地球発熱
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【社会】NHK契約ヘリ墜落 機長死亡直前『安定性ない』連絡2007年12月10日 夕刊
九日午前十時五十五分ごろ、静岡市葵区の静岡ヘリポート近くの遊水池に、全日空の関連会社でNHKが契約しているオールニッポンヘリコプター(東京)所属のヘリコプターが墜落した。搭乗の同社社員二人が病院に運ばれたが、機長小宮義明さん(57)=神奈川県相模原市東淵野辺=は間もなく死亡、整備士の亀山幸代さん(33)=同県茅ケ崎市南湖=が重傷を負った。 機長から指示を受けた整備士が墜落直前に携帯電話で「(機体の方向を変える)ラダーペダルの調子が悪い。着陸の際に安定性がない」などと会社に連絡していた。静岡県警は十日午前、原因究明のため現場に残った機体やその周辺の検証などを約七十人態勢で始めた。 また、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会も調査官を派遣し、十日午前、本格的な調査に入った。 静岡中央署などによると、ヘリはユーロコプター社製で小型機のEC135T2型。年一回の検査のため、午前十時ごろ、東京ヘリポートを出発し大阪に向かう途中、給油で静岡ヘリポートに立ち寄る予定だった。 オールニッポンヘリコプターによると、機長は総飛行時間が約五千七百時間のベテランで、報道取材に約二十年かかわった。同社のヘリ十三機はすべてNHKと契約。墜落したヘリは通常、新潟放送局の航空取材に使用されていたという。 静岡ヘリポートの井鍋進所長は「ヘリは池の上空で一時ホバリングしていたが、急に機体が回転しながら落ちた」と説明。墜落直前に機長から風速などの問い合わせがあったが、混乱した様子はなかったという。 静岡地方気象台によると、九日の静岡市は風が弱く、晴れていた。現場は静岡ヘリポートの南西約五百メートルで、工場や事務所のほか、西約八百メートルに県立こども病院がある。
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