ASCII番外地バックナンバーVol.1〜10
月刊ASCIIで「高千穂遙の大混戦 かかってきなさい!」というエッセイを連載しています。もうかなり永くやっている連載です。そこに書いているエピソードの落ち穂拾いをしようというのが、このコーナーです。ASCIIは月刊誌ですから、原稿を入れてから掲載され、発売されるまでに少しタイムラグが生じます。そのため、タイムリーなネタというのが使えません。けっこうおもしろいけど、やむなく捨てるというエピソードがときどきでてきます。そういうネタを救済しようというのが、このコーナーの趣旨です。そのほか、雑誌に書くのはちょっとというトホホネタもまぜていく予定です。予定だけかもしれませんが。
Vol.1 BIOSアップデート、その後。
2000年3月号に、マザーボード(SOYOの6BA+III)のBIOSを飛ばした話を書きました。2AA3というバージョンのBIOSを使っていて、2BA1がでたので、さっそく入れたらそのまま逝去というパターンでした。飛ばしたのが1999年12月30日の夜です。大晦日に同じマザーボードとROM焼き だいじょうぶ!を買ってきて、復旧させたというトホホな内容でした。今回は、その後日譚を書きます。
3月の末、このBIOSが3か月ぶりにまたアップデートされました。今度は2BA2というバージョンです。ROM焼き だいじょうぶ!が入っているので、気楽にアップデートしてみました。作業は例によって問題なく終了。でも、再起動したら、やはり死んでしまいました。ブラックアウトしたまま、いつまで待っても画面が明るくなってくれません。
やれやれということで、すぐにROM焼きだいじょうぶ!のROMに切り換え、再起動させました。ちゃんと動いてくれます。で、念のためにもう一度アップデートをやってみました。でも、やはりだめです。新BIOSにすると、必ずブラックアウトしちゃいます。諦めて、BIOSを2AA3に戻しました。こちらだと異常はぜんぜん起きません。
というわけで、わたしはマザーボードのBIOSアップデートを諦めることにしました。もう少しすれば、815eチップのマザーがでてくるはずです。そうしたら、まるごとそちらに替えてしまうことにしましょう。予算があればの話になりますが。
Vol.2 CATVに関する提案。
2000年5月号に調布ケーブルテレビの不公平な仕打ちについて、ちょっと書きました。その掲載誌が発売される直前に、マイクロソフトが大きく動いたようです。新聞に記事が載りました。こんな内容です。産經新聞から一部を引用します。
都市型CATV運営会社で業界第二位のタイタス・コミュニケーションズ
の株式を米マイクロソフトが入手し、マイクロソフトはタイタスの筆頭
株主となった。
一方、CATV運営会社の最大手、住友商事系のジュピターテレコムが、
タイタス・コミュニケーションズと年内の合併に向けて交渉に入った。
実現すれば、CS(通信衛星)放送と互角の事業スケールとなる。CATV事業
者には、電話や高速インターネット接続事業を展開しやすい強みがある
だけに、通信・放送にまたがるサービスで、主導権を取る可能性がでて
きた。
いきなりの激動って感じです。CATV再統合の時代がはじまります。限定地域にしかインターネットサービスはしないよんなどと言っている場合ではありません。でも、調布ケーブルテレビには、サービスを拡大させるだけの体力がないみたいです。
そこで提案。マイクロソフトさん、調布ケーブルテレビも買収してください。タイタスよりもずうっと安いはずです(希望的観測)。調布にはマイクロソフトの技術研究所もあるじゃないですか。いってみれば、調布はマイクロソフトの庭のようなものです。これがマイクロソフトの城下町になっても、わたしはかまいません。ほかの人は知りませんが……。ぜひ、調布ケーブルテレビを買収し、ジュピターテレコムと合併した上で、調布全域にCATVインターネット網を張りめぐらしてください。期待しています。いまや頼りになるのはマイクロソフトさんだけです。98使っています。2000も導入を検討します(しばらく無理だけど)。MEも買います(たぶん)。Linuxには手をだしません(予定)。座右の銘は「長いものには巻かれろ」です。だから、すぐに調布ケーブルテレビを買ってください。即、買収してください。よろしくお願いします。へこへこへこへこ。(^^;
付記(2000/04/19)
