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【京の歴史・文化財】 霊鑑寺 31日から9日間特別公開
▲春の特別公開を迎える霊鑑寺=財団法人京都市文化観光資源保護財団提供

 財団法人「京都市文化観光資源保護財団」は31日〜4月8日の9日間、非公開文化財の尼門跡寺院・霊鑑寺(左京区)を特別公開する。公開は午前10時〜午後4時(受け付けは午後3時半まで)、参観料500円。問い合わせは同財団(075・752・0235)。

 霊鑑寺は1654(承応3)年、後水尾天皇の命で、皇女多利宮を開山として建立された。歴代天皇の宸かんや御所人形などの宝物を展示。境内庭園には建立当時の植栽とされる樹齢350年の日光椿(市指定天然記念物)など約30種類のツバキが楽しめる。【小川信】

 2007年3月30日 毎日新聞京都面掲載

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【京の事件】 突然開いた車のドアに自転車衝突し後遺症 運転者に賠償命令
 ◇2256万円賠償命令−−地裁判決

 前方で突然開いた乗用車のドアに自転車で衝突し、重傷と後遺障害を負った京都市の男性(26)と両親が、運転者(35)に総額2337万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、京都地裁であった。関根規夫裁判官は、後方を十分確認せずにドアを開けた運転者の責任を認め、2256万円の支払いを命じた。原告側弁護士は「運転者が道交法も定めた安全確認を順守しないケースは少なくなく、『重大な結果を招く恐れがある』との警鐘になる」と評価した。

 判決によると、運転者は00年5月19日午前8時35分ごろ、右京区嵯峨野開町の三条通(片側1車線)に止めた車から降りようと運転席のドアを突然開け、後方から来た男性の自転車に衝突させた。男性は3メートル先の路上に飛ばされ、脳挫傷などの重傷で頑固な神経症状などの後遺障害を負った。

 運転者は「自転車も猛スピードで通過しようとした」などと過失相殺を主張したが、判決は「証拠がない」と否定。さらに「男性に前方不注視の過失がまったくなかったとまでは言えないが、交通量の多い道路で通勤通学時間帯であったことなどを考慮すると、過失相殺をするまでの落ち度は認められない」と指摘。後遺障害による逸失利益を1639万円、慰謝料を260万円などと算定した。【太田裕之】

 2007年3月30日 毎日新聞京都面掲載
【京の花模様】 地蔵禅院のしだれ桜 昨年より1週間早く満開 樹齢280年、菜の花と競演

 府指定天然記念物で樹齢約280年の「地蔵禅院のしだれ桜」(井手町井手東垣内)が、昨年より1週間も早く満開になり、近くの菜の花と美しさを競っている=写真。

 このしだれ桜は、1947年に枯れた先代の祇園桜(京都・円山公園)と同じ親株から育った由緒ある名木。92年に樹勢回復手術が行われた。高さ約10メートル、幹周り2・4メートルの優雅な姿は今も健在で、多くの人の目を楽しませている。

 ここから南に下ると玉川が流れる。西の役場方面への両堤は桜の名所で、約500本のソメイヨシノもほころび始めた。堤一帯では、町桜まつり(31日〜4月6日)を開催予定。休憩所や模擬店、朝市などを開くほか、提灯約900個による夜桜のライトアップも行う。【玉置勝巳、撮影も】

 2007年3月29日 毎日新聞京都面掲載

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【京の花模様】 見上げる44枚 平岡八幡宮本殿花の天井、春の特別拝観
▲「花の天井」を解説する佐々木宮司(右)

 ◇梅、ヤマザクラ、アヤメ…

 右京区の平岡八幡宮(075・871・2084)で、本殿の天井画「花の天井」を公開する春の特別拝観が行われている。5月6日までの午前10時〜午後4時。500円。

▲樹齢150年の白ツバキ=いずれも、右京区の平岡八幡宮で、鶴谷真撮影

 ◇樹齢150年白ツバキ、境内で見ごろ

 花の天井は江戸時代末期の作で、格子状に44枚の彩色画が。梅やヤマザクラ、アヤメなどを参拝者が見上げる趣向だ。佐々木俊輔宮司が天井画のいわれや神社の参拝方法を解説する。この他、境内では樹齢150年の白ツバキが花を咲かせ、4月中旬ごろまで楽しめそう。【鶴谷真】

 2007年3月29日 毎日新聞京都面掲載

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【京の花模様】 府立植物園「桜林」今年もライトアップ 4月1日から8日
▲昨年のライトアップの様子=府提供

 府立植物園(左京区)の「桜林」で4月1〜8日、夜間ライトアップが行われる。昨年に続き2回目の試みで、期間中の閉園時間は通常の午後5時(入園午後4時)から同9時(入園同8時)までに延長される。

 桜林にはソメイヨシノとシダレザクラが計約200本ある。暖冬の影響で見ごろを過ぎる心配もあり、昨年よりほぼ1週間日程を早めた。

 入園料は一般200円、高校生150円、小中学生80円で60歳以上と障害者手帳所持者は無料。【矢倉健次】

 2007年3月29日 毎日新聞京都面掲載

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【京の行政】 交通量3割減でも渋滞気になる 京都市がLRT交通社会実験の結果報告
▲今出川通の「専用レーン」をすいすい走る実験バス(左)と渋滞する一般車両の列=上京区の同志社大前付近で1月24日、武井澄人撮影
 ◇住民の半数・商業者7割、導入に慎重姿勢

 LRT(次世代型路面電車)の導入を目指す京都市は28日の第3回検討協議会で、今出川通で1月に実施した交通社会実験の結果を報告した。事前PRで交通量は約3割減った半面、右折車線を閉鎖した「烏丸今出川」交差点で最大約700メートルの断続的な渋滞が発生。住民アンケートでも、軌道専用化による道路の混雑や停車スペース確保に配慮すべきとの意見が約3割を占め、導入に向けた抜本的な自動車対策の必要性が改めて浮き彫りになった。

 市は実験後の2月、沿線住民らにアンケートを実施。計約2700枚の回答があった。うち住民の約6割、商業者の約8割が「渋滞が気になった」などと回答。実験当日の自動車利用を控えた住民は回答者の約4分の1を占めた。一方で、実際の導入には住民の約半数、商業者の7割以上が慎重な姿勢を見せた。

 これらを受け、市は▽荷さばきのルールづくりと定着、荷さばきスペース設置は不可欠▽今出川通は道路幅が狭く、総合的な交通需要管理施策による自動車交通の抑制などが前提――などと課題を列挙。「全市的観点で総合的に検討し、将来的なLRTのあり方を見極めていく」と結論づけた。協議会は今回で終了し、今後は具体化に向けた課題を早急に整理、公表する方針。

 この日の協議会では、実験を「合意形成に向けたマイナス材料が把握できた」(青山吉隆・京都大名誉教授)などと評価する声が上がる一方、座長の村橋正武・立命館大教授が「『総合的』は逃げ言葉にもなる。市民の声をしっかり受け止めて検討してほしい」と、市当局にくぎを刺す場面もあった。【武井澄人】

 2007年3月29日 毎日新聞京都面掲載
【京の話題】 ベロタクシー 京都御所、二条城、京都駅へも 4月1日から運行区域拡大
▲京都市内での運行区域が大幅に広がるベロタクシー=NPO法人環境共生都市推進協会提供

 ◇府道路交通規則改正で

 排気ガスを出さない交通手段として、日本では京都市内で初めて導入された自転車タクシー「ベロタクシー」の運行区域が4月1日から、大幅に広がる。従来は市中心部限定だったが、府道路交通規則の改正で規制が緩和されるため。拡大後は、京都御所や二条城などの観光名所や京都駅などにも行けるようになる。

 “環境先進国”ドイツで生まれたベロタクシーは、02年4月に新風館内で試験運行を開始。同5月の規則改正で、御池・寺町・四条・烏丸通で囲んだ区域内で運行可能になり、烏丸御池の複合商業施設「新風館」など3カ所に乗り場を設けて本格営業を始めた。

 だが、その後の利用は低調に推移。運行主体のNPO法人「環境共生都市推進協会」(森田記行代表、東京都)によると、一日あたりの乗客数は平日で10人未満、休日でも20人以下。「区域外に行きたいお客様の要望に応えられないのがネック」(同法人事務局長の細尾ともこさん)で、同法人が府警に運行区域拡大を要望してきた。

 今回の規則改正について、府警交通企画課は「この5年間に道路管理上の問題は発生しておらず、規制をなくしても問題ないと総合的に判断した」と説明する。背景には、京都を“元祖”に国内18都市、計約100台に普及した現状や、市民の意識の高まりなどがあるとみられ、府警も規則改正で後押しした形。細尾さんも「待ちに待った改正。今後は利用状況に応じて乗り場や台数を増やし、ゆっくり運行形態を作り上げたい」と話す。

