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北朝鮮が中国国境に鉄条網 北京五輪に配慮か

2007.12.16 16:14
このニュースのトピックスウイークエンド「MSN産経ニュース」
中朝国境に北朝鮮側(手前)が設置した鉄条網=11月24日、宮塚利雄山梨学院大学教授夫人撮影中朝国境に北朝鮮側(手前)が設置した鉄条網=11月24日、宮塚利雄山梨学院大学教授夫人撮影

 北朝鮮が中朝国境に長距離に渡って鉄条網を張り巡らしている写真の撮影に、山梨学院大学経営情報学部の宮塚利雄教授(朝鮮近代経済史)夫妻が成功した。脱北者防止策として設置したとみられるが、宮塚教授は北京五輪前に神経をとがらせる中国への配慮とみている。

 撮影は中国・遼寧省丹東市郊外の万里の長城の東端が遺跡として公開されている「虎山長城」の頂上から行われた。昨年の北朝鮮の核実験以降、中朝関係がギクシャクして、中国側に鉄条網が部分的に張られ、写真や映像に収められたが、北朝鮮側に張られた鉄条網の写真は珍しい。

 北朝鮮側は今年8月以降、国境を流れる鴨緑江(アムロクガン)を隔てて、中国側の鉄条網と対面する形で、鉄条網を張り始めたという。高さはほぼ同じくらいだが、資材不足からか、有刺鉄線ではなく、針金を通しただけのものだ。宮塚教授は「数十キロはあり、電流を流している個所もあるのではないか」と推測している。

 鴨緑江(アムロクガン)は川幅が10メートル程度の所も多い。昨年の核実験前までは中国側の売店の店員からアイスクリームやタバコを買うと、「おーい」と対岸から北朝鮮の国境警備兵を呼んでくれ、買ったものを差し出せば、警備兵らは握手にも応じていたという。かつて握手したことがある宮塚教授は「手袋に穴が空いていた」と証言している。

 今回、北朝鮮側が鉄条網を敷設したことについて、宮塚教授は「中国の有刺鉄線設置を脱北問題への圧力と受け取った北朝鮮が、北京五輪をひかえる中国に対し、こちらもちゃんと脱北対策をしているとアピールしている」とみている。

このニュースの写真

中朝国境に北朝鮮側(手前)が設置した鉄条網=11月24日、宮塚利雄山梨学院大学教授夫人撮影
中朝国境に設置された中国側のフェンス。(川の対岸が北朝鮮側で、北朝鮮側が設置したフェンスが見える)=11月24日、宮塚利雄山梨学院大学教授夫人撮影
中朝国境に設置された中国側のフェンス。川の対岸の北朝鮮側が設置したフェンスが見える=11月24日、宮塚利雄山梨学院大学教授夫人撮影
夫人が撮影した虎山長城の写真を手に国境を語る宮塚利雄教授
虎山長城の近くにある北朝鮮の監視所(宮塚利雄教授提供)
中国・吉林省集安市郊外の国境地帯にも鉄条網が。写真撮影禁止の看板も立つ(宮塚利雄教授提供)

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