「堺ヘリ事故 　落下直前にホバリング」の記事詳細

堺ヘリ事故 　落下直前にホバリング

10/30 13:04更新

　堺市の南海高野線に大阪航空（本社・大阪府八尾市）が運行する小型ヘリコプターが墜落した事故で、ヘリの機体に異常が生じ、落下直前に上空でホバリング（空中停止）していたとみられることが３０日、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の調べでわかった。また、切断された尾翼部分に主回転翼（メーンローター）が接触した跡があり、メーンローターが尾翼部分を切断したことで最終的に機首から垂直に墜落したとみている。
　墜落現場から北東約１００メートルの地点で事故を目撃した男性（６９）によると、バタバタというヘリのホバリングする音が聞こえた後、突然エンジン音が消え、ヘリが斜めに落下したという。
　事故調は同日までの現場周辺での聞き取り調査で、こうした目撃情報を複数確認。「これから帰ります」と無線連絡した直後にホバリングする理由はなく、操縦士が何らかの異変に気付いてホバリングした可能性が高いとみている。
　また事故機は、尾翼部分と操縦席をつなぐ胴体部分が３つに破断し、尾翼部分は線路西側の路上に落ちていた。尾翼部分にはメーンローターのブレード（羽根）の塗料がついており、ねじ切られたような切断面だったという。
　機体のバランスが崩れた際には、メーンローターが下方に傾いて機体に接触することがあるといい、事故調は、事故機が水平に回転しながら高度を下げていたが、一気に落下したのではないかとみて調べている。

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