 4月以降は新風館を中心に半径約3キロを基本運行地域に設定。「相談してもらえれば、地域の外にも走ります。ゆっくりしか走れないので時間はかかりますが」と細尾さん。営業時間は午後1〜5時。初乗り(500メートル)は6歳以上300円、3〜5歳200円。前日までに電話予約(075・241・7645)も受け付ける。今季の運行再開日にあたる来月1日は、拡大したエリア内を3台でデモ走行する予定。【武井澄人】

 2007年3月29日 毎日新聞京都面掲載

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【京の行政】 投票行かないの? コースターで選挙啓発
▲長岡京市選管が作成した啓発用のコースター。投票率向上につながるか?
 統一地方選第1ラウンドの府議選(30日告示)への関心を若い世代に深めてもらおうと、長岡京市内の喫茶店やファストフード店など二十数カ所で、コースターを使った啓発活動が初めて実施される。飲食後の持ち帰りは自由で、企画した同市選管は「ぜひ話の種にして」と期待を寄せる。

 同市では1月の市長選で、大阪成蹊大の学生2人が期日前投票の投票立会人を務めるなど、選挙への若者参加を促すユニークな取り組みを企画。今回の統一選を前に、「若者が集まる場所はどこ?」と話し合ううちに喫茶店が浮かび、コースターを使った啓発に行き着いた。

 コースターには府議選投票日と、「行かないの? 明日をきめるせんきょだよ!」の標語などを記載。1枚につき約8円の制作費がかかったが、1万枚を作成した。告示の30日から投票日の来月8日まで各店舗などで利用客に提供してもらう。阪急長岡天神駅前の老舗喫茶店「フルール」や居酒屋、マクドナルドなどが協力を約束しており、ドトールコーヒーやモスバーガーにも要請中。市選管の村上裕司さん(27)は「コースターなら食べたり飲んだりする時に絶対目につくはず」と投票率の向上に期待を寄せた。【谷田朋美】

 2007年3月28日 毎日新聞京都面掲載
【京の新商品・人気商品】 宝酒造“美容系”チューハイ発売 女性社員の開発チーム「姫プロ」発第1弾
▲新発売の「Beauty Sparkling」を持つ宝酒造「姫プロ」のメンバー、北村さん(左)と奈良さん
 ◇「ビューティースパークリング」キウイ、ライチの種子エキス入り−−来月から販売

 宝酒造(下京区)の女性社員だけで構成するプロジェクトチーム「姫Project(通称・姫プロ)」が開発した“美容系アルコール飲料”、「Beauty Sparkling(ビューティースパークリング)」が4月3日から、全国で販売される。メンバーは「今後も姫プロで女性の情報発信力を生かした商品開発をしたい」(広報担当の奈良有里代さん)と意気込む。

 同社は、流行の発信源とされる20〜30代の女性をターゲットに新たな商品開発を進めるため、昨年8月、女性社員だけのプロジェクトチームを結成。商品企画、営業、技術、PRの各部門から計8人が参加した。

 姫プロ発第1弾のBeauty Sparklingは、アルコール分4%のチューハイ系微炭酸低アルコール飲料。ニュージーランド産キウイ果汁入りと、台湾産ライチ果汁入りの2種類で、ほどよく甘い味に仕上げた。また果物の種子に含まれ、美容成分として注目されている「種子エキス」を配合、同社のフルーツ系チューハイに比べ、カロリーを半分(100ミリリットルあたり28キロカロリー)に抑えるなど、“美容系”の特徴を打ち出した。新発売キャンペーンとして5月末まで、「口紅を気にせず飲めるように」商品にストローを付ける。

 社内では「社長を含め、男性の上司は意見を挟まない」約束で開発が進められた。姫プロリーダーで、商品企画部門の北村理恵さんは「女性が一番気にするカロリーを効果的に抑えながら、おいしいものが出来た。同年代の女性に自信を持って進められる」と話していた。250ミリリットル入りで参考小売価格は税別230円。【奥野敦史、撮影も】

 2007年3月28日 毎日新聞京都面掲載
【京の行政】 「全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会」 桝本京都市長が会長に
 使用済みてんぷら油などが原料で環境負荷が少ないとされるバイオディーゼル燃料(BDF)の普及に取り組む「全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会」が19日、発足した。発起人には、トラック協会やBDF販売業の関係者ら16人が名を連ねる。同日、東京都内で設立総会があり、桝本頼兼・京都市長が会長に就いた。

 BDFは軽油と比べ、地球温暖化の原因になる二酸化炭素の削減効果があるものの、不純物を含むためエンジンに負担がかかる課題も。精製技術の差による品質格差なども問題になっている。同推進協では、安全利用に向けた規格制定を進めるほか、軽油に混ぜて使った際の税制優遇措置なども国に求めていく方針。

 市環境局施設整備課によると、市では06年5月から市バス2台をBDF100%で走らせる実験に取り組むが、問題は起きていない。同推進協には会員として京都市のほか、宮城県や滋賀県などの自治体、NPO、企業など計52の団体や個人が参加。それぞれの成果や経験を推進協での協議に生かす。【山田奈緒】

 2007年3月28日 毎日新聞京都面掲載
【京の催事・イベント】 清水寺ライトアップ ほんのり浮かぶ春
▲フクロウの幻想的な声が響く中、ライトアップされた清水寺=東山区で26日夜

 清水寺(東山区)の「春季夜間特別拝観」(27日〜4月10日)を控えた26日夜、ライトアップの試験点灯があった。大小約500基の照明が、「清水の舞台」で知られる国宝の本堂や咲き初めの桜などをほんのりと浮かび上がらせた。ライトアップは今年で16回目。

 境内の桜は約1000本。京都は25日に開花宣言があったばかりだが、暖かい日和が続く見込みで、期間中に満開を迎えそう。この日の試験点灯には、地元や報道関係者らが招かれた。

 午後6時半〜同9時半。拝観料は大人400円、小・中学生200円。【藤田文亮、撮影も】

 2007年3月27日 毎日新聞京都面掲載

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【京の催事・イベント】 京都学生祭典 今年は10月6、7日に開催 目標20万人
▲昨年の第4回京都学生祭典の「総おどり」の様子=奥野敦史撮影

 ◇新たな京都の伝統祭へ−−5月19日に春祭りも

 京都を中心にした京阪神の大学、専門学校生による「第5回京都学生祭典」実行委員会がこのほど発足し、今秋の祭典開催概要が発表された。開催日は10月6日(土)、7日(日)。5周年を迎え、複数の新企画も計画している。

 祭典は「学生のまち・京都」をアピールする祭りとして03年秋に初開催。企画、営業、警備などの全業務を実行委が担う。第5回実行委は2月末に発足。既に18大学約150人の学生が活動中。今年のテーマは「新たな京都の伝統祭へ」。昨年、2日間で観客計17万4000人を集めた実績を踏まえ、葵祭、祇園祭、時代祭に続く「京都第4の祭り」に発展させる心意気を込めた。

 会場は6日がJR京都駅前(下京区)、7日が岡崎公園(左京区)周辺。今年初の企画として5月19日(土)に同駅前で「春祭り」を開く。音楽、踊りなど過去の祭典で優秀な成績を修めたグループが登場するステージや写真パネル展示などで、市民、特に各大学の新入生に祭典をPRする。

 学生ミュージシャンにプロデビューの道を開く「Kyoto Student Music Award」や、数千人の観客が平安神宮境内で踊る「総おどり」など定番プログラムの他、今年はオリジナルみこしを使ったイベントも企画。藤田卓也・実行委員長(京都大2年)は「今年は20万人を集めるのを目標に、企画を練っていきたい」と話した。【奥野敦史】

 2007年3月27日 毎日新聞京都面掲載
【京の話題】 ジュニア京都検定 最難度「名人コース」設定 成績優秀者は「観光大使」任命
 京都市教委は26日、06年度導入の「歴史都市・京都から学ぶジュニア日本文化検定(ジュニア京都検定)」に初めて設定する最難度の「名人コース」の概要を発表した。成績優秀者を「ジュニア京都観光大使」に任命し、修学旅行生などを対象に観光ガイドボランティアをしてもらうことなども検討している。

 市教委によると、名人コースを受けるには一つ下のクラスの「発展コース」の受験が必要。お茶や踊りといった京都の伝統文化や、京焼や京扇子の製作など体験活動を経て、その様子をリポートにまとめて提出する。初開催の今回、募集期間は4月上旬から5月上旬で、若干名を名人に認定。7月にも開く名人発表会で観光大使を決める。今年2月に発展コースを受けた人のうち、合格者のみが受験できるという。

 また、市教委は来年度の実施要綱も公表。無料で受験できる市立小5〜6年生はいずれも最も易しい「基礎コース」の受験だったが、今後は小5が基礎、小6が発展とし、夏休み明けの8月下旬に各校で試験を実施。発展の受験者は希望すれば名人を受けられるようにする。【小川信】

 2007年3月27日 毎日新聞京都面掲載
【京の花模様】 近畿地方最速で、桜の開花宣言−−京都地方気象台
▲開花が確認された標本木のソメイヨシノ=中京区の京都地方気象台で

