地球発熱
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【国際】『南京事件』追悼 厳かに 占領から70年2007年12月14日 朝刊
記念館を拡張【南京=小坂井文彦】旧日本軍の南京占領から七十年を迎えた十三日、拡張・新装工事を終えた江蘇省南京市内の「南京大虐殺記念館」で、犠牲者追悼式と再オープンの記念式典が行われ、入場者が長蛇の列をつくった。江蘇省、南京市両政府などの主催で、当時の生存者や日本の民間団体ら過去最多の約八千人が参加。「平和施設」のイメージを強調、日本に一定の配慮を示した。 防空警報が鳴る中、参列者が黙とう。南京市民代表の大学生の任潔さんが「犠牲者が安眠できるよう平和な社会にしましょう」とあいさつした。参列した中央政府関係者の最高位は共産党対外連絡部の劉洪才副部長。式典を派手にしないよう気配りしたとみられる。 総工費は約三億二千八百万元(約五十億円)。敷地面積は約三・三倍の七・四ヘクタール、館内の展示面積は約十一倍の約九千平方メートルに拡大。展示写真は約六倍の約三千五百枚に増え、被害者の遺品や旧日本軍の遺留品なども約三千点となった。 中国が主張する死者数「三十万人」が各所に表示されているが、朱成山館長が「恨みや憎しみではなく、平和を目指す施設にした」と話すように、世界平和を祈念する公園も新設された。「日中関係の発展を願う」ための「目玉」とされた日本の政府開発援助(ODA)の紹介は、パネル一枚が展示されただけ。犠牲者追悼に訪れた日本人が中国人から小石を投げ付けられる場面もあった。
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