【シドニー13日共同】オーストラリアのラッド首相は13日、日本の調査捕鯨に関し、将来国際裁判所に提訴する可能性に言及、証拠集めのため南極海にオーストラリア軍の船を派遣し、日本の捕鯨船団を追跡、写真撮影などを行うことも辞さないと語った。

 同首相が党首を務める労働党は、先月の総選挙で政権を奪還する以前から、日本の調査捕鯨監視のため軍偵察機を派遣する方針などを示していたが、ラッド氏が首相就任後、この問題に言及したのは初めて。

 気候変動枠組み条約の第13回締約国会議(COP13)出席のため訪問中のインドネシア・バリ島で記者団に語った。

 首相は「クジラ保護に関するわが国の国際的責務を真剣にとらえている」とした上で、国際裁判所に提訴する場合に備え、日本の捕鯨活動のデータを集める方策を考えていると述べた。首相は政府の具体的計画を来週発表するとしている。

 日本の捕鯨船団は11月中旬、南極海に向け下関港を出航した。