調布ケーブルテレビのインターネットシステムはタイタスが請け負っているよという指摘がありました。それなら、なおさら都合がいいです。そのまま本体事業を買いとってしまえばいいことじゃないですか。マイクロソフトさん、ほんの少しの決断でオッケイですよ。調布CATVをまるごと買収し、事業方針をインターネット主体に変更してください。期待しています。
Vol.3 虚弱ステッパー。
ステッパーを使っています。床に置いて、足踏み運動をするのに使う、あのステッパーです。録画したテレビ番組を見る間、いつも踏んでいます。連続して1時間くらいは踏みますから、アニメなら2.5本は見られます。おかげで、だぶついていたからだもけっこう引き締まりました。体脂肪率も正常範囲内です。アニメを見る時間を有効に使えています。
そのステッパー、1999年8月に某デパート系の通信販売で買ったものです。「静音ステッパー」というふれこみだったので、購入しました。値段は9800円でした。製品名はエアロライフミニステッパー、品番はDR-3860。
でも、これ、あまり静かなステッパーではありません。踏みはじめてわずか4日で、ぎしぎしきしむようになってしまったのです。いやもう、うるさい、うるさい。そこで、そのことを商品のアンケート葉書に書いたら、通販会社から連絡がありました。それはおかしいので、交換してくれるというのです。サービス優秀。
新しく届いたステッパーは、まあまあ静かでした。これなら看板に偽りなしです。
ところが、このステッパー、いきなり壊れてしまったのです。ネジがゆるみ、使っていると、抜けてシャフトが外れてしまいます。
通販会社ではなく、直接、発売元であるモダンロイヤルという会社に電話しました。使用説明書に、故障の場合はそちらに連絡してくれとあったからです。事情を説明したら、またすぐに交換ということになりました。向こうから新品を送ってくるので、そのとき、前のを宅配便の人に預ける。そういう交換方式です。
しかし、今度のステッパーは、またもや非静音ステッパーでした。ぎいぎいときしんでくれます。
モダンロイヤルに電話して、先に返送したやつに戻してほしいとお願いしました。前のやつはネジがゆるむだけですから、そこを修理してくれれば、何も問題ありません。静かさでは、それがいちばんでした。テレビを見ながら踏むので、静かでないと困るのです。
モダンロイヤルは、その要求を快諾してくれました。いい会社です。ネジがゆるまないよう対処された前のステッパーが戻ってきて、交換をしました。
このステッパーをわたしは、2000年の2月10日まで踏みまくりました。2月10日に、ステッパーはつぶれるように壊れました。シャフトの軸受け部分(厚さ4〜5ミリの金属板)の穴が楕円形に広がり、シャフトがななめに傾いてしまったのです。金属板にはひびも入っています。
保証が1年でしたから、またモダンロイヤルに電話しました。事情を話します。すると、こう言われました。
「お客様の脚力に製品の耐久性が見合っていないようですから、ひとつ上のランクのステッパーを交換品としてお送りします」
いや、みごとな対応ですねえ。感心しました。
1週間後くらいに、その新型ステッパーが届きました。通販では12800円で売られている製品です(製品名:エアロライフパラレルミニステッパー、品番:DR-3855/M)。踏台に工夫がしてあって、踏み足がななめにならないようになっています。アキレス腱に負担がかからない設計です。
さっそく踏みました。音も静かで、実に気持ちよく踏めます。
が、このステッパーは、あっけなく壊れました。3月1日のことです。10日間くらいしか使っていません。いきなり、がくんと踏台が落ちて、動かなくなりました。部品がねじ曲がっています。文字どおり、踏みつぶしたという感じの壊れ方でした。
またまたモダンロイヤルに電話です。うう、ほとんどクレーマー状態ですね。
モダンロイヤルはあいかわらず親切でした。すぐに交換品を送ってくれました。
しかし、しかし、しかし。それもまた3月13日につぶれました。壊れ方はまったく同じです。同じパーツがねじ曲がり、踏台はぴくりとも動きません。またまたまたまたモダンロイヤルに電話です。いくらいい製品でも、寿命が10日では、すごく困ってしまいます。
3日後に、交換品がきました。この時点で、わたしはべつのステッパーをCBSソニーファミリークラブに注文していました。TOKICOがつくっている高級ステッパーです。なんと39800円もします。そのわりには、保証期間が半年です。ちょっとせこいぞ。
