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【三重】

「地域で子育て」根付く 紀伊長島の小児科、支援事業7年目

2007年12月13日

サークル活動で交流する利用者の親子=紀北町紀伊長島区東長島のかとう小児科で

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 紀北町紀伊長島区東長島のかとう小児科で、子どもを預かってほしい「依頼会員」と引き受け手の「提供会員」を仲立ちする子育て支援事業「ママダス」が7年目を迎えた。利用者は同町を中心に増えており、同医院は「地域ぐるみで子育てをする意識の高まり」と手応えをつかんでいる。

 事業は、保育士が勤務する同医院の子育てサポートセンターが仲介し、提供会員宅で子どもを時間、1日単位で預かる。県内でも先駆的な取り組みとして2001年に始まり、県、町の補助事業として続いている。

 依頼会員は、仕事や用事などで生後約2カ月から小学6年生までの子どもを預かってほしい母親が中心。提供会員は子育ての経験がある20−60歳代の女性が多い。

 依頼会員の支払額は平日で1時間300円。開始時から500円値下げされたこともあり、今年11月には52件の利用があった。提供会員の報酬は平日1時間当たり800円。11月末現在の依頼会員は71人、提供会員は30人。両方を兼ねる人も26人いる。

 両会員の面談などを調整する保育士服部純佳さん(43)は「子育てや生活に関する情報交換ができ、心強いと言う人が多い。転勤族の奥さんの利用も増えている」と話す。

 また、センターでは週2回、近所に同年代の子どもがいない親子らが集まるサークル活動も手掛けている。11日には親子14人がクリスマスツリーに飾り付けをし、備品の遊具で遊んだ。

 資格、特技を持つ母親を講師に教室を開いたり、看護師が保健相談に乗ったりすることも。1歳8カ月の娘を連れた主婦(29)は「子ども同士で遊ばせたかった。助かる」と笑顔を見せる。

 同医院の加藤康子医師(55)は「過疎と高齢化、少子化の地域だからこその子育ての難しさがある。医療機関の立場から、困っているお母さんに寄り添いたい」と指摘。その上で取り組みを通じた交流が“親育て”にもつながっていると話す。

 センターは木、日曜日と祝日休み。問い合わせはセンター=電05974(7)3352=へ。

 (相馬敬)

 

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