地域における医師不足の解消が求められる中、民主党の菊田真紀子衆議院議員は12月12日、衆院厚生労働委員会で質問に立ち、外国人医師の医療行為を可能とする新潟県の特区提案を認めるよう、舛添要一厚生労働大臣に求めた。舛添大臣は「言葉の問題を指摘する声もあるので、あらゆることを含めて議論したい」と慎重な姿勢を見せた。
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外国人医師の活用を特区提案/新潟県
日本の医師免許を持たない外国人医師による医療行為は現在、認められていない。しかし、日本では、医療技術を学ぶ多くの外国人留学生や研修医を毎年受け入れている。新潟県でも、1983年に中国黒龍江省と協定を締結。新潟大学附属病院やがんセンターで計94人の受け入れ実績もあることから、同県は今年11月、日本への留学経験などがある外国人医師について、診療や言語の能力を担保した上で、へき地などでの医療行為を可能とする特区の創設や規制緩和の実施を求める提案書を内閣官房構造改革特区推進室に提出している。
菊田議員は、このような新潟県の特区提案を「医師不足解消の一助になる」と評価した上で、舛添厚労相に見解を質した。
舛添厚労相は「初めからノーとするわけではないが」と前置きした上で、希望する外国人医師に指定病院で診療を伴う研修を許可する「臨床修練制度」がすでにあることを紹介。「これを活用すれば対応できるのではないか」と回答するとともに、知事会から「日本語ができない人よりもやはり日本人に診てもらいたい」といった意見が出ている点に言及するなど、「いろいろなことを含めて検討を進めたい」として慎重な態度を示した。
菊田委員はこれに対して、臨床修練制度について現在までで62人しか活用していないことを指摘し、「新潟県のように医師不足に悩む地域に生かすことが可能かどうか」と反論。
また、この提案に関係する他の省庁として、特区推進室と法務省が「法令上問題ない」と話したのを確認した上で、菊田委員は提案の是非について「厚労省次第」と発言。「外国人医師に頼らざるをえない地域の実情を理解して、提案を認めてほしい」と要望した。
舛添厚労相は要望を受け、「安易に日本人医師が足りないから外国人医師を受け入れるのではなくて、しっかりと日本人医師を育てた上で、優れた外国人医師に門戸を開いていけるような仕組みが構築できるよう議論する」と答弁した。
更新:2007/12/13 キャリアブレイン
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