燃料パイプ、損傷か 那覇・台湾機炎上
08/21 07:35更新
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20日午前10時半ごろ、那覇市の那覇空港で、台北から到着した中華航空120便ボーイング737-800型(猷建国機長、乗客157人、乗員8人)が着陸してスポットに停止した直後、右翼の第2エンジンから出火、間もなく左翼の第1エンジンに引火、爆発した。乗客と乗員は、出火から爆発までの数分間に脱出用シューターで機外へ避難し、全員無事だった。
沖縄県警によると、整備士(35)が右腕に軽傷。乗客のうち7歳のタイ人女児と57歳の台湾の男性が気分の悪さを訴え、病院に搬送された。ほかに女性乗員(42)が脱出時にひざに擦り傷を負った。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は調査官4人を派遣、沖縄県警と合同で、燃料漏れの原因を中心に調査を進める。また、台湾当局も行政院(内閣)航空安全委員会の担当官らを那覇へ派遣した。
中華航空によると、乗客のうち日本人は23人(うち幼児1人)、外国人は134人(うち幼児1人)。乗客の日本人男性(28)は「機体が止まって棚から荷物を取り出そうとした時、機内に煙が発生した。脱出して2、3分後に機体が爆発した」と話していた。
◇
≪駐機中の爆発まれ≫
中華航空機炎上事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(事故調)は21日未明、事故機の右翼端付近から燃料漏れを確認したことを明らかにした。関係者は、右翼の燃料タンクから第2エンジンに燃料を送る管が何らかの原因で壊れ、燃料が漏れた可能性を指摘。漏れた燃料がエンジンの熱で発火し、数分で左翼の第1エンジンに燃え移ったとの見方が出ている。
事故調によると、滑走路から駐機場(スポット)までの路上には、燃料漏れの痕跡が見当たらず、機が停止した後に大量の燃料が漏れた可能性がある。
航空関係者によると、エンジンには温度センサーが付いており、高温になると操縦室の表示盤に警告が表示される。消火装置もエンジン内に装備されており、エンジン異常を把握した場合は、消火装置を作動させるのが通常の操作だ。
だが、事故機の機長は那覇空港に着陸してからスポットに入るまで、操縦席の計器は機体の異常を示していなかったとしている。このため機長は脱出直前まで出火に気付いていなかった。
事故機が台北を出発したとき約7920キロあった燃料は、那覇着陸時には約4717キロに減っていた。これは「通常の減り方」(国交省幹部)で、燃料の量からも異常は見あたらない。
このため、機体の異常は那覇空港の41番スポットに入ってから起きた可能性が高くなっている。
特定非営利活動法人「航空フォーラム」代表理事の清水喜由さんは「駐機場に燃料が飛び散っている。燃料ポンプが動いていて勢いよく噴き出したようだ」と指摘。そのうえで(1)着陸した機体が滑走路上の物体を巻き上げて機体に当たり、燃料系統に損傷が生じた(2)ポンプで送られる燃料の振動で、管に疲労が蓄積していた-などと推測する。
航空燃料は灯油とほぼ同じ成分の「ケロシン」。ガソリンより発火しにくいとされるが、気化した場合は40~70度で、小さな火花でも一気に燃焼する。
元全日空機長で同型機を操縦したことのある乙訓昭法さん(64)は、「操縦席には燃料漏れだけを知らせる装置はない。燃料漏れは離着陸の際に地上から指摘を受けるか、飛行中の燃料の消費状態で判断しなければならない。しかし、空港会社はエンジンを切る直前の火災は想定していないのが現実。事故があった以上、これからは徹底した着陸後の管理が求められる」と話している。
◇
【用語解説】中華航空
本社は台北市。同社ホームページによると、日本では札幌、東京、名古屋、大阪、広島、沖縄と台北、高雄間を結ぶ。1959(昭和34年)に設立。当時は従業員26人。現在、事故機と同型のボーイング737~800型機12機など約70機を保有。社員数約9960人。尾翼のロゴマークは梅の花びら。
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