注文したのは、代替品が必要だと判断したからです。こんなペースで壊れてしまうと、トレーニングがしょっちゅう中断させられてしまいます。そのためにも、かわりのステッパーが必要でした。それと、今度壊れたら、もうこの製品は諦めようという思いもありました。同じところが壊れるのは、製品のどこかに構造的欠陥があるのではないかと思われます。その場合、何度交換しても結果は同じです。モダンロイヤルはすごく良心的な発売元ですから、いくらでも交換してくれるのでしょうが、それとこれとは話がべつです。踏んでいる途中でステッパーががくんとつぶれるのは腰に衝撃がきて、かなり危険です。また壊れたら、さすがにもう使いつづけようという気になりません。
ステッパー2台体制で、運動を再開しました。今度も3月中には壊れるだろうと、わたしは予測していました。でも、案に相違して、新しく届いたステッパーは、なかなか壊れません。快調に動いています(3月20日にぎっくり腰を起こして、しばらく踏めなくなったという事情もある)。
とはいえ、壊れるものは壊れます。先ほど、届いてから42日目にして、ステッパーはぐしゃりとつぶれました。4月26日、午後3時36分。踏みはじめて50分弱。今回は、ネジが折れて吹き飛ぶという派手なご臨終でした。あしたからはTOKICOのステッパーを踏みまくります。これが長生きすることを心から祈りながら。
頼むから壊れないでね。(^^;
Vol.4 次世代小型メモリカード戦争。
スマートメディアだ、コンパクトフラッシュだ、メモリースティックだと、何かと騒いでいた次世代の小型メモリカード戦争ですが、5月9日に松下がSDメモリーカードを正式発表して(6月30日発売開始)、おおむね顔ぶれがそろいました。いよいよ激戦の幕開きです。派手な戦争になるのではと、マスコミも注目しています。
でも、この戦争、勝つのはすごく簡単です。何もいろいろと策を練る必要もありません。要は大幅に値段を下げればいいのです。どこよりも早く、あっと驚くほど値段をつけてしまえばいいのです。先に下げたメモリカードが勝利をもぎとります。
あっと驚く値段。それは、いくらくらいでしょう。
64メガのメモリで考えてみます。いま、DIMMですと、1枚5000円程度です。でも、これだと高すぎます。だって、そうじゃないですか。この64メガのメモリカードにMP3ファイルを入れたと思ってみてください。MP3は圧縮率にもよりますが、音を犠牲にしない最低限のレベルで、1曲あたり、5メガ強程度のサイズになります(最近のものは1曲が長い)。64メガですと、12曲ってところでしょうか。へたをすると、アルバム1枚ぶんにも足りません。でも、大まけにまけて、アルバム1枚ぶんくらいとしておきましょう。
いま、アルバム1枚は、けっこう長い曲ばかりでも74分のMDディスク1枚に十分おさまってくれます。このMDディスク1枚の値段、グレードにもよりますが、150〜300円ってとこじゃないでしょうか(あいだをとって200円としておきます)。メモリカードはデジカメやデータの記録にも使える汎用性がありますが、現在、主要な用途と目されているのは音楽データの収納です。でも、このデータの収納、すごく面倒です。USB接続していても、メモリの中身を入れ替えるのはあまり楽ではありません。当然、いろいろな曲を入れたメモリカードを何枚も用意したくなります。でないと、外出したときにメモリカード1枚ぶんの曲しか聴けないことになってしまいます(ノートパソコンでもべつに持っていけば、話は違ってきますが)。
すると、ユーザーはコスト計算をはじめます。はっきりいって、メモリカードは勝てません。惨敗です。だって、64メガ1枚が、いまは16000円〜20000円もするのです。MDなら、100枚買えちゃいます。いくら、用途に汎用性があっても、これでは比較になりません。絶対にMDが有利です。現にわたしはそれを理由にしてMP3携帯プレーヤーの購入を見送っています。MDウオークマンがあるのに、買いませんよ、そんな不便で金のかかる製品。
64メガがDIMMと同じ1枚5000円になっても、このハンディは変化しないでしょう。まだ25倍です。検討する気にもならない、巨大な差がひらいています。
では、いくらなら納得できるか。
ずばり1000円(以下)です。これでも5倍です。しかし、5倍くらいなら、汎用性があるということで目をつぶることが可能です。それでも、いやだという人が多いと思いますが、わたしはとりあえずオッケイとします。その分岐点が1000円という金額になっています。