 京都地方気象台(中京区)は25日、敷地内にある桜(ソメイヨシノ)の標本木が開花した、と発表した。平年より6日、昨年より2日早く、近畿地方で最も早い。平年並みの気温が続けば、約1週間後に満開になる見込み。

 同日午前8時ごろ、同気象台の調査官が、淡いピンク色の花が5、6輪咲いているのを確認した。24日には既に2輪が開いていたが、気象庁は「5、6輪の開花」を開花宣言の基準にしているという。市内では21日以降、最高気温が平年より高い日が多かった。【山田奈緒、撮影も】

 2007年3月26日 毎日新聞京都面掲載
【京のシンポ・学会】 障害者の性、タブー視から脱却必要 意見交換するイベント開催
▲タブー視する現状からの脱却を訴える河原さん=下京区で
 「障害者の性」をテーマに学び、意見交換するイベントが25日、下京区内であり、約50人が参加した。障害者や福祉関係者らで作る「障害者の生と性の研究会」代表、河原正実さん(58)らが、身体が不自由な人の自慰などを介助するボランティア、女性が生理の時の異性による介助、養護学校での性教育などに関する問題を紹介。タブー視する現状から脱却する必要性を訴えた。

 河原さんが障害者の保護者から「(性的欲求が)眠っている子を起こさないで欲しい」と言われたエピソードを取り上げると、「たった5センチのハードル 誰も語らなかった身体障害者のセックス」の著者、熊篠慶彦さん(37)は「性に関する刺激的な情報も多く入る現代では、眠ったままのはずがない」と指摘。会場からは「障害があってもなくても、欲望を満たしたいのは当然。偏見・差別などのリスクも覚悟し、自分が何をしたいかはっきり伝えるべき」などの意見が出た。

 河原さんは「こんな集会ができることが考えられなかった時代もある。少しは風通しが良くなった」とも話す。「欲求を主張するだけでなく、知識や人の意見を吸収するバランスが大事」と強調した。

 イベントを主催した有志団体によると、同様のイベントを今後開くかは未定。福井市から来た30代の女性は「愚痴でもいいから人に話すことで落ち着くこともあるはず。自由な雰囲気の交流の場が今後もあればいい」と話していた。【山田奈緒】

 2007年3月26日 毎日新聞京都面掲載
【京のシンポ・学会】 「死の受容」とは 「死者を送る」をテーマにシンポジウム
 京都を中心にした7大学などでつくる研究ネットワーク「京都・宗教系大学院連合」(事務局・同志社大)は24日、北区の大谷大で「死者を送る」をテーマに公開シンポジウムを開いた=写真。約150人が参加し、高齢化が進む中、「看(み)取り」や「死の受容」について考えた。

 宗教学者の山折哲雄さんが基調講演。祭壇の中央に大きく飾られる死者の写真について「死者の記憶や面影を目の前にして、生き残った者が心の交流をする。死者を送るというより、よみがえらせる行為だ」と分析した。また、自身の父親の四十九日法要の後、佐渡島で日本海に沈む夕日を見た際に「(父親の)魂は浄土に飛んで行った」と実感したとし、霊魂を送る感覚が薄れる現代にあっても「『心のDNA』が存在する」と語った。

 続いて、山折さんを交えて曹洞宗やイスラム教などの研究者が討論。死者の出家を意味する曹洞宗の言葉「没後作僧(もつごさそう)」や、イスラムの葬儀の四つの義務、沐(もく)浴▽死に装束▽礼拝▽土葬が紹介された。【鶴谷真、撮影も】

 2007年3月25日 毎日新聞京都面掲載
【京のシンポ・学会】 「こころのケア講演会」 “障害者の自立”を問う
▲障害者自立支援法が成立した背景について語る加藤教授=中京区のハートピア京都で
 障害者の自立について、法律の背景などから理解を深める「こころのケア講演会」が24日、中京区のハートピア京都であり、龍谷大短期大学部長の加藤博史教授(57)が「障害者自立支援法の『価値観』を問う」と題して講演した。医師や施設職員、学生ら約30人が参加し、熱心に耳を傾けていた。

 障害のある人のケアや心の問題についての啓発活動をしている京都精神保健福祉協会が主催。毎年3、7、11月に講演会を開いている。  06年4月施行の障害者自立支援法で導入された応益負担原則で、福祉サービスを受ける度に障害者が負担金を払う制度に変わった。加藤教授は「福祉サービスは“益”ではなく、人間らしい生活を営むための当然の権利。サービス利用回数にかかわらず所得に応じた負担金にするべきだ」と主張した。その上で「背景にあるのは就労の奨励。経済能力だけで自立をとらえており、働きたくても働けない障害者はさらに追いつめられている」と批判した。

 一方、昨年12月に国連総会で採択された「障害者権利条約」を「社会権の思想を基盤に、就職や教育などでの障害者差別禁止を盛り込んでいる」と評価。同条約は今月末から署名などの手続きが始まり、20カ国の批准で発効する。「憲法に次ぐ拘束力を持ち、法の整備も迫られる」と日本の批准に期待した。

 同会メンバーで、精神障害者福祉施設で勤務する中瀬慶子さんは「ただでさえ外出が苦手な精神障害者の中には、負担増で引きこもりがちになった人もいる。すべてのサービスを受けられるよう、行政は支援制度を充実させてほしい」と話した。【谷田朋美、撮影も】

 2007年3月25日 毎日新聞京都面掲載
【京の話題】 「ポケットに京都ひとつ」 社寺、京野菜など紹介した「らくたび文庫」
 下京区の出版社「コトコト」(日沖桜皮社長)がこのほど、府内の社寺や京野菜、隠れたBARなどを取り上げた京都本「らくたび文庫」を創刊した=写真、懸尾公治撮影。「ポケットに京都ひとつ」をキャッチコピーに、創刊時は10巻を用意。売り上げも好調で、発売1週間で再版を決めたものもあるという。全国の書店や京都・滋賀のコンビニエンスストアなどで発売中。

 同社によると、大きさは文庫本と同じ縦14・5センチ、横10・5センチ。いずれもオールカラーの88ページで1巻500円(税込み)。建仁寺や松尾大社など庭園の見所を紹介する「京の庭NAVI 枯山水庭園編」、社寺参拝の知識や門前名物の食べ物などをまとめた「京都・社寺参拝入門」などバラエティーも豊かだ。

 7月から隔月4冊ずつ発刊するほか、秋以降A5判の「らくたびワイド文庫(仮称)」も発売予定。日沖社長は「切り口は狭く、深く掘り下げた新しい形の京都本を作った。従来物と比べ価格も下げたので、京都在住の若者や大学生にも読んでほしい」と話している。【小川信】

 2007年3月25日 毎日新聞京都面掲載
【京の歴史・文化財】 JR山陰線・嵯峨嵐山駅 歴史見てきた、洋風駅舎取り壊し
▲110年にわたって親しまれたJR嵯峨嵐山駅の駅舎=05年11月、鶴谷真撮影

 ◇開業以来110年、惜しむ声も

 JR山陰線「嵯峨嵐山」駅(右京区)で1897(明治30)年の開業以来110年間使われた洋風駅舎が、同線京都―園部間の全面複線化工事を機に取り壊されることになった。08年度内にもバリアフリーの橋上駅に生まれ変わる予定。「解体後に保存する予定は今のところない」(JR西日本京都支社)状況で、地元には人々の暮らしを長年支えた駅舎を惜しむ声も上がっている。【武井澄人】

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【京の話題】 「すっぴん芸妓 京都・祇園のうっかり日記」 花街の姿を親しみやすい文章で紹介
▲本を出版した小喜美さん(左)と「すっぴん芸妓」の表紙=懸尾公治撮影

 「小喜美(こきみ)」の名で働く祇園甲部の芸妓(こ)・山口公女(きみじょ)さん(28)=東山区=が、祇園の生活や家族との交流をつづった「すっぴん芸妓 京都・祇園のうっかり日記」(ローカス、税別1200円)を出版した。実態が分からず「敷居が高そうで近寄りにくい」などと言われる花街の姿を親しみやすい文章で紹介。小喜美さんは「同世代の女性を中心に、多くの方に読んでほしい」と期待している。

 小喜美さんは徳島県出身。実家は洋服屋で、幼いころから着物に興味を持った。テレビで四世井上八千代さんの舞を見て影響を受け、中学卒業後、置屋「桝梅」へ。20歳まで舞妓として働き、芸妓となり7年後に独立した。本はA5判159ページ。お客の勧めで昨年6月から約半年かけて執筆。思ったことを素直に書こうと心がけ、題名の「すっぴん」も自ら考えた。

