン
/ダイアログ+マイケル・ジョンソン・アルバム
VIVID VSCD-576
ルパート・ホームズ
/ワイド・スクリーン
カルチュア・パブリッシャーズ CVVC-8025


  mints Barでは、時間の経つのも忘れて、音楽談義が続いています。
     (注)グッド・タイム・ミュージックの流れる店、mints Barは架空の店です。
news!!
    レコミンツ(PART-1&2)にて、下記の徳武弘文関連のCD/DVDをお買い上げの方に、
    オリジナル特典(本人サイン入りの愛用モデルギターピック=サムピック)をプレゼントいたします!
    数に限りがございますので、お早めにお買い求め下さい。
     ○Dr.K Project『Theme From A Winter Place』
     ○小山貢/ Dr.K Project『津軽より愛をこめて〜津軽三味線 PLAY ザ・ベンチャーズ〜』
     ○徳武弘文『【DVD】究極のカントリー・フレーズ大全』
     ○徳武弘文『【DVD】萌え萌えエレキ天国』
     ○徳武弘文『ハッピーデイズ』

○Dr.K Project
『Theme From A Winter Place』
<未開封品>
○小山貢/ Dr.K Project
『津軽より愛をこめて〜
 津軽三味線 PLAY
  ザ・ベンチャーズ〜』
<未開封品>
○徳武弘文
『ハッピーデイズ』
<未開封品>
○徳武弘文
『【DVD】究極のカントリー・フレーズ大全』
<未開封品>
本人サイン入りの
愛用モデルギターピック
          =サムピック
○徳武弘文
『【DVD】萌え萌えエレキ天国』
<未開封品>

    徳武弘文著『ぼくらは今もエレキにしびれている<未発表音源CD付き>』(かんき出版発行)を、
    本人サイン入りで販売いたします。数に限りがございますので、お早めにお買い求め下さい。


徳武弘文さんのオーダー
ウィルキンソン
ジンジャーエール(辛口)


撮影協力:ラウンジバー瑠璃
東京都中野区新井1-7-1
カーサトモエビル1階
撮影:フジヤエービック PRO SHOP

第十七夜  おわり
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