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政治決断ができない福田首相

内閣改造で強いメッセージを伝えることができるかどうか。できなければ、福田内閣が急場しのぎの内閣であるということがはっきしりしてしまう。そのことがわかると、自民党は本当に“ジリ貧”状態になるだろう。

薬害C型肝炎の訴訟でも、結局福田さんは政治的判断を示せなかった。小泉純一郎元首相はハンセン病訴訟の原告団に面会したが、福田さんはC型肝炎訴訟の原告団に会わなかった。患者団体から強く政治決断を求められても、「裁判を待つ」と言った。裁判を待つということは、政治決断をしないということだ。

北朝鮮問題でも政治決断をしない。政治決断をするには、「こうしよう」という強い主張がなければできない。福田さんは主張を持っていない。それが、だんだん国民に見えてきている。そういう意味でも“ジリ貧”なのだ。

この国会を終えたら、福田さんは内閣改造で自分の内閣をつくり、「自分はこうするんだ」ということを宣言しなければならない。それができるかどうかで、福田内閣の命運が分かれることになるだろう。

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。1987年から「朝まで生テレビ!」、1989年からスタートした「サンデープロジェクト」のキャスターを務める。新しいスタイルのテレビ・ジャーナリズムを作りあげたとして、1998年、ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞。また、オピニオン誌「オフレコ!」を責任編集。2002年4月に母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたっている。

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