 一年の移ろいを「春夏秋冬」でまとめた。4月1日に始まる祇園甲部歌舞練場の「都をどり」(075・541・3391)は「祇園の春は筋肉痛とともにやってくる」の書き出しで紹介。栄養ドリンクと湿布薬で1カ月無休の公演を乗り切る姿をコミカルにつづる。母との言い争いや、上洛した父と哲学の道で自転車散歩した話など、私生活も盛り込んだ。

 「休日にご飯を食べに行ったり買い物したり、私たちも普通の子と変わらしまへん。でも祇園で生きる以上ルールを守って生活している部分もあります。その一端が分かってもらえたら」と話す小喜美さん。「読んだ人に普段の私らしいと言ってもらえるのがうれしい」と笑顔を見せた。【小川信】

 2007年3月24日 毎日新聞京都面掲載

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【京の話題】 町家が介護施設に 「松原のぞみの郷」完成
 築90年以上の京町家を改装した高齢者介護施設「松原のぞみの郷」が、下京区松原通堀川西入に完成した=写真。

 東九条のぞみの園(南区)などを運営する社会福祉法人カトリック京都司教区カリタス会が開設した。松原京極商店街の中で長年空き家になっていた2階建ての京町家を、ローバー都市建築事務所(上京区)が改装。1階は和室2間、台所と事務所。ギャラリーにもなる。2階は和室など5室。敷地奥にある蔵はコンサートなども行える多目的スペースに。定員25人で9人が宿泊できる。

 責任者の平林郷子さんは「お年寄りからは、ごろりと横になれる懐かしい感じがいいと好評です」。ローバー都市建築事務所の野村正樹代表は「町家の風情、雰囲気と福祉施設としての機能性の両立に気を遣った」と話した。利用開始は4月初めの予定。見学会は午前9時〜午後5時、問い合わせは東九条のぞみの園(075・662・3961)。【奥野敦史、撮影も】

 2007年3月24日 毎日新聞京都面掲載
【京の祭・年中行事】 大谷本廟で恒例の花文字 「選択本願」
▲花文字に見入る参拝者=東山区の大谷本廟で

 お彼岸の墓参りでにぎわう浄土真宗本願寺派の大谷本廟(東山区)。宗祖親鸞の廟所手前の拝堂「明著堂」脇に、恒例の花文字が置かれている。25日まで。今年は、あらゆる人を救うという大きな願いを完成させた阿弥陀さまの心を表した「選択(せんじゃく)本願」。シキミの緑地に、白菊で描いた。周囲を、参拝者が供えた色とりどりの花が彩る。春秋の花文字伝道は93年スタートし、今回で29回目。【鶴谷真、撮影も】

 2007年3月23日 毎日新聞京都面掲載
【京の催事・イベント】 もうすぐ本番 「北野をどり」衣装合わせ
▲写真撮影に臨む芸舞妓たち=上京区の上七軒歌舞練場で

 55回目を迎える上七軒歌舞会の「北野をどり」(4月15日〜25日)の衣装合わせが22日、上京区の上七軒歌舞練場であった。今年の演目は、舞踊劇が「ゑにしの宮」(1幕5場)、純舞踊が「色はにほへど」(全5景)。ゑにしの宮は、思いを寄せ合う若殿と踊り子の恋の行方を詩情豊かに描く。主役の梅早登さんと尚ひろさんは「役になりきるのが難しい。ハッピーエンドの、ええお話どす」。フィナーレは恒例の「上七軒夜曲」で。観覧料3800円(茶券付き4300円)。同歌舞会(075・461・0200)。【鶴谷真、撮影も】

 2007年3月23日 毎日新聞京都面掲載

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【京の花模様】 「春分の日」 一足早く桜開花
▲一足先に開花した京都市美術館のソメイヨシノ=左京区で21日

 春分の日の21日、京都市内は晴天に恵まれ、最高気温は平年(13・8度)よりやや高い14・5度を記録した。左京区岡崎円勝寺町の市美術館では桜(ソメイヨシノ)が数輪開花。気づいた行楽客らが楽しげに見上げていた。

 京都地方気象台によると、同市での開花予想は平年より4日早い今月27日。しかし、同館東側の桜並木では21日、一足早く数輪開花している木が見つかった。周辺は行楽客らでにぎわい、通り掛った人たちから「もう咲いてる」などと歓声が上がった。【朝日弘行、撮影も】

 2007年3月22日 毎日新聞京都面掲載
【京の事件】 京都精華大生刺殺 卒業式に情報提供呼び掛け
▲京都精華大の卒業式に合わせ、情報提供を求める捜査員ら=左京区で
 京都精華大1年、千葉大作さん(20)刺殺事件で、下鴨署捜査本部は21日、同大学の卒業式に臨む学生らに情報提供を呼び掛けた。事件当時、帰省などで大学周辺にいなかった学生から情報を集めようと、容疑者の似顔絵入りポケットティッシュを配った。

 式が始まる前の午前9時ごろから、捜査員約20人が最寄りの駅前などで、晴れ着姿の学生らに「情報提供お願いします」などと呼びかけ、ティッシュ500個を手渡した。20日には、事件現場がある京都市北部で営業するタクシー5社に同様のビラ7710枚を配布し始めたほか、近く捜査本部に情報提供専用ダイヤルを設けるという。

 2月15日の似顔絵公開以降、情報は76件寄せられている。情報提供は同署捜査本部(075・703・0110)へ。【朝日弘行、撮影も】

 2007年3月22日 毎日新聞京都面掲載
【京の事件】 「日当たり悪くなった」 マンションに向けライフル発砲
 「自宅への日当たりを妨げられた」との不満から新築マンションをライフル銃で撃ったとして、京都府警組織犯罪対策3課と右京署は20日、京都市右京区西院東淳和院町、会社員、高居晶容疑者(42)を建造物損壊容疑などで逮捕した。「嫌がらせで撃ってしまえと思った」と容疑を認めている。

 調べでは、高居容疑者は先月15〜21日夜、自宅3階の窓から約50メートル先の鉄筋11階建てマンションに向け、ライフル銃で鉛の実弾十数発を発射。8〜11階部分の非常階段の壁、転落防止さく6本、屋外灯2個を壊した疑い。けが人はなかった。

 銃はドイツ製の射撃用で、高居容疑者が府公安委の許可を受けて99年から所持。同マンションは昨年10月に完成し、同容疑者は「日当たりが悪くなり不満があった」と供述。部屋を消灯してカーテンを閉め、窓を開けたすき間から狙ったという。【朝日弘行】

 2007年3月21日 毎日新聞大阪朝刊掲載
【京の話題】 点図絵本「うみがみえたよ」完成発表会
▲大小さまざざまな丸いふくらみを散りばめて輝く海を表現した=「うみがみえたよ」より
 点や線の凹凸で形や空間を表す「点図」の絵本「うみがみえたよ」の完成発表会が21日、京都ライトハウス(北区)であった。京都中ロータリークラブなどが企画。制作に協力した成安造形大学の石川泰史助教授が登壇し、完成までの10カ月の過程を語った。

 児童文学作家のきむらゆういちさんの原作で、森に住むタヌキが海を見つめ、自分は空や森などすべての自然に育てられていることに気付くというストーリー。同クラブが昨年、「環境紙芝居」として制作したが、「視覚障害者の人とも感動を分かち合いたい」と点図絵本化に取り組んだ。

 石川助教授は、輪郭線や服の模様などを立体的に浮き出させたことなどを紹介。線の太さや点字の間隔などは、京都ライトハウスの職員らからアドバイスを受けた。「輝きとは小さいつぶつぶがいっぱい集まっているイメージ」との意見を反映し、「キラッとひかる海」を小さな丸を散りばめて表現した。

 絵本は全国のライトハウスや学校に贈る。京都ライトハウスの鈴木紘一事務局長は「さまざまな試行錯誤を乗り越えての完成に感動している」と話した。【山田奈緒】

 2007年3月22日 毎日新聞京都面掲載
【京の教育・学校】 「母校の伝統引き継ぐ」 郁文など下京の5中学で閉校式
▲閉校式で校歌を歌う女子生徒ら=いずれも下京区の京都市立郁文中学校で
 ◇「新しい一歩」誓う

 生徒数の減少に伴い、新年度から「下京」中学校に統合される下京区内の京都市立5中学校(郁文、成徳、尚徳、皆山、梅逕)で20日、市教委主催の閉校式があった。府内唯一の二部学級(夜間中学)がある郁文中(堀内清志校長)では、在校生や教職員、地元住民らが「都路の光かぐわし学舎(まなびや)の」で始まる校歌を歌い、消えゆく母校を惜しんだ。

 体育館であった閉校式には地元住民も含め約230人が出席。校旗を掲げた生徒会長の辻憲成君(2年)を先頭に生徒と教職員が入場した。堀内校長は、1876(明治9)年に現在地に学校が移る際、建設費を地元の寄付で賄うため尽力した当時の区長、桂文郁氏の名前が校名の由来になった史実を紹介。「人生は長い。桂文郁氏のように他人に思いをはせ、日本を背負える人になって」などと激励した。

