2007年09月25日

リタリンの規制はやむを得ない

「リタリン」という覚醒作用のある向精神薬(精神刺激剤)がうつ病に対して処方できなくなる。つまり事実上、ほとんど出せなくなるわけだ。

参考記事
「リタリン:製造元、うつ病を適応症除外へ 乱用に歯止め」

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070921k0000m040162000c.html


患者の減薬期間をある程度設けないで、いきなり処方停止するのであれば、特に上手く使いこなしていた患者にとってはとんでもないことだが、結果的に処方できなくさせることについては、実はやむを得ないと思っている。
うつに適用される向精神薬としてリタリンは、特に強く、依存も招きやすいからだ。

自分もリタリンの処方を受けていた。
それも1日3錠という規定量だったにもかかわらず、今にして思えば、少なくとも自分には、それでもやっぱり強すぎた。1回2分の1から4分の1錠、しかも数日に1回程度でもよかったんじゃないかとさえ思う。
しかも医者が処方した医薬品なのだからと安心して飲み続けてしまい、減薬や休薬など考えなくなってしまっていた。

11年前に出した『人格改造マニュアル』という本のなかで、リタリンについて「依存性もなく食欲もなくならないという」などと書いてしまっているが、これは医師に幅広く利用されている治療薬の専門書(『優秀処方とその解説』など)に当時書かれていたことだった。しかし今では、それが間違っていたと思うので、まったく今さらながらだが訂正したい。リタリンには依存性もあり、食欲もなくなる。


また覚醒剤についても、『人格改造マニュアル』(やその次に出した『檻のなかのダンス』)のなかで、いい面を強調して書いたことも今では後悔している。


そもそも本来、こういったものを使ってまで覚醒しまくらなければやっていけない世の中のほうがどうかしている、我々はもっとのんびりと安心して、自殺などしたくならずに生きられるはずだ、という考えもあって、今では社会批判をやっているわけだ。

やる気を出す方法や落ち着く方法については、クスリ以外でも相変わらず熱心に試行錯誤しているが(それでも向精神薬は飲んでいるが)、「自然界に含まれている実感を持つこと」なんて、最高の落ち着く方法だと思っている。


こういった自分が以前に書いたことについても、今後書いていこうかと思う。

posted by 鶴見済 at 20:56| その他