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10月24日

広島ドッグパーク 4

土日に、譲渡会が行なわれました。

約3900人の参加者が訪れました。

506頭の中で319頭の譲渡が行なわれました。

いまだ187頭のイヌが新しい出会いを待っています。

皆に幸せが舞い降りるといいのですが。

10月19日

広島ドッグパーク 3

昨日、再び広島ドッグパークに行ってきました。
平日だというのに、多くのボランティアが仕事をされていました。
顔なじみの、ボランティアさんもテキパキと仕事をこなしている様子です。

早速、以前治療した子犬たちの部屋へ。
そこは、20頭ぐらいのパピールーム。
皆、非常に大きくなっていて、びっくり。
とても、過去が想像できないような体型に。
「この子たちが、後数日で、いなくなるなんて」
と担当の人は少し寂しげに、おっしゃいました。

続いて、他の部屋へ。
ここにも以前診察した、見覚えのある顔がゴロゴロ。
栄養状態はすごく改善。
疥癬・床ずれも、かなり治まっていました。
しかし、中には関節疾患・心疾患の子たちも
譲渡後の持続的治療が必ず必要です。
いいオーナーさんが見つかることを祈ります。

今回も新しい出会いがありました。
茨城県から来ていた、動物看護の勉強している学生3人組。
今回の現状を、体験レポートして発表するとの事。

もう1組は、所沢から来られていた、
狭山ヶ丘動物病院の院長夫妻。
遠路はるばる、車で来られたようです。
本当にありがとうございました。

このように、全国の皆さんの協力によって、
ドッグパークもいい方向に走り出してくれることを期待しています。
このプログが少しでも、皆さんのために役立つようにがんばります。

ちなみに今度の土・日曜日が譲渡会です。


10月16日

1本の歯から

今回も私のお気に入りのサイトから
紹介したいと思います。

はるか2億3000万年前から6500万年前まで,
恐竜が地球上を謳歌していた時代があった。
それはヒトに比べ遙かに長い歴史を持っている。
恐竜の存在は,我々をいにしえの世界に誘ってくれる。
ところでさまざまな種類の恐竜達は,何を食べていたのであろうか?

肉食と草食恐竜の最も簡単な見分け方,それは“歯”である。
肉食恐竜の鋭く尖った歯,それは闘争の武器であると同時に
肉を食いちぎり骨までかみ砕いていた。
一方草食恐竜は,目の粗いヤスリ状の歯によって
固い植物く茎や葉をすりつぶして食べていた。

さて恐竜についての研究は比較的新しい。
最初に発見された恐竜の体の部位は,どこかご存知か?
1822年,イギリスにマンテルと呼ばれる医者がいた。
往診の途中で,道路工事のために積まれた土の中に
一つの黒光りする石を発見した。
それは見たこともない歯の化石であった。
いったいどんな動物のものだろう。

ある日,南米のイグアナの研究家,スタッチベリィーがこれを見て,
爬虫類のイグアナの歯そっくりであることを指摘した。
そこでこの歯の持ち主の恐竜を“イグアノドン”と名づけた。
イグアノドンとは,“イグアナの歯”(odont=歯)を意味している。
この歯がきっかけとなって,多くの恐竜が次々と発見された。
世界の恐竜の研究は,このたった1本の歯から始まったのである。

ところで歯が最初に発見されたのは,恐竜ばかりでない。
ジャワ原人,北京原人も歯の発見が契機となっている。
現在,知られている人類の最古の直系の祖先である
“ラミダス猿人”(440万年前)も同様だ。
歯が発見された付近を捜すと骨の化石が見つかるのだ。

さてそれでは,どうして歯が最初に発見されやすいのだろう。
歯の表面を覆っているエナメル質は体中でもっとも硬い。
だから化石として残りやすいのだ。
でも化石として残るためには,条件がある。
当たり前のことではあるが,むし歯がないことだ。
さて小・中学校に通っていた頃を思い出していただきたい。
歯の検診で毎年のようにむし歯を指摘された同級生がいたと思う。
ところが成人してからは,どうだろうか?
以前の様に,短期間に多くの歯がむし歯になることはない。

どうしてだろう?
実は歯は,はえた直後にむし歯になりやすい。
はえたての歯は,目で見たら硬そうに見える。
しかし完全に硬くなってはえてくるわけではない。
たとえば流したてのコンクリートがあったとしよう。
目で見た限りでは,軟らかいか硬いかはわからない。
しかし足で踏むと,穴があいてしまう。
歯もこれと同じ軟らかいのだ。
歯が硬くなるのは3年かかる。
逆に考えれば,はえてから3年むし歯にしないと,
以後にむし歯で悩まされる確率は減ってくる。
むし歯予防は,歯のはえた直後が勝負なのだ。

こんな話を知っていたら、
もっと自分の虫歯も減っていたかもしれません。

ペットの歯に関しての話題を探すのはとても大変です。
他の疾患であれば、いくらでもお話できますが
それは、他の動物病院のホームページに任せておいて
できるだけ、歯科についてコメントとしたいと思います。


10月12日

広島ドッグパーク 2

15日より獣医師会でのボランティア活動が始まる予定です。
私のように、個人で活動するのは簡単なのですが、団体での活動となると
それなりの準備期間が必要となる点については、
理解していただきたいと思います。

往診という限られた中での診療はとても難しいです。
多頭飼育・前歴不明・最低の飼育環境
どれをとっても、病気になりやすい環境が整っているために
どんな病気を持っていても、不思議ではありません。
そんな中での治療となると、予後が非常に気になります。