64メガ1枚が1000円。メモリカードの希望小売価格をこの値段にした製品が勝ちます。買って、シェアを独占します。間違いありません。自信があります。メモリカードのどれかがこの値段になったら、スマートメディア一辺倒になっているわたしも、さっさとそのメモリに転向してしまいます(デジカメ、ボイスレコーダーがスマートメディアなのです。前者は32メガ、後者には64メガを入れています)。大容量競争とか、信頼性競争とか、いろいろとメーカーは言っているようですが、はっきりいってどちらもたいしたアドバンテージにはなりません。勝負は値段で決まります。それも半端ではない安値です。度胸のあるメーカーさん、やってみてください。圧勝できますよ。
Vol.5 Word2000のその後。
2000年6月号にWordによる文字化けのことを書きました。ASCIIを購読されていない方もおられるかと思いますので、とりあえず、その文章のうちの一部を抜きだしておきましょう。
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Word2000で、海外から送られてきた英文ファイルが文字化けして表示される。
・文字が化けるのはわたしのマシンのWordだけ。バージョンは無関係。
・化け方には原則がある。
・わたしのマシンでも、ワードパッドなら化けない。
・化けない環境(他のマシン上、当該マシンのワードパッド上など)で
名前をあらたにつけてファイルを再保存した場合は、わたしのマシン
上でも化けなくなる。
化ける原則はつぎのとおり。
・「"I(ASCIIコードで22,49)」は「的(シフトJISコードで9349)に化ける。
・「's(27,73)」は「痴(9273)」に化ける。
・「"A(22,41)」は「鄭(9341)」に化ける。
・「"T(22,54)」は「典(9354)」に化ける。
・「't(27,74)」は「稚(9274)」に化ける。
知人に意見を求めたら、以下の反応がありました。
「このコードはCP1252(WinLatin1) というヤツです。Windowsの独自コードで、『'』は『92』に、『"』は『93』に割りあてられています。このコードで書かれたファイルを読むとき、そちらのWordが使われているコードをシフトJISと誤認して、一部の7ビット文字を8ビット文字に変換しているのです」
「なるほど。で、誤認の原因は?」
「わかりません。DLLか、レジストリのどこかが壊れている可能性が大ですけど。別名保存したファイルが問題なく読めるようになるのは、日本語ワードパッド、日本語Wordによって、CP1252が他の文字コードに自動的に変更されてしまうからです」
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とまあ、こんな内容です。記事が掲載されたあとで、これに関して何人かの方からメールをいただきました。残念ながら、それらの情報によっても問題解決には至りませんでしたが、メールをくださった方々には深く感謝しております。あらためて、この場でお礼申し上げます。ありがとうございました。
で、今回、マイクロソフトからOffice2000のSR1がでてきました。久びさのまとまったアップデートです。雑誌の付録に入るのを待ち、それを5月29日にインストールしました。結論を言えば、文字化けに変化はありません。依然として文字化けするファイルは文字が化けます。やはり、Windowsのシステムファイルあたりが怪しい感じです。うーん、たぶんだめだろうと確信しながらも、心の片隅ではほんのちょっとだけくらいは期待していたんですけどね。
てなわけで、SR1を入れてもだめだったよというその後の報告になりました。トホホ。
なお、この文字化けは、IE5でも起きます。しかし、IE5の場合は「エンコード」で表示コードを「日本語シフトJIS」から「西ヨーロッパ言語(Windows)」に変更すれば、文字化けが解消され、ちゃんと読めるようになります。「西ヨーロッパ言語(Windows)」が「CP1252(WinLatin1)」なのです。Wordにも、こういうエンコードリストがあるといいんですけどね。
Vol.6 ヤマト騒動。
「宇宙戦艦ヤマト」の権利をめぐって、西崎プロデューサーと松本零士さんの間で紛争が起きている。これについて、豊田有恒さんが産經新聞の「遮断機」というコラムに一文を寄せられた。豊田さんは、ヤマトの著作権は松本さんにあると書かれている。これはわたしも、そのとおりだと思う。映像作品は監督の著作物である。黒澤明の作品は、黒澤監督のものだ。スピルバーグの作品はスピルバーグ監督のものだ。ヤマトにおいて監督としてクレジットされているのは、松本さんである。したがって、ヤマトは松本さんの著作物となる。これについては、まったく異論がない。
