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福祉法人・訪問の家:職員不足でピンチ…地位の確立必要

 重い身体、知的障害を併せ持つ重症心身障害者が通える施設を国内で初めて設置し、取り組みが映画にもなった横浜市栄区の社会福祉法人「訪問の家」が職員不足に苦慮している。福祉の世界では著名な同施設の苦境は、障害者福祉の人材難の表れで、日浦美智江理事長(69)は「福祉の仕事に誇りを持って携われる待遇や地位を確立することが必要」と訴えている。

 訪問の家は小学校内に作られた重度障害児の母親学級が前身となり、79年設立。初めて重症心身障害者を受け入れた知的障害者通所更生施設「朋(とも)」など21施設を市内で運営している。その取り組みは02年に「朋の時間~母たちの季節」というドキュメンタリー映画になり、各地で評判となった。

 現在は全施設で常勤162人、パートは228人(1日現在)いるが、常勤22人、パートは7人分不足だ。10月開所の障害者地域活動ホーム「連(れん)」(横浜市旭区)は職員不足でショートステイ事業を今月初めまで休止。現在約170人の利用希望者に対し、利用できるのは約30人だ。

 訪問の家は、職員の給与を国家公務員の水準に沿って支給しているが、ある職員は「大変な仕事だと思われているのかも」と推測する。市内の地域作業所から「連」に移った成田秋生さん(37)は「障害者の人生に携わる大切な仕事。やりがいがある」と話すが、日浦理事長は「仕事の楽しさ、奥の深さをもっと知ってもらう取り組みが必要」と訴える。

 神奈川県社会福祉協議会の木村善光課長は「補助金や委託金が切り詰められてパート職員などが増え、不安定な職種とみられているのでは。コムスン問題などもマイナスイメージを大きくしている」と分析している。【池田知広】

毎日新聞 2007年12月15日 3時00分

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