

戦の陣幕や旗に用いられる武田家の家紋・武田菱。信虎の本陣の陣幕は、菱形を花の文様に変化させた“唐花菱”だったが、晴信時代は“四つ割菱”の“武田菱”になる。
*但し、家臣の陣幕などには引き続き“唐花菱”も登場する。

信虎時代は“白地に黒”の紋が、晴信時代は“赤地に黒”になる。鮮やかな色彩は、“信濃攻め”をはじめとする今後の晴信の活躍ぶりを象徴させたもの。

“唐花菱”は曲線を使った複雑なデザインだが、“武田菱”はシンプルで直線的。柔らかい曲線、複雑な形の花菱はやや古い印象、一方、武田菱の鋭角的な直線は新しさの象徴として、信虎と晴信の違いを自然に感じ取れるようにした。