しかし、映像作品にはもうひとつ権利が存在する。
原作権である。映画の「クラッシャージョウ」は安彦良和さんの著作物だが、原作権はわたしにある。これは当然のことだ。原作者として、わたしの名前がクレジットされている。「超時空要塞マクロス」もそうだ。原作はスタジオぬえで、その旨もきちんとクレジットされている。
では、ヤマトには原作者名がクレジットされていたのだろうか。
結論からいえば、原作者というクレジットは存在していない。かわりに企画・原案として、西崎プロデューサーの名が記載されている(資料の中には山本映一さんの名前が併記されているものもある)。これは微妙な肩書だ。原作者としてクレジットされていれば、今回のようなトラブルは生じなかった。
というわけで、ヤマトには原作者がいない。そもそも、ヤマトのストーリーの骨格は、多くの人びとのアイデアによって形成されたものである。現に、松本さんが参加される前に設定されていたネタがストーリーの中で使用されていたりする。この手の合成原作作品の場合、特定のひとりが原作者を名乗ることはひじょうにむずかしい。
そこで、こういったとき、通常は奥の手を使う。
架空の原作者を立てるのだ。
サンライズのオリジナル作品には、常に「矢立肇」という名前がクレジットされている。この矢立さんは現実には存在していない。架空の原作者だ。サンライズという組織を人格化した名前である。これにより、原作権は制作会社が確保できる。そして、設定関係者に対し、利益を合理的に配分することができるようになる。
西崎プロデューサーは、これをしなかった。なぜしなかったのかはわからない。原案ですむと考えたのだろうか。たしかに、原案は西崎プロデューサーである。これを否定する関係者はいないと思う。戦艦を宇宙に飛ばしたいという基本アイデアは、松本さんがスタッフに加わる以前、企画の最初期から存在していた。
とまあ、そんな状態で、ヤマトの原作権は宙に浮いている。裁判によって、これがどうなるのかは、まだ誰にもわからない。個人的な感想を述べれば、「宇宙戦艦ヤマト」に関して、松本さんが原作者であるという認識は、わたしにはない。何人かの元スタッフにも訊いてみたが、やはり、原作者が松本さんであると認めている人は多くなかった。ただし、これは個人的な感想であるから、法律的な結論とは無縁である。だが、ヤマトの原作権がこのような状況にあることだけは、たしかである。
横浜のSF大会「ZERO-CON」で、スタジオぬえは設立25周年の記念パネルをおこなう。これには、当時、ぬえ側のヤマト担当者であった松崎健一も出席することになっている。もしかしたら、より詳しい話がここで語られるかもしれない。このパネルでの発言は、非公開にすることがすでに決まっていて、活字になることは永久にない。興味のある人は、これに参加されるといいだろう。テレビシリーズの担当者でなかったわたしに書けるのは、とりあえずここまでである。
注1・ヤマトのクレジットについては、ホームページ上のデータベースとバンダイビジュアルから発売されているレーザーディスク版とで確認した。残念ながら、放送当時のビデオはスタジオぬえに残っていない。
注2・わたしは映画「さらば宇宙戦艦ヤマト」でぬえ側の担当者をつとめた。「さらば」の裏事情については、いろいろと知っているが、それ以前のヤマトについては、さほど詳しくはない。
Vol.7 お便りへの返信。
ホームページを開設してから、4か月と少し。運営に関して、要望や質問のメールをちょっとだけいただきました。そこで、今回はここでまとめてその返事を書くことにしました。ま、返事といっても3つしかないのですが。
●テレビ番組だけでなく小説もウオッチしてほしい。
○無理です。あれだけテレビを見ていたら、小説を読む時間などかけらもありません。かろうじて資料を読む時間は確保していますが、それ以外は不可能です。このままだと仕事をする時間もなくなってしまいます。それに、小説は評論されている人がたくさんおられます。わたしがわざわざ加わる必要はないでしょう。わたしは当分、映像作品専門でいくつもりです。よろしくご了承ください。
●もっとトップページのふうちゃんの写真をまめに変更してほしい。
