貸し切りツアーのバスをめぐってはことし２月、大阪・吹田市で過労による居眠り運転からバスが橋脚に衝突し、２７人が死傷した事故を受けて国が監査を行った結果、全国のバス会社の６割以上で定められた時間を超えて運行するなど法令違反が見つかりました。国土交通省の中国運輸局は、規制緩和で貸し切りバスを運行する会社が増えて生き残りの競争が激しくなり、利用者が値引きを迫る動きが加速していることが背景にあるとみています。このため、利用者のうち中国地方のすべての自治体と教育委員会に対し、視察や研修、修学旅行などを企画する場合は、法律で定められた運賃でバス会社と契約するよう文書で異例の協力を求めました。道路運送法では、貸し切りの大型バスは１時間当たり１２７７０円から８３３０円などと、バスの種類や走行時間などによって運賃の範囲が定められています。運輸局がバス会社ではなく、利用する行政側にこうした要請を行うのは全国で初めてです。