【ジュネーブ=市村孝二巳】イタリア、ギリシャで大規模なストライキが相次ぎ、国民生活に深刻な影響を及ぼしている。イタリアでは10日始まったトラック運転手のストでガソリンや食料品が底をつき、部品不足で操業不能に陥った自動車大手のフィアットは一時帰休を実施。ギリシャでは12日、交通機関、病院、銀行、学校、裁判所などの機能がまひする24時間ゼネストに発展した。
イタリアでは燃料価格高騰と労働条件に対する不満を爆発させた運転手たちが高速道路や料金所を大型トラックでふさぎ国中の物流がストップ。多くのガソリンスタンドが休業を余儀なくされ、スーパーマーケットからは生鮮食料品が消えつつある。事態を重視した政府は労組に燃料価格高騰への対策を約束、組合は12日、ストを中止した。
ギリシャではアテネなど主要都市で政府の年金改革に反対する数万人がデモに参加。労組は給付削減や支給開始年齢の引き上げに反発する構えだが、高齢化が進む同国の年金財政には欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)も立て直しを求めている。(16:04)