サッカーJリーグはJ1、J2とも全日程を終了し、それぞれ鹿島アントラーズ、コンサドーレ札幌が優勝するという結果に終わった。また優勝争いだけではなく、J1、J2の昇降格争いも十分に盛り上がり、J2で3位だった京都サンガが、入れ替え戦で名門・サンフレッチェ広島を下すという面白いシーンを演じてくれた。
ところが、J全体の盛り上がりに水を差す現実も存在した。J2下位クラブの観客数低迷だ。 全日程を終了し、J2の13クラブ中、成績で下位4クラブは愛媛FC、ザスパ草津、水戸ホーリーホック、徳島ヴォルティス。なかでも水戸は、ホームゲームでも平均2400人程度しか観客数を動員できておらず、とてもではないが浦和レッズやアルビレックス新潟と同種の存在とは位置づけられない。そしてこの4クラブはすべて、最近JFL(3部リーグ)から昇格してきたクラブなのだ。 ご存知のように、Jリーグには崇高な理念がある。地域社会に根ざしたプロスポーツクラブを全国に普及させ、地域全体のスポーツや文化、福祉などに貢献する。各Jリーグクラブがコミュニティの核となるような存在になり、市民の心身の健全な発達を促す。 このJリーグの試みは、プロスポーツとはただの「興行」と考えていた人々の、スポーツに対する考えを大きく変えた、画期的なものである。そして、そのような「Jの理念」を実現するには、クラブ数を増やす以外にない。 しかし、J2下位の現状を見ると、各クラブは地元から大した人気など得ておらず、地域振興にもほとんどなっていないという現実がうかがえる。J2下位チームの選手、フロント、サポーターは、下位リーグへの降格もないから、危機感すら感じていないのではないだろうか。 そこで提案である。J2下位クラブとJFL上位クラブの入れ替えを行ってはどうだろうか。そうすれば、J2の下位争いもし烈になり、試合も白熱。興行的にも盛り上げやすくなる。 もちろん、企業スポーツ(実業団)をJリーグに上げるわけにはいかないから、Jリーグ準加盟だけを昇格の対象にすることになるが、そのような改革をした方が、本気度の高いクラブがJFLに増えるだろう。そして、「Jリーグ」を名乗っても恥ずかしくないクラブが多くなれば、そのときにJ3を設立すればいい。 Jリーグの理念そのものには反論の余地はない。しかし、現時点では、何のためにクラブ数を増やしているのか分からない。
総合20点(計18人)
※評価結果は定期的に反映されます。
|