「劇団四季、いじめ問題テーマの全国ツアー」の記事詳細

劇団四季、いじめ問題テーマの全国ツアー

12/15 13:09更新

　劇団四季（横浜市青葉区）は今月１６日から京都劇場（京都市下京区）で開幕するミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」（千秋楽は来年１月２７日）に地元の子どもたち約６０００人を無料招待する。同作は“いじめ問題”に真正面から取り組んだ作品で、今回の無料招待はその公演趣旨に賛同する７つの企業の協賛で実現した。これまであまり例がない“いじめ問題”を取り扱った企業の社会貢献活動として注目されている。

　「ユタと不思議な仲間たち」は、昭和５２年が初演の同劇団オリジナルミュージカル。いじめに苦しむ少年、ユタが苦難に立ち向かい、克服するまでを描いている。平成元年１０月にそれまでの演出や音楽、振り付けなどを一新、大人も楽しめる内容に作り替えた。

　劇団四季では、今年４月１４日から約３年ぶりとなる同作品の全国ツアーを決定。作品の趣旨に賛同した７企業が公演支援を打ち出し、来年３月９日まで全国５６都市で開く全国ツアー期間中に２５万４０００人の子どもを招待することが実現した。

　支援するのは日本生命、三菱東京ＵＦＪ銀行、三菱ＵＦＪ信託銀行、トヨタ自動車、ＪＲ東日本、三井不動産、京セラの７社。これまで、これら企業の支援により北海道新冠町（今年８月）や福島県南会津町（同９月）などで四季の初公演も実現している。

　１６日から始まる京都公演では全３７公演のうち、９公演を貸し切り公演とし、学校単位で京都府下の小学６年生約６０００人を招待する。

　関係者は「企業の社会貢献テーマとして扱いにくいとされる“いじめ問題”。この問題に企業がアプローチする一つの方法として注目されるのではないか」とみている。

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