 また、生徒を代表し、富森満香さん(2年)は「今日は私たちが新しい一歩を踏み出す日。郁文中の素晴らしい伝統を下京中に引き継ぐことをここで改めてみんなで約束したい」と誓った。

▲修了式で最後の校歌を歌う二部学級の生徒ら

 二部学級は郁文中跡に開校する「洛友」中に受け継がれる。同学級の生徒は閉校式には参加しなかったが、同日夜に開かれた「最後の修了式」に出席。生徒代表の女性は「慣れ親しんだ郁文の名前がなくなるかと思うととても寂しい気がします。これからは新しく登校する不登校の青少年とも一緒に頑張りたい」とあいさつした。【武井澄人、撮影も】

 2007年3月21日 毎日新聞京都面掲載
【京の話題】 ろうそく8600本、途上国で再利用 「小堀」、アフガンなどに贈る
▲和ろうそくをコンテナに詰め込む小堀専務
 電力供給が不安定な海外の子どもらが夜も読書や勉強ができるよう、寺院の法要などで使った和ろうそくを贈っている仏具販売会社「小堀」(下京区)が20日、アフガニスタンとカンボジア向けの約8600本を積み込んだ。活動は今回で2回目。使用時間が少なく、使い回しもできず廃棄処分していたろうそくを再利用する珍しい試みだ。

 和ろうそくを使う時間は30分〜1時間だが、全体の2割程度しか燃えず、1回で約5本が捨てられていた。得意先の寺院に再生を勧められたのがきっかけで、社員が寺院を訪ねて04年から回収を開始。前回は約2万5000本を集め、06年にアフガニスタンなど3カ国へ提供した。今回は昨年に約半年かけて集めた。和ろうそくは火力が強く消えにくいため重宝され、現地では取り合いになるほど人気という。

 この日は山科区の同社工房で積み込み。赤や白のろうそく(14・5〜26センチ)が入った段ボール68箱を、社員らがトラックのコンテナに次々と積み上げた。コンテナは4月上旬、横浜港から輸送船で2カ国へ運ばれる。

 同社の小堀進専務(57)は「贈り先の子どもから感謝の手紙が来るのがうれしい。今後も宗派関係なく回収活動を続けたい」と語った。提供などの問い合わせは同社(075・341・4121)へ。【小川信、撮影も】

 2007年3月21日 毎日新聞京都面掲載
【京の歴史・文化財】 ボランティア活動 80年前「丹後震災」でも 京都府立大・小林助教授が研究
▲地震発生翌日の久美浜町長、久美浜警察署長名の電報を記した「震災情報」の“第1号”。「強震倒壊死傷アリ救援タノム」の文字が残る=京都府立総合資料館提供
 ◇迅速な情報伝達紹介−−関係資料210冊を調査

 7日で発生から80年を迎えた「丹後震災」に関する資料を調べた京都府立大の小林啓治助教授(日本近代史)が、当時の府庁の対応やボランティア活動の詳細を明らかにした。資料の所在は知られていたが、ボランティア活動などに着目した研究は珍しい。小林助教授は「当時の情報伝達が組織的で迅速に行われたことが分かった」と話す。

 丹後震災は昭和2(1927)年3月7日午後6時半ごろ、丹後半島付近を震源に発生。規模は阪神大震災クラスのマグニチュード7・3で、死者2925人、全壊5149戸。夕食時で火災が多発し、全焼も6459戸に上った。小林助教授は府立総合資料館所蔵の「京都府行政文書」(02年、重要文化財指定)や、峰山、網野など現京丹後市内の自治会などで保管されていた書類などから、震災関係の計約210冊を調査した。

 府行政文書などによると、ボランティアは青年団や在郷軍人会、消防団など組織での参加が特徴で、兵庫県からが最も多く、滋賀、大阪と続く。発生後約1カ月で延べ2万7789人が被災地入りした。一方、京丹後市内に残る行政文書には▽鉄道料金無料期間を3月いっぱい延長するので「労働能力を有する救援団」の参加を▽3日以上の食料や防寒着、スコップなどの持参を▽救援地は汽車の中で係員が指示する――といった主旨の要望や注意書きなどもあった。当時の錯綜(そう)した雰囲気が伝わる。

 小林助教授は「体験者が90歳を超える中、震災で社会がどのように助け合っていたかなど、立体的に記憶を語り継ぐ一助になる」と話している。【中野彩子】

 2007年3月21日 毎日新聞京都面掲載
【京の話題】 春もうそこまで… 城南宮「桃山の庭」のソテツ菰外し
▲菰を外す植木職人たち=伏見区の城南宮で
 春はそこまで――。方除けの神様として信仰を集める城南宮(伏見区)で20日、「桃山の庭」のソテツを覆う菰(こも)を外す作業があった。桃山の庭は、刈り込みと芝生を山と海に見立て、船から南紀州の海岸線を眺めたイメージ。うち島の部分にソテツが約15本あり、昨年12月初旬に寒さよけの菰を巻いた。

 この日は、植木職人がはしごに登り、手際良くハサミで縄を切っては菰を外して下へ投げた。葉は、例年は白っぽく変色しているが、暖冬のせいか「今年は明るい緑色やなあ」と職人たち。来月上旬の方除大祭のころには、近くのシダレ桜が見ごろを迎えそう。【鶴谷真、撮影も】

 2007年3月21日 毎日新聞京都面掲載
【京の話題】 「嵐電」7駅、名所など冠し名称変更
▲新しい「嵐電」の看板を除幕する関係者ら=下京区の嵐電四条大宮駅で

 ◇“玄関口”四条大宮駅、新看板もお目見え

 京福電気鉄道は19日、嵐山本線と北野線の全20駅中計7駅で、近くの観光名所などを冠した駅名に一斉変更した。新駅名(カッコ内は旧駅名)は西大路三条(三条口)▽太秦広隆寺(太秦)▽車折神社(車折)▽嵐電嵯峨(嵯峨駅前)▽宇多野(高雄口)▽御室仁和寺(御室)▽龍安寺(竜安寺道)。駅名変更に伴い、この日までに路線図などを交換したほか、“玄関口”の四条大宮駅(下京区)には「嵐電」の新看板もお目見えした。

 同社は昨年11月、「嵐電」を正式呼称に統一。駅名変更と同時に看板も約20年ぶりに新調した。高さ1・1メートル、幅3・6メートルで、「嵐電」の力強い文字を中央に、切断した古レールを四隅にあしらった。福井市出身の鍛冶職人、青山裕次さん(47)が制作。毎日書道展審査会員の前衛書家、吉川壽一さん(64)=福井市=が揮ごうした。

 この日午前に除幕式があり、山村勝保社長が「駅名そのものに観光資源としての価値を持たせ、京都の活性化につなげたい」などとあいさつ。吉川さん、青山さんらとともに除幕した。25日には、7駅を巡ると嵐山駅で「駅の足湯」利用券がもらえるスタンプラリーや、午前10時からは同駅南側広場で鉄道グッズのオークションも開く。同社運輸課(075・801・2512)。【武井澄人、撮影も】

 2007年3月20日 毎日新聞京都面掲載

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【京の催事・イベント】 京都市バスを移動手段に鬼ごっこ 親子連れら歓声
▲ポイントをもらうため、スタッフ(左)に歓声をあげながら駆け寄る参加者たち=中京区で
 京都市バスを移動手段にした「鬼ごっこ」が18日、西大路通・堀川通・丸太町通・七条通に囲まれた地域を舞台に繰り広げられた。朝は最低気温0・8度まで冷え込み、雪もちらつく中のスタートだったが、日中は雪もやんで気温も上昇。約65組の親子連れらが、追う側と逃げる側に分かれ、スリルある市内巡りを楽しんだ。

 「鬼ごっこ」は下京青少年活動センターが考案。逃げながら用意された問題に正解するとポイントを稼げる仕組みだが、「堀川署の入り口の横にあるダルマは何代目?」「朱雀公園のシーソーの色は?」など現場を見ないと解けない。参加者は地図を片手に移動しながら、ポイントを競った。

 追う側、逃げる側が入れ替わるタッチは車内やバス停付近で禁止。昨年に続き家族4人で参加した左京区の藤沢道彦さん(39)は「歩く良いきっかけになります」。長女の由芽さん(11)も「クイズも歩くのも楽しい」と話し、ベスト5入りを目指していた。【山田奈緒、撮影も】

 2007年3月19日 毎日新聞京都面掲載
【京の話題】 三条ものつくり塾 花灯籠に笑顔満開
▲大学生の指導のもと、和やかな雰囲気の中で花灯籠を作る子どもら=東山区の元有済小で
 地域住民が一体となってもの作りに取り組んできずなを深め、町の活性化につなげようと「和紙からつくろう花灯籠(とうろう)」が18日、元有済小学校(東山区)であり、約150人の親子連れなどが参加した。「三条ものつくり塾」と銘打った企画の第一弾。地元学区のPTAや自治会、町内会などからなる「三条まちづくり協議会」の座長、安田茂樹さん(52)が呼びかけ、有志の大学生12人らの協力を得て実現した。

