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「2ちゃんねる」の書き込みで脅迫、有罪 東京地裁判決

2007年12月14日11時40分

 評論家の池内ひろ美さんをネット上の掲示板「2ちゃんねる」への書き込みで脅したとして脅迫と威力業務妨害の罪に問われた会社員小林一美被告(45)=東京都日野市=に、東京地裁(石井俊和裁判官)は14日、懲役1年執行猶予4年(求刑懲役1年6カ月)の有罪判決を言い渡した。池内さんの講座が予定されていた昨年12月20日に「(会場が)血の海になりますよ〜」などと書き込んで講座を中止させたと認定。「卑劣で悪質な行為」と非難した。

 弁護側は「書き込みはほかの書き込みへの返答や揶揄(やゆ)にすぎず脅迫罪にはあたらない」「被告は講座を妨害する意思はなかった」などと無罪を主張していた。判決は「教室に灯油をぶちまき火をつければあっさり終了」などとした書き込みが「加害行為の告知を内容とすることは文面から明らか」として脅迫罪にあたると判断。威力業務妨害罪についても成立を認め「加害行為の内容は激烈で講座を中止させた結果は重大だ」と述べた。そのうえで「積極的な意図を持っていたとまではいえない」と執行猶予とした理由を説明した。

 傍聴した池内さんは「被告は2ちゃんねるの常識を根拠に無罪主張していましたが、その理屈は一般の社会では通用しないと裁判所が判断しての判決だと思います。ネット犯罪に対しては裁判所が厳しく対処しやめさせることが最良の解決であると考えています」とコメントを出した。

 一方、被告弁護人の藤田正人弁護士は「ネット掲示板はコミュニケーションの場ということを理解してもらえなかった」と語った。控訴を検討しているという。

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