「韓国の歴史をスペイン語圏に伝えたい」
「韓国文学翻訳大賞」の高恵仙、フランシスコ・カランサ氏夫妻
「わたしたちの出会いに単なる“愛”を超えた意味を持たせるため、共同で翻訳作業を進めました」
檀国大スペイン語科の高恵仙(コ・ヘソン)教授(57)と、夫で元韓国外国語大スペイン語科教授のフランシスコ・カランサ氏(61)が13日午後、ソウル・プレスセンターで表彰が行われた「第8回韓国文学翻訳賞」で大賞を受賞した。受賞作品は、夫妻が共同で翻訳した金薫(キム・フン)の長編小説『孤将』(スペイン語題『El Canto De La Estada』)。
「旅行中に偶然見つけて買った本ですが、これをぜひとも翻訳しようと思い立ちました。戦争というものは洋の東西を越え、すべての文明社会が共有する関心事であり、この小説が韓国の文化をスペイン語圏に伝える上で良い参考になると確信しました」
2005年にスペインで出版された『孤将』は、スペイン最大の書店チェーン「本の家(Casa De Libro)」が発表したベストセラー・ランキングで、4カ月連続で20位以内に入った。また、06年2月にはバスク地方の公営テレビ局EITBの「今週の本」にも選ばれた。
高教授とカランサ元教授は、1992年から現在までに韓国の文学作品13冊をスペイン語に翻訳してきた。高教授は「夫婦が共同で翻訳すれば、意見の違いが生じても、他人同士に比べれば早く解決でき、翻訳者としての信頼感も築くことができるため、翻訳のスピードも速まる」として、夫婦が共同で翻訳するメリットを語った。「『孤将』の中で、食糧が底をつき、李舜臣(イ・スンシン)将軍がサツマイモをゆでて水軍兵士たちに配ったという部分を翻訳していたとき、夫は“壬辰倭乱(豊臣秀吉の朝鮮侵攻)当時、韓国にサツマイモはなかった”と主張し、作者の金薫氏に電話をかけました。小説の中の話ということにしてしまえば、サツマイモを登場させても問題はなかったのですが、わたしたち夫婦は作品の内容と合わせて、韓国の歴史もきちんと伝えなければならないという意欲を持っていました。そこで、当時朝鮮の人々が食べていた黍(きび)餅に直そうと提案したところ、作者が快く同意してくれました」
高教授はコロンビアに留学中、ペルーから来たカランサ元教授と出会い、来年で結婚30周年を迎える。夫妻は「わたしたちが本当に出会えてよかった、とお互い感じることができるように」とし、共同で翻訳に取り掛かった。『孤将』を翻訳した後も、李仁星(イ・インソン)氏の『見知らぬ人々の中へ』や、金英夏(キム・ヨンハ)氏の『黒い花』、イ・チョンジュン氏の『祭り』などをスペイン語に翻訳した。これらの作品は、アルゼンチンやメキシコなどですでに出版されたり、近々出版される予定だ。今年6月からは『亀旨歌』『黄鳥歌』など、古代の詩歌の翻訳にも取り掛かっている。高教授は「来年3月までに100篇の詩歌を翻訳し、スペイン語圏に紹介するのが目標」と話している。
金泰勲(キム・テフン)記者
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