プレイ開始後、約30分が経過したところで名作「Change
of Life」。さらにその約30分後には、盟友デリック・メイによる不朽の名作「Strings
of Life」。3台のターンテーブルを自在に操り、リズムマシンTR-909をもミックスしていくお得意のスタイルで、観衆をグイグイ引っ張っていく。特にTR-909を用いたパフォーマンスは圧巻だ。レコードにテンポを合わせてミックスした後、その場でリアルタイムにリズムを打ち込んでいき、音を抜き差ししていく。機材に明るくない方に具体的に説明すると、彼はそのステージ上で、即興演奏にて作曲していたのだ。使っているのはリズムマシン1台。機材を扱ったことのある人でも、たった1台のリズムマシンだけで、これほどまでにグルーブ感があってパワフルな演奏が出来るなんて、果たして想像できただろうか?
キュウヘイはジェフが残したTR-909のビートを、徐々にスピードダウンさせながらプレイをスタートした。既にすっかり明るくなった会場で、彼はミニマルながらもトランシーな選曲を繰り広げていく。石野卓球の「Polynasia」等のヒットチューンも交え、自身の曲「Edge
of No Control」で一旦終了。そして一瞬音が止まったところで、静かに聞き慣れたイントロが聞こえてきた。アンダーワールドの「Rez」だ。一昨年のアンダーワールドのライブでの感動を思い起こさせるこのサービスに、観衆も大満足したことだろう。