先日、「治療した子犬たちも、皆元気になりました」という
連絡を受け、ほっと胸を撫で下ろしました。
ただ、それ以外にもたくさんのイヌが
持続的な治療の必要性があることも、理解しています。
到底、個人の力ではどうにもなりません。
それにはすべての人の力が必要です。l
皆でがんばりましょう。

10月05日

広島ドッグパーク

昨日は休診日を利用して
問題となっている広島ドッグパークの様子を見てきました。
湯来町にこんな施設がことを初めて知りました。
まだ入り口の看板がなく、芸南カントリーの前を2往復したのですが
道がわからず、結局、地元の人に案内してもらいました。

外観は想像したより、新しい建物で物資が山積の状態でした。
中では多数のボランティア(県外の人が多いのに驚きました)
が犬舎掃除・トリミング(毛にこびり付いた糞を取り除くのに大変そうでした)
散歩と仕事をしていました。
多くのボランティアが入ってテキパキと仕事をこなしているため
犬舎内も綺麗で、臭いもありません。

早速、代表の人に案内してもらい、イヌたちの治療に入りました。
どの子もやせ細り、床ずれや疥癬(皮膚病)などで体をかきむしっていました。
しかし中には、「ほんとに、ここにいたの?」と思うぐらい元気そうな
少数の犬たちを見てほっとしました。
非常に状態の悪い子達は、すでに大阪などに送られ治療を受けています。
現在いるのは、一部(検査が必要)を除き、軽症(全治1ヶ月)の子達でした。

薬・注射器・点滴などは十分用意したつもりでしたが、
あまりにも頭数が多いので足りなくなった薬も出てきました。
また、すべての病気に対処できる種類の薬を持って行くわけにもいかず
治療できない犬たちもいました。(心臓病・・・など)
それでも、疥癬・下痢・床ずれなどの治療に約5時間もかかりました。

今回、現地に行って感じたことはボランティアの人たちが
とても力強く、楽しそうに仕事を行なっている点です。

そのボランティアの中に、
東京の日本大学獣医学部の3年生4人組が仕事をしていました。
なんと彼らは前日に夜行バスで現地入りし、明日の授業のために
今からバスで東京に帰るということでした。
なんという、学生パワー。
将来、立派な獣医さんになってください。

10月21・22日にかけて現地で里親探し(譲渡会)が行なわれます。
1匹でも多くのイヌたちが幸せになることを祈っています。


10月03日

競走馬は歯で買う

今回はお気に入りのコラムから1つ紹介します。

岡崎好秀
岡山大学・医学部・歯学部附属病院 小児歯科

馬齢(ばれい)を重ねる”という言葉がある。
“無為に年を取る”という意味である。
この言葉の語源について詳しくは知らない。
しかし馬齢の“齢”は“よわい”という字。
馬と齢は,どのように関わっているのだろうか?
一般に草食動物は,他の動物と比べ歯の減りが激しい。
1年の間に約2ミリも歯が擦り減る。
だからウマの齢は,歯の状態から推定できるのだ。
 
競走馬にまつわる歯の話題は多い。
歯のトラブルで勝利を逸したケースは多い。
ウマ好きの方ならご存知だろうが,4歳馬と言えば競走馬にとって生涯一度のチャンス。
なにしろ皐月賞・ダービー・菊花賞などの大レ-スが控えている。
たった2・3分の間に,もてるパワーを爆発させる。
最高の状態で晴れ舞台に立てるよう,ちょっとした体調の変化も見逃せない。

ところでこの頃,歯の萌え代わりの時期である。
調教師は,食欲が落ちると,まず歯を診る。
萌え代わりで痛ければエサを食べない。
“歯がわりに当たって体調を崩した”と言われるほど,
食べられずに勝利を逸したケースは多い。
また歯の擦り減り方が不均一だと,鋭利な部分で粘膜を傷つける。
これもまた食欲に影響するる。
そこで獣医に依頼し歯にヤスリをかけ,噛み合わせを調整する。
ウマも定期的に歯のチェックをしているのだ。

ここで調教師から聞いたウマの見分け方を披露しよう。
まず前歯を見る。
ウマは前歯で短い草を引き抜いて食べるため,
先どうしが当たっているのが良いという。
この様な噛み合わせをしているウマが,食欲旺盛だと言う。
次にアゴの張ったウマが良い。
アゴが発達していることは,歯がよくて何でも噛んで健康とされている。
軟らかい食物の影響で細くなった現代人とは大違いだ。

そもそもウマは,1日16時間食べ続けるなかで進化してきた動物だ。
草はエネルギー効率が悪い。
だから普通の食事では,体を維持するのに精一杯なのだ。
これではとても走れない。
そこで競走馬に,高カロリーで消化しやすい配合飼料を与える。
なるほど!それなら走れる!と思われるだろうが,それでも問題が残る。
ウマにとっては,栄養面より食べることにあてる時間が大事なのだ。
小さな固形資料を与えても問題が残る。。
食べ終えても,他のウマが食べ続けていると,ストレスを感じるらしい。
イライラして,調教どころではなくなるのだ。
さあ困った。

そこで,飼い葉桶の中に大きな石ころを入れたり
サカナの網にエサを入れて与える。
食べにくくさせることで,ゆっくり食事を楽しむことができる。
ウマもゆっくり噛むことで満足するのだ。
忙しい現代社会,ウマに見習うべきことがたくさんありそうだ。

凱旋門賞ではデープインパクトは3位に入賞しました。
仕事の関係で以前は競馬場にも出入りをしました。
もちろん馬を診察するわけでもなく、
その中で飼われているイヌの診察です。
歯にヤスリかけてるなんて、おとなしく、しているのでしょうか?

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