「北アのヘリ墜落死傷事故　機長が視界不良下で旋回　事故調が報告書」の記事詳細

北アのヘリ墜落死傷事故　機長が視界不良下で旋回　事故調が報告書

11/30 10:45更新

　富山市の北アルプス・水晶岳（２９８６メートル）山頂付近で今年４月、アカギヘリコプター所有のヘリコプター「富士ベル式２０４Ｂ－２型」が墜落し１０人が死傷した事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は３０日、天候の急変により霧と降雪で視界が確保されない状況で離陸し、自機の姿勢や高度、位置などを把握できないまま旋回したことが原因とする報告書をまとめた。
　報告書では、死傷事故につながった要因に（１）機長の計器飛行能力が劣っていた（２）座席の一部が取り外されていて席のない乗客がいたほか、シートベルトを装着していない乗客もいた可能性がある（３）ヘリと乗客との間で通信手段を確保していなかった－ことをあげ、所見として飛行規程の順守と安全意識の徹底、山岳地を飛行する操縦士は視界が悪い時のために計器を使った飛行能力も普段から養成しておくことが重要だとした。
　事故は４月９日午後４時１０分ごろ、富山市の水晶岳山頂付近で発生。水晶小屋（２９００メートル）の増築工事の下見をするため同日午前に小屋に輸送した工事関係者ら６人とアカギヘリコプターの社員３人を乗せて水晶岳山頂近くの水晶場外離着陸場から離陸後、約９５メートル離れた凍った斜面に墜落した。天候不良の雪山での飛行で、乗客を乗せている１０分間に急激に天候が悪化し霧と降雪で十分に視界がない状態で離陸し墜落、機長ら２人が死亡し８人が重軽傷を負った。

記事タイトルまで戻る

ニュース特集

もっと見る

おすすめブログ