海上自衛隊が30日に検討していた、来日中の中国海軍艦艇乗員へのイージス艦「きりしま」の公開を、在日米軍などの指摘を受けて取りやめた。今年1月に海自2等海曹によるイージス艦情報漏えいが発覚するなど、米側は自衛隊のずさんな情報管理体制に懸念を強めており、日本側に慎重な対応を求めたとみられる。イージス艦の公開中止を受け、中国海軍艦艇乗員は同日、代わりにインド洋での給油活動を終えて帰国した補給艦「ときわ」を視察した。
イージス艦のシステム中枢部は「特別防衛秘密」指定で非公開だが、その他の部分は来日した外国軍関係者らへの公開が容認されていた。複数の防衛省関係者によると、海自は当初、中国側に甲板などに限定して公開する方針だった。イージス艦を公開することは中国側には伝えていなかったという。【田所柳子】
毎日新聞 2007年11月30日 20時09分 (最終更新時間 11月30日 23時03分)