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【静岡】浜松市のリハビリ病院運営問題 08年度以降引き継ぎ『聖隷』と協議か2007年12月13日 医師不足が深刻化している浜松市リハビリテーション病院(同市中区和合町)の運営問題で、市が2008年度以降、同病院の管理や運営にあたる指定管理者を現在の市医療公社から、民間の医療機関に引き継ぐ方針であることが12日、分かった。市は同日に記者会見し「市内の8病院にリハビリ病院の管理運営を行う意向を打診した結果、一病院が市の要望を受け入れる意思を示した」と発表した。 本紙の取材に対して、市内に聖隷浜松、聖隷三方原の二病院を持つ社会福祉法人「聖隷福祉事業団」(本部・同市中区元城町)を除く六病院が「市の打診を断った」と回答しており、同事業団が運営受託に向けた協議に応じたとみられる。聖隷福祉事業団は「市への回答の内容はお答えできない」としている。 リハビリ病院は、2007年度当初に10人いた常勤医の数が、退職によって現在2人まで減少。リハビリ専門の常勤医は1人もおらず、内科の常勤医2人と非常勤の医師4人での運営を強いられ、医療の質を確保できない状態が続いている。 市は、医師不足のほか、同病院の累積赤字が07年度末で約8億円に上る見込みであることを考慮し、市医療公社を運営から撤退させることも視野に検討を開始。10月上旬には、運営改善を公社に勧告したが、公社は「新たな常勤医を確保するのは難しい」などを理由に、現状の規模での病院運営は困難だとする見解を示していた。 市は11月26日付で、聖隷福祉事業団の二病院のほか、浜松労災病院、遠州病院、浜松赤十字病院など計八病院に対し「地域医療の拠点機能を維持し、リハビリ専門の常勤医を確保すること」を条件に08年度から3年間、リハビリ病院を運営管理する意思を尋ねる調査書を送付し、回答を求めていた。 今回の方針について、市は「12月中に選定委員会を開催して申請書類を審査する。1月上旬をめどに新たな指定管理者を選定したい」(健康医療課)と説明。運営を引き継ぐ医療機関が確定した場合は、市議会2月定例会に指定管理者変更の議案を提出するとしている。
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