○無理です。ただ撮影するだけでなく、ネタになるポーズやしぐさを捉えなくてはなりません。いままでは在庫を利用して掲載してきましたが、それももう尽きました。今後は、いい写真がうまく撮れたときだけ更新することになります。よろしくご了承ください。
●「耳寄り情報」がぜんぜん更新されない。
○だって、本がでないんだもん。出版予定はありますが、いろいろと事情があって、どれも発刊が遅れています。噂によると、11月にまとめて出版されるのではないかといわれています。その場合、「耳寄り情報」を更新するのは9月以降となります。とりあえず、「神拳 李酔竜 銀河最強伝説 蛇蝎篇」がでることは間違いありません。脱稿していますから。ご愛読、よろしくお願い申し上げます。
Vol.8 Word2000とCATV、その後のその後。
結局、今回の新マシン構築に伴うソフトの総入れ直しで、わたしのWordは「CP1252(WinLatin1)」を正常表示できるようになりました。まあ、当然といえば当然でしょう。どうも、このトラブルについては、こういう荒療治しか対処法がないみたいですね。メールなどでいろいろとご助言くださったみなさま、ありがとうございました。マイクロソフトからのアドバイスが皆無だったのがちょっと残念です。
それと、CATVですが、こちらにも大きな変化がありました。調布CATVから、いきなりCATVインターネットを開始するというチラシが届いたのです。どうやら、わたしの居住地域も、サービス範囲に入ったみたいです。512KBでモデムリース料も含めて、月6000円。まあまあの料金です。さっそく申し込みました。まだ詳細はわかっていませんが、年内にはサービスが開始されそうな雰囲気があります。とりあえずフレッツ・ISDNもはじめましたけど、CATVによる高速回線には強い魅力があります。開設に伴う打ち合わせがはじまったら、またレポートすることにしましょう。集合住宅ではないので、工事は楽だと思うんですが。
Vol.9 CD革命のアップデート。
アーク情報システムの仮想CD-ROMソフト「CD革命 Virtual」が5.Oになり、アップデート版が発売されました。わたしは1.1からのユーザーで、仮想CD-ROMは積極的に利用しています。当然、さっそくアップデート版を買ってきました。箱をあけ、マニュアルを読むと、過去のアップグレード版からはアップデートできない、と書いてあります。アップデートするには、最初に購入した製品版がないとだめなのです。このこと、箱の外側にはいっさい記されていません。きっと困った人がたくさんいるんだろうなと思いながら、わたしは旧バージョンのCD-ROMをストックの中から引きずりだしてきました。2.0の製品版です。先にも述べたように、わたしは1.1からのユーザーですが、その1.1は2.0の発売直前のもので、2.0がでたら、登録ユーザーにはすぐにそちらの製品版を送るとなっていました。そこで、わたしはあとで送ってきた2.0(それだけでインストールができる完全な製品版)をCD革命の標準CD-ROMとして保存していたというわけです。1.1は処分してしまったらしく、もうどこにもありません(記憶が薄れています。なにしろ、うんとむかしの話なのです。コンピュータ時間でいえば、先カンブリア紀あたりの出来事ですね)。
2.0が用意できたので、さっそくいま入っている4.2をアンインストールし、5.0のインストールに取りかかりました。途中で旧バージョンのCD-ROMを入れるようにというメッセージがでました。2.0を入れます。が、認識してくれません。これは製品版ではないと、インストーラが文句を言います。
おいおいおいですね。「これがだめってことはないだろ」という感じです。2.0のCD-ROMのどこにも「アップグレード」という文字はありません。これは絶対に製品版です。自動起動をオンにしているCD-ROMドライブに入れると、自動的にインストーラが起動するまっとうな板です。
アーク情報システムに電話をしました。何度かけても話中です。なかなかつながりません。それでも、しつこくかけ直していると、ようやくつながりました。事情を話します。