 デザインの考案、和紙作りなど、大学生が準備を進めてきた花灯籠は3種類。参加者は和紙が意外に柔らかく、扱いが難しいため「破れそうや」などと苦笑いしながら、青や桃色などを組み合わせたり、絵を書いたりしながら思い思いの作品に仕上げていた。

 約2時間かけて完成した100個の作品は体育館に集めて一斉点灯。親子で参加した同区の北村龍章君(5)は「楽しかった。むっちゃきれい」と満面の笑み。安田さんは「共に作ることで親子のつながり、地域のつながりも強くなればいい。住民がまとまるきっかけになるはず」と話し、「ものづくりの輪が広がって、いつかは『三条ねぶた祭り』みたいなことが出来るといい」と夢も語っていた。

 花灯籠は彼岸に合わせて21日から数日間、各戸で点灯するという。【山田奈緒、撮影も】

 2007年3月19日 毎日新聞京都面掲載
【京のシンポ・学会】 孤立する男性介護者、精神的ケアを 立命館大でシンポジウム
▲男性による介護の実情や改善点などが討議されたシンポジウム=北区の立命館大で
 男性による介護の実情や改善点などを話し合うシンポジウム「男が介護するということ〜介護社会のこれから」が18日、北区の立命館大学であった。4人に1人とされる男性介護者が、夫婦や親子2人だけの「老々介護」という環境の中で、仕事を辞めることを余儀なくされる場合も多く、女性介護者に比べて地域内や親族内での関係を作れずに孤立しているなどとの全国調査の結果が報告され、介護をする側の男性に対する支援の必要性が強調された。

 シンポは同大学人間科学研究所の男性介護研究会(代表、津止正敏・同大学産業社会学部教授)の主催。全国調査は、同研究会が日本生協連医療部会を通じて調査票を配り、17都道府県295人から回答を得た。

 平均年齢は69・3歳と圧倒的に「老々介護」で、65%以上が体調不良を訴えている。約6割が夫婦や親子の2人だけで、平均で5年以上の介護生活を送っている。

 介護休暇制度を利用したのはわずか0・04%で、約22%が介護を理由に退職しているなど、仕事と介護の両立の難しさも浮き彫りになった。

 生活実態では、介護時間が「ほぼ1日中」と「半日」で計約5割。近所付き合いは「ほとんどない」、「あいさつ程度」、「立ち話程度」で6割以上。同居家族がいても、相談や愚痴を聞いてもらうという精神的援助を受けている人は2割に満たなかった。

 調査を報告した斎藤真緒・同学部助教授は「がんばりすぎなどに男性特有の苦しみが見える。誰かに辛さを訴えることも不得意で、苦悩は見えにくい。家事支援はもちろんだが、精神的なケアも含め、介護を支える仕組みを社会が用意しなければ」と訴えた。【藤田文亮、撮影も】

 2007年3月19日 毎日新聞京都面掲載
【京の歴史・文化財】 文化審答申 善導院の鎌倉仏など3件、重文に
▲鎌倉期彫刻の高度な写実性が表された「木造善導大師立像」
 ◇京町家など12件、登録有形文化財

 国の文化審議会(会長、石澤良昭・上智大学長)は16日、高度な写実性をもつ鎌倉時代の「木造善導(ぜんどう)大師立像(りゅうぞう)」(左京区・善導院蔵)など3件を重要文化財に、京町家の古式を残した江戸時代の「山中油店主屋、辰巳蔵、戌亥蔵」(上京区)など12件の建造物を登録有形文化財に指定するよう、文科相に答申した。府内の重文はこれで計1623件、登録有形文化財は計264件になる。

 このほか重文指定が答申されたのは、経典訓読の様相を伝える平安時代の「金剛頂瑜伽(ゆが)経」(山科区・勧修寺蔵)▽禅宗寺院の決め事を記した南北朝時代の「福成寺規式(きしき)」(東山区・霊洞院蔵)。

 「木造善導大師立像」は高さ約78センチ。中国浄土教の始祖の一人、善導大師の肖像。大師の像は日本の浄土宗寺院では盛んに作られたが、鎌倉前〜中期の作とされる善導院蔵の像は、知恩院蔵と並び、最古級という。口を開けて念仏を唱える一瞬が、鎌倉仏らしい高い写実的技法で表現されている。

<上>平安時代の経典訓読の様相を伝える「金剛頂瑜伽経」<下>南北朝時代の禅寺運営を具体的に示す古文書「福成寺規式」=写真はいずれも府教委提供

 「金剛頂瑜伽経」は縦約26センチ、全長約8・5メートル。漢文の経典を日本語に読み下す場合の訓点のひとつ「浄光房点」の創始者・頼尊が1050(永承5)年に訓点を加えた経典。「福成寺規式」は縦約31センチ、全長約1・2メートル。1338(建武5)年に、禅宗寺院の福成寺の僧が「尼寺に勝手に近づかない」「寺物を持ち出さない」など、大衆が守るべきことを記した古文書。

 また、他の登録有形文化財は次の通り。荒木家住宅主屋、土蔵(北区、江戸後期)▽同志社啓明館本館、西館(上京区、大正時代)▽生谷家住宅主屋(同、明治初期)▽中村治男家住宅主屋、土蔵(同、明治後期)▽実相院客殿、門(左京区、江戸中期)【藤田文亮】

 2007年3月18日 毎日新聞京都面掲載

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【京のシンポ・学会】 シンポジウム「京都における日本風景街道」
▲うるわしい風景空間について話し合われたシンポ
 電線地中化や京都らしい景観の育成に取り組むNPO法人「うるわしのまち・みちづくり」(理事長、上村多恵子・京都経済同友会常任幹事)は14日、下京区のキャンパスプラザ京都でシンポジウム「京都における日本風景街道」(国土交通省など後援)を開催。歴史・文化資産としての道づくりのあり方を話し合った。

 第1部では宗田好史・京都府立大助教授が「近畿における日本風景街道の取り組みとこれから」と題して基調講演。第2部は上村理事長がコーディネーターとなり、宗田助教授、村橋正武・立命館大教授、岸和郎・京都工芸繊維大教授、京都市嵯峨鳥居本町並み保存館の森川恵子さんがパネルディスカッション。「町の印象は道路と沿道の建物で構成される風景空間によるところが大きい。古い町並みを保存すると同時に、小樽運河のように、新しい風景空間をつくりだすことも大切」「風景を見るためには歩くことが何より。そのためには車と自転車など、交通機関を使い分けるメリハリが必要」などの意見が交わされた。【榊原雅晴、撮影も】

 2007年3月18日 毎日新聞京都面掲載
【京の祭・年中行事】 平成女鉾清音会10周年、晴れ姿見て
▲赤地つづり織りのタペストリーを飾る「平成女鉾清音会」のメンバーら=中京区の新風館で

 中京区の複合商業施設「新風館」の中庭で17日、「平成女鉾清音(ぼこさやね)会」が女鉾に赤地つづり織りのタペストリーや角房を飾り付けた。21日まで展示され、鉾上で同会メンバーによる祇園囃子の演奏もある。

 女鉾誕生10周年を記念し、観光客の増加が見込まれる21日の伝統産業の日に合わせて同会が企画した。鉾が組み立てられたのは01年にJR京都駅ビルに展示されて以来、約5年半ぶりで、思わず涙ぐむメンバーも。ヒノキ製で、高さ20メートル、重さ10トン。鉾建て費用は430万円もかかり、10周年に向けて会費などを積み立ててきたという。

 会長の日詰千栄さんは、「地縁がなければ祇園祭に出られない。でも、『祇園祭が好き』という心でつながったコミュニティがあってもいい。多くの人に私たちの活動を知ってもらいたい」と笑顔で話した。【谷田朋美、撮影も】

 2007年3月18日 毎日新聞京都面掲載
【京のポッポ話】65 宝ケ池駅の低床ホーム
▲今も残る低床ホーム。競輪客を運んだ市電発着の記憶だ=叡電・宝ケ池駅で

 ◇競輪輸送の市電乗り入れ跡
【京の教育・学校】 喜びの春−−公立高校で合格発表
▲十五の春。受験番号を見つけ、大喜びの受験生=左京区の北稜高校で、懸尾公治撮影
 07年度公立高校入試の合格発表が16日、府内56校であった。全日制1万3455人、定時制430人の計1万3885人(うち推薦や特色選抜など3045人)が合格した。推薦などを除く一般選抜の実質競争倍率は、全日制1・08倍(前年度1・12倍)、定時制1・25倍(同)だった。

 左京区の府立北稜高校(鈴江昭校長)では、午前9時に合格者の受験番号と学校名を記した紙が張り出されると、待機していた受験生や親らが番号などを確認。「やった」と歓声を上げて友人と抱き合って喜んだり、携帯電話で番号を撮影する姿が見られた。「第1志望」の同校に無事合格したという笹井晶さん(15)=同区=は「受験勉強が大変だったので高校ではバイトなどをして学校生活を楽しみたい」と笑顔で語った。【小川信】

