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【主張】中華航空機炎上　再発防止へ原因究明急げ

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08/21 06:14更新

　それにしても、乗客乗員全員が無事だったことは不幸中の幸いだった。夏休みのツアー客で混雑する沖縄県の那覇空港で起きた航空機の炎上事故である。
　炎上した台北発那覇行きの中華航空Ｂ７３７－８００には、乗客１５７人と乗員８人が乗っていた。乗客乗員の脱出直後、爆発音がしてオレンジ色の炎とともに黒煙が噴き上がった。消防車が駆けつけ、消火に当たったが、火はあっと言う間に燃え広がり、胴体が真っ二つに折れた。着陸から爆発までわずか数分だった。
　この間、乗客乗員は脱出シューターを使って間一髪で難を逃れた。少しでも脱出が遅れていたら、乗客乗員の命は危なかっただろう。
　機長ら乗員が機体の異常を察知してから乗客の誘導まで問題なく行われたのだろうか。コックピット内の表示盤に警報が示されるはずだ。もっと早く異常に気付かなかったのだろうか。検証の余地は十分ある。
　事故機は左右の主翼にそれぞれ１基ずつエンジンがあり、両主翼には燃料タンクが入っている。滑走路への着陸後、誘導路を自走して旅客ターミナル前の駐機場まで来てそこで燃え出した。エンジンが爆発したらしい。
　航空機事故は「クリティカル・イレブン・ミニッツ」（危険な１１分）と呼ばれるように離陸後３分、着陸前８分に集中する。今回はこの法則に反し、駐機直後に起きた。しかも駐機に入って出力が抑えられているはずのエンジンが爆発炎上した。これも珍しい。
　中華航空によれば、事故機が駐機場に入った際、整備士がエンジンから燃料が漏れているのを目視している。漏れた燃料がエンジンの熱で引火して爆発した可能性がある。なぜ、安全装置は機能しなかったのか。機体の整備は万全だったのか。
　国土交通省や沖縄県警が本格的事故調査に乗り出した。中華航空は調査に全面的に協力する義務がある。
　中華航空機は１３年前にも名古屋空港で着陸に失敗して乗客乗員２６４人の犠牲者を出すなど、世界各地で事故を繰り返している。今回は乗客乗員が命を落とす惨事は避けられたものの、再び同様の事故を引き起こす危険性はある。早く、事故原因を究明し、再発防止に努めたい。

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