サポートの人に「その2.0が製品版かどうかをたしかめるため、テスト・インストールをしてもらえませんか?」と言われました。冗談ではありません。わたしは「仕事で使っているマシンです。こんな古いバージョンを入れて、システムがおかしくなったら、責任をとってもらえますか?」と訊きました。「無理です」と言われます。そこで、「そもそも、そちらが送ってきた製品じゃないですか。そちらで、どういうものをユーザーに送ったのか記録があるでしょう。それを調べればすむことだと思います」とたたみかけました。ここで、ようやくサポートの人は「ちょっと待ってください」と言い、チェックに行かれました。そして、すぐに戻ってきて「それは、たしかに製品版です。このインストール不具合に関する対処法をFAXしますから、それに従ってアップデートをやり直してください」と言われました。それでだめな場合は、1.1の製品IDを教えてもらえれば、あらためて製品版をお送りしますという補足付きです。もちろん、1.1の製品ID(シリアルナンバー。ユーザー登録葉書の片割れにプリントされている)は保管しています。こういうものは絶対に捨てないのです。これ、パソコンを扱う上での鉄則です。
しばらくしてから、FAXが届きました。一読して、わたしはあきれました。文章がでたらめです。手順が1番から7番までの箇条書きにしてあるのですが、なぜか3番がふたつあります。しかも、その記述が4番のそれと矛盾しています。さらに、主語がなくて、何がどうなのか内容不明の箇所もあります。バージョンをチェックする部分も意味がよくわかりません。
すぐに電話し直しました。当該箇所を指摘し、意味を問います。もちろん、サポートの人は答えられません。間違いだらけなんですから、説明のしようがないのです。
結局、指摘したすべてが記述ミスということになり、わたしは正しく書き直された対処法の再FAXを要求しました。しかし、アーク情報システムはアップデートで不具合がでたユーザー全員に、この欠陥文書を送っていたのでしょうか。だとしたら、みなさん、さだめし困ったことでしょうね。
対処法の修正版が届き、わたしはアップデートをそれに従ってやり直しました。修正版は、主語が抜けていた1か所以外は、みな意味がわかるように書き直されていました。先に送ってきたのは、ユーザーからのクレームが殺到したか何かで、よほどあせってつくった文書なんでしょう。ざっと読み返せば、すぐにわかるミスばかりなんですよ。まじに。
やり直しアップデートは、あっけなく終了しました。今度はちゃんと2.0のCD-ROMも製品版として認識され、問題なく先に進みことができました(そもそも製品版なのだから、当然である)。
CD革命Vのユーザーで5.0へのアップデートを考えている方、気をつけましょうね。まず自分の手もとに、むかし買った製品版があるかどうかをたしかめておかないとだめですよ。その上で、それでもアップデートできないことがあると思っていなければいけません。このアップデート版、仕様がちょっとへんなんです。アーク情報システムさん、もっときちんと旧バージョンの板を認識できるインストーラをつくってくださいね。おかげで、わたしはたくさん時間を浪費しました。原稿の執筆も大幅に遅れました。
ところで、今回、最初のアップデートに失敗したとき、システムを4.2のアンインストール前に復旧させました。Cドライブの復元に使ったのは、アーク情報システムの「HD革命 BackUp2」です。トラブルを同じ会社の他製品でリカバーする。ちょっと皮肉な話になってしまいました。
Vol.10 CD革命5.0削除。
さんざん苦労してアップデートしたCD革命 Virtualの5.0ですが、結局、4.2に戻してしまいました。
まず、ときどき仮想ドライブが消えてしまうんですね、この5.0。サポートに電話したら、CD-Rのライティングソフトが入っているときにそういう症状があるという報告がきていると言われました。でも、わたしのマシンにCD-Rは搭載されていません。しかも、仮想ドライブ全部が消えるのではなくて、いくつかランダムに認識できなくなってしまうんです。認識できなくなった仮想ドライブは、CD革命を起動し、仮想CD-ROMをイジェクトして、もう一度入れ直すと、復活します。とてもへんです。(^^;
しかし、それはまあ我慢できることです。困ったことですが、回避策があります。が、どうしても我慢できないことが起きてしまいました。
音楽CD-ROMからWAVEファイルをキャプチャーできないのです。キャプチャーソフト(AudiograbberやCD2WAVなど)を起動すると、仮想ドライブのいちばん若いアサインのドライブを読みにいってしまいます。ATAPIドライブは無視されます。ドライブを選択し直そうとしても、ATAPIドライブが認識されません。わたしの場合、ATAPIのDVDドライブ(パイオニアのDVD-115)をGにアサインしてあります。仮想ドライブはH〜Qになっています。このうちのHの中身をWAVEキャプチャーソフトが見てしまいます。Gはリストにでてきません。これでは、どうやってもキャプチャーが不可能です。どうなっているんでしょう。