 2007年3月17日 毎日新聞京都面掲載
【京の話題】 京博連 奈良に学ぶ 学芸員ら文化館など視察
▲展示の工夫などを聞く参加者たち=奈良県明日香村の万葉文化館で
 京都市内博物館施設連絡協議会(京博連)が15日、奈良県内で視察研修会を開いた。加盟施設の学芸員ら40人が、明日香村の県立万葉文化館と、橿原市の県立橿原考古学研究所付属博物館を訪ね、自館に生かそうと展示の工夫などを吸収した。

 京博連は街ぐるみで生涯学習の場とする狙いで92年結成。著名な博物館や茶道・生け花などの資料館、大学・企業のミュージアムなど大小156館に報道機関などを加えた178者で構成する。

 01年開館の同文化館は来館者の7割を県外者が占め、「迎賓館」の役割を担う。敷地の発掘調査で見つかり、日本最古の銅銭とみられる富本銭の鋳造が確認された「飛鳥池工房遺跡」(7世紀後半から8世紀初め)を建物の間に復元。人形や映像も多用し、楽しみながら万葉の時代を学べる展示を目指している。

 一方、収蔵資料の大半が自ら発掘した“戸籍”付きの貴重さを誇り、レプリカ展示が少ない同博物館は「展示解説が専門的過ぎるとの声が多く、学芸員の意識改革を進めたい」と自らの課題を挙げ、参加者はうなずいていた。【鶴谷真、撮影も】

 2007年3月17日 毎日新聞京都面掲載
【のれんをくぐって】 山中油店(3) 職人技で搾り出す絶妙な味わい
▲玉締めしぼり胡麻油・ビン大(450g・945円)と芳香落花生油・ビン大(460g・1890円)
 前回まで、建築・工芸用油と町家の関係について紹介してきた。しかし、現代において"油"と言えば、やはり食用油のイメージが強い。山中油店でも、一番売れているのは食用油だ。

「油の製法には、圧搾法と抽出法があります。圧搾法は文字通り、原料となるコーンや菜種を、圧力を使って搾りだす方法で、一方抽出法は溶剤によって原料から油分を科学的に取り出す方法です。近年は健康を気にされるお客様が増え、溶剤を使わない、圧搾法で絞られた油をわざわざ探して弊店までこられます。天ぷらを揚げても、揚がり方や食感、香りが違います。『山中さんの油を一度使ったら、他の油が使えなくなった』という大変嬉しい声をよくお聞きします」

 このように油にこだわる人が年々増えてきたおかげで、インターネットの通販を通じて全国から注文が舞い込んでいるそうだ。

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【京の教育・学校】 京都市立中79校で卒業式 夢に向かって、旅立ちの時
▲拍手の「花道」に送られ、母校を巣立つ京都市立皆山中学校の卒業生ら

 ◇統合で「最後」8校も

 京都市立全80中学校のうち、雲ケ畑中(北区)以外の79校で15日、卒業式があり、計9877人が巣立った。近隣校との統合などで閉校となる▽郁文▽成徳▽尚徳▽皆山▽梅逕(以上、下京区)▽花背第一▽同第二(同、左京区)▽小野郷(北区)――の8校では「最後の卒業生」計179人が3年間の思い出とともに、未来の夢を思い描きながら母校を後にした。【武井澄人、撮影も】
【京の事件】 京都精華大生刺殺事件 情報提供呼びかけ 駅でビラなど
▲改札口前で情報提供を呼び掛ける捜査員ら=左京区の叡電出町柳駅で
 左京区で京都精華大マンガ学部1年の千葉大作さん(20)が刺殺された事件は15日、未解決のまま発生から2カ月が経過した。府警捜査本部は同日朝、叡電出町柳駅で容疑者の似顔絵や特徴を盛り込んだビラ入りのティッシュを配り、通勤客らに情報提供を呼びかけた。

 現場近くの叡電木野駅の利用者に呼びかけようと、京阪電車との乗り換え客が多い朝の通勤時間帯の出町柳駅を選んだ。下鴨署員ら14人が改札口へ急ぐ乗降客に、「ご協力お願いします」と呼びかけ、ティッシュ500個を配った。

 捜査本部によると、事件以降寄せられた情報は約90件。似顔絵を公開した2月15日以降は67件に上るが、逮捕に結びつく情報はないという。現在も75人体制を維持し、容疑者の自転車の特定や、目撃情報の収集などを進めている。

 捜査本部は「地域住民が安心して生活できるよう、一刻も早く犯人を逮捕するため全力を挙げる。ささいな情報でも寄せてほしい」と訴える。目撃情報などは下鴨署捜査本部(075・703・0110)へ。【椋田佳代、撮影も】

 2007年3月16日 毎日新聞京都面掲載
【京のキャンパス模様】 女子大生と京都ブライトンホテルでケーキ共同開発
▲チョコレートで作った同志社の校章が乗ったケーキ(手前)などを披露する学生ら=上京区の京都ブライトンホテルで

 ◇春のケーキはいかが、同女大生ら披露

 同女発・春のケーキはいかが――。同志社女子大(京田辺市)の学生らと京都ブライトンホテル(上京区)が13日、共同開発したケーキを発表した。学生から公募で集めた案を基に同ホテルが実現し、鴨川を桜が流れる様子を再現した「サクラひとひら」(550円)など3種類が生まれた。21日から4月30日まで、ホテル店頭で販売する。

 同ホテルが「学生のアイデアを取り入れ、将来の顧客づくりにもつなげたい」と提案。菓子作りなどの活動をしているクラブ「食物研究会」の有志が2月に学内でアイデアを募り、34案から5案に絞ってホテル側に提示し、デザインなどを検討した。今後も四季を通じ、共同開発したケーキを販売する方針。

 「サクラひとひら」の他に販売するのは、宝石箱をイメージしてチョコレート製の箱の中に色鮮やかな果物を詰めた「四季の箱〜春〜」(2500円)と、チーズクリームを切ると中から“同志社カラー”のブルーベリーソースが出てくる「One Purpose」(550円)。食物栄養科学科2年の新谷祐加さん(20)は「女子大生らしい繊細なケーキを目指した。幅広い層の人に食べてもらいたい」と話していた。【中野彩子】

 2007年3月15日 毎日新聞京都面掲載
【京の祭・年中行事】 平成女鉾清音会“復活”へ 祇園祭巡行参加目指し、5年半ぶりに鉾建て
▲京都駅ビル内での鉾建て=00年7月、平成女鉾清音会提供

 ◇「新たな伝統の風を」清音会メンバー、中京・「新風館」中庭に

 女性でつくる囃子(はやし)方で、祇園祭の山鉾巡行参加を目指している「平成女鉾清音(ぼこさやね)会」が16〜21日、中京区の複合商業施設「新風館」の中庭で、約5年半ぶりに平成女鉾を建てる。新風館を鉾町に、来館者を町衆に見立てた「平成女鉾町」が出現する。17〜21日には鉾上で祇園囃子の演奏も。メンバーは「新たな伝統」の風を吹かせようと意気込んでいる。

▲5年半ぶりの鉾建てを発表する日詰千栄・平成女鉾清音会長(右)ら=中京区で2月14日、鶴谷真撮影
 平成女鉾は高さ20メートル、重さ10トン。「平成女鉾の会」発足の96年にデビューし、「京都まつり」などで巡行した。しかし同会は02年に解散し、囃子方の清音会が運営を引き継いだ。巡行は00年10月の京都まつり、巡行なしの鉾建ては01年7月の観光イベントが最後。鉾は分解して府内の貸し倉庫に保管してきた。今回の鉾建て費用約430万円は、積み立ててきた会費などで賄う。

 清音会メンバーは11歳〜70歳代の主婦や学生、公務員など約80人。函谷(かんこ)鉾囃子方の指導で、月2回の練習を続けている。少子高齢化やマンション増加で祇園祭の担い手は大きく変わっているだけに、日詰千栄会長らは「地縁でなく、心でつながる清音会のあり方」に手応えを感じている。「100年後を見据えた夢」として、鉾を飾る懸装品にグラスファイバーや液晶テレビ映像を採用したり、ネット上に仮想鉾町をつくることを挙げた。

 問い合わせは清音会10周年事業事務局(075・864・1750)。【鶴谷真】

 2007年3月15日 毎日新聞京都面掲載

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【コレ、お薦め!】 川面に映る、京都の桜
 今回の「コレ! お薦め」テーマは桜。記録的な暖冬の影響もあって、今年は例年になく桜の開花が早まると予想されています。14日に気象庁が発表した予想開花日では、京都は平年より3日早い3月28日となっていますが、3月に入って冷え込む日が続いていますし、実際はどうなるかヤキモキしますね。

