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【岐阜】

土岐総合病院の常勤医2人が辞職の意向 夜間救急に影響懸念

2007年12月13日

 土岐市立総合病院(榊原聰院長、土岐津町)の整形外科で、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)から派遣されている常勤医師3人のうち2人が、本年度末で辞める意向を病院側に伝えていることが分かった。同科の医師は現在、4人の非常勤を含め7人おり即座の休止はないとみられるが、非常勤医師はいずれも主に午前中の外来担当で、夜間の救急医療や近隣病院への影響が懸念される。

 2人の常勤医師はともに30代で、2週間前に辞職の意向を伝えた。大学の人事や個人の事情などが理由という。藤田保健衛生大からの派遣は20年以上続いていた。同科は昨年度、常勤医師が4人いたが、大学側の人事で1人減ったため、本年度は代わりに非常勤を1人増やした。

 辞職の意向を受け、病院側は、代わりの常勤医師獲得に動いているが、現在のところ見通しは立っていない。補充できなかった場合の対策は「現状では白紙」という。

 土岐、瑞浪2市の救急患者で手術や入院が必要な場合、同総合病院と東濃厚生病院(瑞浪市)が交代で診る「二次救急輪番制」を採っている。両病院で対応できない重篤な場合は、県立多治見病院(多治見市)に搬送される。交通事故などで同総合病院に救急搬送されるのは、月平均約40件。夜間救急ができなくなれば、その分も厚生病院や多治見病院に搬送されることになるが、両病院の関係者は「パンクは必至」と話す。

 土岐市立総合病院は昨年9月中旬、常勤医師が相次いで辞め、産科が休止に追い込まれた。別の病院関係者は「産科が休止になった時と状況が似ている。地域全体として抜本的な対策を採らないと、地域医療の連携が崩壊してしまう」と危機感を募らせている。

 (志村彰太)

 

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