というわけで、これまでと思い、5.0をアンインストールして4.2に戻しました。いやあ、4.2は快調です。WAVEキャプチャーもちゃんとできます。問題、まったくありません。なんでもバージョンアップすればいいってものじゃありませんねえ。しみじみ。
Vol.11 CD革命5.0、その後。
アーク情報システムのサポートに現象を伝えたところ、「それとは異なるが、べつの不具合がいくつかあり、それに対応したアップデートをおこなうので、そちらを試してほしい」と言われ、12月26日に登録された5.0bを入れてみました。しかし、依然としてATAPIのDVD-ROMは認識されません。そこで、27日にもう一度サポートに連絡したら、今度はわたしのところと同様の環境をつくって検証するので、FAXでハードやソフトの情報を送ってくれと言われました。面倒な話です。しかし、たしかに言葉だけでは伝えきれないので、状況を細かく書いてFAXしました。その回答がFAXで届いたのが午後6時過ぎです。サポート側で追試をして原因が判明したようです。Audiograbberが10台以上のSCSIドライブを認識できないのが原因であると書いてありました。CD革命は4.2までSCSI仮想ドライブではなかったのです。それが5.0からSCSIへと仕様変更をしました。そのため、この制限にひっかかってしまったということです。そこで、回答書に記されているとおり、仮想ドライブの数をひとつ減らしてみました。が、やはり、ATAPIドライブはドライブリスト一覧にでてきません。そのかわり、これまででてこなかったSCSI接続のMOドライブが出現しています。しまった。うちにはこれもあったんだ。……というわけで、もうひとつ仮想ドライブを減らしました。うう、減らすのはとてもつらい。将来のCD-ROMの追加ができなくなってしまいます。でも、やるしかありません。すると、ドライブ一覧リストにようやくDVD-115がでてきました。仮想ドライブ8(H〜O)+MO(F)+ATAPIのDVD-ROM(G)という構成でオッケイになったということです。SCSI接続のHDDも1台(D)入っていますが、そちらは影響を与えていないようです。なぜでしょう?
なお、CD2WAV32については、サポート側の検証で異常がでなかったということでした。SCSI機器が10台以上になっていても、実装CD-ROMが認識されたと書いてあります。これに関しては、5.0bでの不具合対処が効を奏したのかもしれません。わたし、5.0aではCD2WAV32でチェックしましたが、5.0bではAudiograbberの結果だけを見て、さっさと諦めてしまったのです。でも、いまさらドライブ数を増やして、その件をたしかめる気力はありません(面倒なんです)。とりあえず仮想ドライブが8台の状態では、たしかにCD2WAV32でもDVD-115が認識されました。が、曲をひとつ選び、録音ボタンを押したら「致命的なエラーが発生しました」というダイアログがでて、WAVE化に失敗してしまいました。トホホ。
ところで、仮想CD-ROMドライブのSCSI化って、何かメリットがあるんですか?
Vol.12 CD革命5.0、その後のその後。
結局、CDリッパーソフトに対応してもらわないと、ちゃんとした問題回避にならないと思ったので、Audiograbberのサイトに事情をメールしてみました。要はSCSIデバイスをもっとたくさん認識してくれってことです。もっとも、日本のソフトではないので、メールは英語で書かなくてはいけません。友人のありがたい協力を得て文面を用意し、送信しました。「外国はもうクリスマス休暇の時期。返事がくるとしても来世紀だね」と思っていたのですが……。しかし、返事はすぐにきちゃいました。びっくり。しかも、「聞いたことのないトラブルだけど、簡単に対処できそうなので、とりあえずテスト版をつくってみた。これをダウンロードしてテストしてくれ」などと書いてあります(たぶん)。さっそく、そのテスト版をダウンロードして使ってみたら、これがばっちりです。仮想ドライブのアサインをH〜Qに戻してやってみても、ちゃんとDVD-115が認識されます。というわけで、この問題は20世紀中にほぼ解決してしまいました。ああ、めでたい。なお、いちばん新しい返信によると、対応正式版のリリースは2001年の1月末になるそうです。