Print this Post Article Lists Back

「性売買特別法」施行から6か月…増殖する異種売春

 23日で「性売買特別法」が実施されてから6か月目を迎える。この法は「許可済み性売買区域」の売春街に大きな打撃を与えるなど、肯定的な効果を得たことが分かった。

 しかし売春街の外にある“第3の地帯”で性売買が横行するという副作用を生んだ。売春街で仕事ができなくなったため、売春女性が外部に流れた影響が大きいというのが専門家の診断だ。

 代表的な現象が代理運転(飲酒した際などに代わりに自分の車を運転してもらうこと)、ビデオバン(個室でビデオを観ることができる店)、ナイトクラブなどで各種の“トウミ(男性に付き添うホステスのような女性)”が登場したこと。

 このような“トウミ”は夜の街で性の提供者を意味する単語に転落しつつある。本紙の社会部記者3人が、15~21日の1週間、身の回りまたはサイバー空間で日常的に繰り広げられている性売買の現場を取材した。

◆車内で

 16日午前1時、ソウル・江南(カンナム)駅。駐車された車の窓に大量に差し込まれているビラの中のひとつに電話をかけた。

 「代理運転を頼みたいのですが、女性のトウミをお願いします」(記者)、「1時間程度お待ちになりますが」(店主)、「どうしてそんなに長い時間待つのですか」(記者)、「あれ(売春の意味)までするので普通より時間がかかります」(店主)

 午前2時頃、“女性トウミ”が到着した。自分を31歳と紹介したAさんは「道がよく分からないので、教えてください」とし、規定より遅い速度で運転した。Aさんは「私はこんな代理運転は初めてだけれど、(私の周りに)こういう仕事をしている女性が30人程度いると聞いている」と話した。経歴を聞くと、1日に3~4回派遣されるという。

 目的地に到着すると本格的な“取り引き”が始まった。値段は代理運転費用を含め15万ウォン。現金だけを受け取るという。取り締まりはないのかと聞くと、「現金で支払うので記録も残らないし、“現場”を押さえられても『私たちは恋人』としらを切ればそれまで」という答えが返って来た。Aさんに「売春はしなくていい」と伝えると「時間だけかかった」と不快そうな反応を示した。

◆ビデオバンで

 18日午後、京畿(キョンギ)道・安山(アンサン)市・元谷(ウォンゴク)洞一帯のビデオバンを回りながら、「女性のトウミも呼べるか」と聞いた。7か所中6か所で「OK」という答えが返って来た。Dビデオバンで4万5000ウォンの“チケット”を購入し、女性トウミのチェ某(23)さんと一緒に部屋に入った。

 チェさんは売買春の場合、気分によって6万~10万ウォンを要求するという。チェさんは「タバン(韓国の旧式の喫茶店、ホステスがつき売春なども行われる)でお茶をサービングしているが、ビデオバンから呼ばれる回数は1日に4回程度」とした。30代はじめの男性の中には、ビデオバンに来る度に女性トウミを呼ぶ“常連客”も多いというのがチェさんの説明だ。

▲ナイトクラブで

 14日午前0時、ソウル長漢坪(チャンハンピョン)の某ナイトクラブ。月曜日にもかかわらず、客足が好調だった。60%以上が女性だった。ブッキング(ウェイターが女性を男性のテーブルに連れてきて会話の場を設けるシステム)を通じ会ったキム某(女/26)さんは、「ここはあっちの子たち(売春街)が2次会をするため遠征してくることで有名な所」と話した。

 実際にキムさんが指差した女性に会った。キム某(28)さんに「お金をあげれば、一緒に寝てもよい」という言葉を聞くことができたが、躊躇(ちゅうちょ)していると、すぐ席を離れた。キムさんはしばらくして他の男性と一緒にナイトクラブを出た。

 次に会ったチェ某(女/29)さんは酒を飲みながら「私も以前はそうした所にいた」と話す。同日ナイトクラブを訪れた男性会社員のパク某(30)さんは、「最近、ナイトクラブが“花畑”だという言葉を聞いて、職場の同僚たちとよく来る」とし、「性売買特別法の最大の恩恵者はナイトクラブ」と話している。

▲テレホンクラブで

 16日、ソウルの某女子大前の男性休憩室。「イ○○部屋」「キム○○部屋」など有名女性芸能人の名前を付けた部屋内にはテレビと電話が一台ずつ、リラックスチェアーが置かれていた。入ってみると、テレビが大きくなりながらポルノビデオが上映されていた。1時間後。電話が鳴った。「34歳の主婦だけど、さみしくて電話した」と言うとすぐ、あえぎ声を出し始めた。

 客を興奮させるため雇用された「アルバイト」だった。この女性は5分後に電話を切った。続いて「40歳の主婦」と自己紹介した女性が「Hしたい」として10万ウォンを提示してきた。拒否すると電話を切った。それから5分後に再び電話。あえぎ声、内密な夫婦生活の話が聞こえてきながら、再び「Hしたい」と言ってきた。

▲一向に減らない売買春の需要

 20日、ソウル・千戸(チョノ)洞で大学生のキム某(女/20)さんに会った。恋人役を演じる人を貸す某サイトを通じ紹介された「恋人レンタル」だ。会って話をすれば3時間で5万ウォン、恋人のように腕を組みほっぺにキスをする程度まで許す場合8万ウォン。

 キムさんは業者を通じ1週間に10人以上に連絡を受けるという。キムさんは「男たちは普通、2次(性行為)が可能かどうかから質問してくる」とし、「30~40代のおじさんたちが特に露骨に性関係を要求する」と話している。

 インターネットの某サイト。「チャムジャリ」という広告以外は、夫婦の役割をする「レンタル愛人」を貸すという広告で溢れている。同サイト掲示板には「一緒にお風呂に入ってくれる人を探しています」「同居する人を探しています」「週末の夜に来てください」「旅行に一緒に行く人」といったメッセージが所狭しと載っている。

シン・ジウン記者 ifyouare@chosun.com

チョ・ウィジュン記者 joyjune@chosun.com

キム・ジェゴン記者 truman@chosun.com

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
このページのトップに戻る