 さて、京都市内で桜の名所と言えば、円山公園に醍醐寺、平野神社などが挙げられます。古い寺社を背景に舞う桜の花びらは絵になりますが、風流さで言えば、川面を流れる桜の花びらも引けをとりません。そこで今回は、そうした川べりの桜の名所をご紹介します。

▲鴨川の桜。五条大橋から川端通方向=2004年4月撮影

 まずは賀茂川。鴨川べりは三条から七条にかけて、ずっと連続ではありませんが桜並木が続いています。観光客はあまりこず、地元の住人や学生ぐらいしかいないので、実は隠れた花見のスポットです。桜以外の春の花を楽しめるのもいいですよ。

▲琵琶湖疏水と哲学の道の桜=2004年4月撮影

 続いて哲学の道。南禅寺の北から銀閣寺まで約1.6キロの散策路は琵琶湖疏水に沿っており、その川べりには桜並木が続きます。哲学の道そのものが観光名所のため訪れる人も多いですが、自分のペースで桜を愛でながら散歩することは十分に可能です。

▲五条通北の高瀬川の桜=2004年4月撮影

 最後に高瀬川。鴨川の西に並行するように流れる川ですが、こちらは三条通から五条通にかけて続く桜並木が見事です。ただ、三条通から四条通にかけては、居酒屋などが並ぶ木屋町通に面しているため、ゆったりと桜を見るのは難しいです。四条通から南になると、町並みにも落ち着きが出るため、自分のペースで桜が楽しめるでしょう。ライトアップもされるので、一杯飲んだあと、酔い覚ましに夜桜見物というのもいいかもしれません。【礒野健一】

▲ライトアップされた高瀬川の桜=2004年4月撮影

【京の歴史・文化財】 よみがえる黄金の蓮池 西本願寺御影堂、補修の大障壁画公開
▲修復を終え、西本願寺・御影堂の北余間に元通り張られた障壁画=下京区で

 2011年の宗祖・親鸞聖人750回大遠忌(おんき)に向けて御影堂の修復を進めている浄土真宗本願寺派本山・西本願寺(下京区)は14日、法要で僧侶が座る北余間(よま)で補修を終えた大障壁画を報道陣に公開した。浄土を表した黄金の蓮池が鮮やかによみがえった。

 障壁画は高さ5.55メートル、幅8.34メートルの大画面の紙に金箔(ぱく)や絵の具で描かれている。江戸中期以降の作とみられる。半世紀前の修復以来、画面はすすで黒ずみ、ひび割れや波打ちが生じて全体にぼやけていた。99年10月に取り外し、はく落部分などを補ったうえで下地の上にのりで張り付けた。

 南余間の障壁画は既に昨年3月に張り終えている。御影堂修復は今後、内装工事などを経て、08年末に完了する予定。【鶴谷真、撮影も】

 2007年3月15日 毎日新聞京都面掲載

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【京の行政】 京都市議会 景観条例など成立 桝本市長「9月施行」目指す
▲多くの市民が見守る中、全会一致で決議を可決する京都市議。「重要性にかんがみる」として異例の起立表決となった=中京区の京都市役所
 ◇根強い反発残したまま

 京都市の2月定例市議会は最終日の13日、新年度当初予算案など市提案の100議案を可決し、閉会した。注目だった新景観政策に関する議案の審議は、12日中に終える予定だった各会派間の調整が翌13日早朝にまで長引き、本会議の開会も同日午後にずれ込んだものの、結局全会派が足並みをそろえた。業界や市民からの根強い反発も残したまま、「景観議会」はあっけなく幕を閉じた。本会議終了後、桝本頼兼市長は「わが国初めての大胆な条例が可決され感無量」と述べた。【山田奈緒】

 会派内調整が長引いた理由の一つに、決議内容のすりあわせがある。政策に反対する建築関係などの業界団体から支援を受ける議員もいるからだ。中村安良・自民党市議団長によると、第一党である自民党内では「我々は業界だけの代弁者ではない。147万市民の代弁者でもある」と呼びかけて意見の統一を図ったという。

 全会一致で可決した決議では、▽既存不適格となるマンションなどについて、追加担保を求められないよう金融機関に要請する▽和風を基調としつつも、周辺環境に調和した意匠建築であれば、和風でなくても認める▽広告物の違反対策として、規制・指導体制を強化する――など8項目を市に求めている。

 13日の本会議では、各会派の代表者がそれぞれ賛成討論を行った。自民は「京都のアイデンティティーを継承するために重要な政策」、公明党は「日本の景観政策のモデルにもなる」、民主・都みらいは「歴史都市京都の将来像として正しい判断」などと評価。一方、野党の共産党は「政策を積極的に推進することを(市に)要請する」として評価する一方、「高さ規制を緩和し60メートル級の高層ビルを認めてきたこれまでを反省してこそ、市民の協力と理解も進む」とも言及した。

 桝本市長は「古きよき京都、日本人の心のふるさと京都を守りきる」と改めて意気込みを語った。広告や不動産関係の業界を中心に反発の声があることに対しては「改革にはある程度の痛みを伴う。痛みを市民と共有して和らげる政策を積極的に実施したい」と述べた。

 さらに、「施行日は9月1日」と明言。市民理解を得るためや、デザイン基準などの審査体制を整えるための職員研修などには時間がかかるが、施行を遅らせすぎると“駆け込み建築”が増えるため、5カ月程度が最適と判断したという。

 ◇市と協議し制度緩和求める−−上出皓一郎・府広告美術協同組合理事長の話

 規制強化の決定があまりに一方的。これからも市と協議を続け、制度緩和を求めていく。景観保全にはもちろん協力するが、これまで違反広告物撤去しなかったのは行政の怠慢。やることをやってからの規制が当然の流れ。「違反はすべて撤去する」という市の動きを見守る。違反物が全撤去されたまちを、まず見せてほしい。

 ◇市民意見を整理していない−−白浜徹朗・市民団体「暮らしやすい京都の住環境を考える会」副理事長(弁護士)の話

 市民意見を整理しないままの条例成立で横暴だ。建築物の資産価値下落などの不安を抱える市民は多く、相談内容によっては市を相手に訴訟を起こすことも辞さない。「銀行が追加担保の要求はしない」などという市長発言は根拠が乏しく、金融機関に責任を押し付けることになり無責任だ。

 ◇大きな一歩を踏み出した−−村田純一・京都商工会議所会頭の話  戦後60年かけて乱れた京都の街並みを、50年後、100年後を見据え、美しい景観を取り戻すことが我々の後世に引き継ぐべき使命。条例の可決は、その大きな一歩を踏み出したものとして歓迎したい。市民や業界の間ではさまざまな意見が出ているので、市はしっかり説明し、十分な理解を得られるよう努力してほしい。

 2007年3月14日 毎日新聞京都面掲載
【京の行政】 京都市議会 眺望景観条例成立へ、建築物規制も
 古都の眺望景観を守るため、建築物のデザインや屋外広告物の規制強化など新たな景観政策導入を目指す京都市の市議会本会議が13日午後開かれ、一連の政策に必要な六つの条例制定・改正案が原案通り成立する見通しとなった。与野党全会派が賛成の姿勢を見せている。「屋外広告物等に関する条例」の改正では、市内全域で屋外の点滅照明・屋上広告物が既存も含めて禁止される。撤去の猶予期限は最長で7年。

 さらに、「眺望景観創生条例」の制定で、例えば「五山送り火」の文字と賀茂川の岸に立つ人の目線(高さ1・5メートル)とを結んだ面を高さの上限とし、視界をさえぎる新規の建築物を規制できる。市は、「賀茂川右岸から大文字」など10方向以上を想定。規制地域は今後、「市美観風致審議会」(市長の諮問機関)で定める。市によると、標高で規制するのは全国初という。関連6条例にはすべて、社会経済情勢の変化を勘案し、必要な場合は見直す付則をつけて柔軟性を持たせた。市は、市民への周知を経て、早期実施を目指す。

 また、高さが基準以上でも公共性や景観への配慮がある場合は特例として建築を許可するが、特例許可の運用の透明化・公平化を確保するため、必要な手続きを明文化した新条例も制定。建築計画に対して出された市民意見に建築主が見解を示すことや、有識者らでなる第三者機関で調査することなどを定めた。

 市は昨年11月、屋外広告物条例改正などを発表したが、業界団体などが反発。市は当初、新基準で不適格となる屋外広告物は、最長でも施行日から6年後の全廃を求めていたが、改善計画を示せば7年を限度に存続できるように見直した。

 この他、住民が多い住宅地や観光地などで、建物の上限を最大16メートル引き下げる規制強化は、19日の「市都市計画審議会」に諮る。市によると、新しい高さ基準に不適格となる既存の建築物は、市内で約1800棟。建て替え時の融資制度などで支援予定で、これら新景観政策に必要な制度を運用するため、7億2000万円を充てる来年度当初予算案も同日、可決される見込み。【山田奈緒】

 2007年3月13日 毎日新聞大阪夕刊掲載
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