2007年12月13日13時17分
学生時代の反戦運動参加で執行猶予付き有罪判決を受けたことが発覚し、約27年後に失職とされた元郵便局員の稲田明郎さん(57)が、郵便事業会社に地位確認などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷は13日、男性の上告を棄却した。
「禁固以上の有罪が確定すれば失職」とする国家公務員法の規定を根拠に稲田さん敗訴とした1、2審判決が確定した。
横尾和子裁判長は「失職規定は公務に対する国民の信頼確保が目的。失職理由がある事実を隠し通して勤務を継続したにすぎず、失職とすることが信義則違反とは言えない」と判断した。裁判官5人中4人の多数意見。
泉徳治裁判官は「執行猶予期間が経過した2年後には失職理由がなくなり、その後4半世紀も無事勤務を続けた。公務から排除すべき必要性は消失した」との反対意見を付けた。
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