「事故機と同じ部品、エアーニッポン機でも欠落」の記事詳細

事故機と同じ部品、エアーニッポン機でも欠落

08/30 20:37更新

　那覇空港で中華航空機が炎上した事故を受け、国内の航空会社が同系列機２３機を緊急点検したところ、エアーニッポン（ＡＮＫ）のボーイング７３７－７００型機の主翼のスラット（高揚力装置）を動かすアーム部分のボルトについているはずの留め具（ワッシャー）１枚がなかったことが３０日、分かった。国土交通省はボーイング社が製造した段階でワッシャーをつけ忘れた可能性もあるとみて、米連邦航空局（ＦＡＡ）に情報提供した上、原因究明と対策の検討を依頼した。

　中華航空機では、ワッシャーがなかったためボルトが脱落し、燃料タンクを突き破ったとされるが、ＡＮＫ機ではボルトは脱落していなかったという。ただ最悪の場合、中華航空機と同様の事態になることも予想される。ワッシャーは見つかっていない。

　問題のワッシャーがなかったのは第１スラットの収納部。スラットは左右の翼に４枚ずつついており、第１スラットは左主翼の最も外側のもの。この第１スラットには内側と外側にスラットトラックというスラットを出し入れする収納部があり、内側のスラットトラックで、燃料タンクと隣接しているダウンストップと呼ばれる部分のボルトでワッシャーの不装着が見つかった。

　国土交通省によると、ＡＮＫ機は今年１月に就航したばかりで、飛行時間は約１３３２時間。整備を２回行っているが、ボルト部分の点検は１回もしていなかった。

　ＡＮＫ機は２９日に中国・天津から名古屋空港に到着した後、同日午後１０時から２時間かけて点検を実施、整備士がワッシャーの不装着を見つけた。ＡＮＫのほかの１２機と、日航の５機、スカイマークの５機には異常なかった。

　同社の佐伯誠治整備部長は「不具合を未然に防止できてよかったと思っている」と話した。

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