綾田成樹事務所(福島)
福島県喜多方市関柴町下柴1106-20
TEL.FAX 0241-24-3066
中村和史事務所(新潟)
新潟県新潟市豊栄東栄町2-1-34
中島博史事務所(群馬)
群馬県沼田市久屋原町143 シティハイツD-105


岡山県 中桐裕訓さん
事故の説明 ⇒平成14年12月21日(土)午後10時47分ころ岡山市横井上の市道を自転車でアルバイトから帰宅途中に、後方から来た飲酒暴走の軽乗用車に追突され娘の裕子は亡くなりました。
 警察の追突角度は概ね25度との捜査報告書により、検察も避けられない事故として十分な捜査が行われないまま不起訴処分となりましたが、その追突角度には被害自転車に多くの疑問な追突痕跡があって納得ができない処分でありました。

依頼人の声 ⇒ 娘は12月12日に19歳になったばかりで、大学生活と初めてのアルバイトで楽しい毎日を送っていました。突然、病院からの電話で娘が危篤ですと言われ、病院に駆けつけると変わり果てた娘の姿に言葉を失いました。
その時、加害者の母はお宅の娘さんが突然道路を横断したので追突しましたと言われ返す言葉もありませんでした。
 翌日の新聞には加害者は18歳の未成年(高校生)の女性で娘が道路を横断中に追突され死亡したことが掲載されており、飲酒暴走運転(制限速度40Km/時速を70Km/時前後)で車を運転して事故を起こしたことには触れていなかった。
警察の交通事故捜査課の説明でも、娘が道路を横断中に追突されこの事故は避けられない事故であったように説明された。
その後、加害車両と娘の自転車は直接レッカー会社が持ち帰っており、早々に自転車を引き取って観察してみると警察の言う追突角度概ね25度には、説明のつかない多くの追突痕跡が発見されました。

 事故前の12月5日に普通車免許証を所得したばかりで自転車の夜間走行にも日頃から慎重であった娘のことを考えると、後方の確認もなしに道路を横断するような行動は考えられないことから、追突角度について検察庁へ上申書を2回申請して、図示と写真で追突角度は12.5度以内であることを説明して、加害者が飲酒暴走、前方不注意運転を行っていなければこの事故は避けられたとの意見書を提出した。
 しかし、岡山県警察本部科学捜査研究所の立会いで行った実況見分の調書にも、車と自転車を25度の追突角度に合わせた写真を撮っただけで、最初から追突角度について真摯に調査したとは思えなく、つじつま合わせのような実況見分調書であった。
 その後、検察庁から加害者の業務上過失致死につき不起訴としたとの通知があり、娘が突然横断して避けられない事故であったということになりました。
娘の自転車を観察するたびに、警察の調査報告書にある追突角度25度は納得できないし、多くの追突痕跡からなんとか証明できないか模索している時に、岡山県の道広絹代さんの交通死亡事故を鑑定された綾田成樹事務所のホームページに出会いました。
 一報を入れると、加害車両と被害自転車はありますかと問われ加害車両は処分されていますと答えると、鋭い声で処分されたことを確認されましたかと問われ最終確認をしていないことに動揺しました。

早々に事故現場の調査を行っていただき、自転車をあらゆる角度から地べたに這いつきながら観察した後に、多くの追突痕跡がありますよと言われ真後ろから追突された可能性が高いので福島県の事務所まで自転車を送るように言われました。
その後、事務所でスタッフと詳細な鑑定をされた結果が鑑定書として報告され、私が当初から不審に思っていた自転車後輪に残された加害車両の塗料痕跡と自転車スタンドの関係、真直後方からでないと残らない痕跡、さらに真直後方から重心の低い位置を追突(引っ掛けられ)され右方向にまくい込まれるような自転車の動きを図解でリアルに再現して、警察の報告書にある追突角度の概ね25度ではなく、真直後方からの追突以外に説明がつかないことを証明していました。
このことは、娘の自転車を前方に確認しておきながら酒気帯び運転による暴走運転により、真直後方より娘の自転車を追突して死に至らしめた業務上過失致死について起訴されるべき交通死亡事故であるとの確信を得たので再審査会へこの交通事故調査鑑定書を添付して再審査の請求を行いました。

綾田成樹 事務所のホームページに出会ったことは、娘の無念を何とか晴らしたいとの一念と真実を知りたいとの願いを叶えることができて、本当に良かったと感謝の気持ちでいっぱいです。今後、検察審査会の結果がどうなるか分かりませんが民事訴訟も考えて頑張って行きますので皆様のご支援を宜しくお願い申し上げます。

綾田 成樹 様

 お世話になります。岡山の中桐ですご無沙汰しています。「うれしい報告です」。本日付けで検察審査会の結果が通知され「本件不起訴処分は不当である」との審査会の決議がされました。
議決の理由に、「検察官は追突角度25度と見ているが、民間第三者による鑑定結果によれば、その追突角度は真直後方からの追突である可能性も十分ある」との記述もあって、本審査結果において鑑定書が大きく寄与したことは明らかです。
娘の無念を少し晴らすことができたと思います。本当にありがとうございました。今 後、再捜査と民事でも色々とお世話になりますが宜しくお願い申し上げます。

綾田成樹 事務所 御中 

                依頼人  中桐 裕訓(被害者の父)  

平成17年4月21日に検察審査会の不起訴不当を受けて、検察の捜査が行われ、平成17年12月22日に再度不起訴となりました。

検察はその不起訴理由として、検察が事故鑑定を依頼した牧野隆氏の事故鑑定書(以降牧野鑑定書)では、その衝突形態は警察の捜査報告書にあるとおり、その追突角度は概ね25度程度と推定されるとする鑑定結果を持って、科学的な鑑定であるとしています。

 その後、情報公開を求めて開示された、その追突角度は概ね25度について鑑定された牧野鑑定で、加害車両、被害自転車等に衝突により直接印象される直接痕は、衝突態様の一部または前部を解明できると記述しています。
 しかし、綾田成樹氏鑑定書(以降綾田鑑定書)で鑑定している被害者自転車に印象されている多くの直接痕を、小さな加害車両の写真で図示して自転車のスタンドを後方より追突したという痕跡が無いとして、その他の直接痕跡を全く鑑定していないのです。

 綾田鑑定書にある物証による鑑定(現象鑑定)は、加害車両と被害者自転車の双方に印象されている7箇所以上の擦過痕を、相互に照合し合致することを証明して、真直後方からの追突であることを物証により力学的に証明しています。

牧野鑑定書では、自転車のスタンドを真直後方から追突した痕跡が加害車両のバンパーに印象されていないということについて、加害車両の写真を拡大してその箇所に追突痕跡があることと、更に自転車後輪の泥除けステーを後方から押し込んだ痕跡を加害車両の前部左側に発見して、新たな物証として検察審査会に再度の審査申立てを行いました。

その結果、検察審査会は平成19年5月25日に再度の「不起訴は不当」であるとの議決をしました。
 検察審査会における2度に亘る不起訴不当の議決は、起訴相当に相当すると受け止めています。
 牧野鑑定書にある、追突角度は概ね25度との鑑定が真実なら、これら印象されている直接痕跡を照合して証明していただきたいと思います。
加害車両と被害者自転車の双方に、衝突により印象されている多くの直接痕を無視した鑑定書に対して、綾田成樹氏の提唱する衝突によって双方に印象されている直接痕による現象鑑定を真摯に行っていただければ、必ず真実は解明できると信じて検察の再捜査結果に期待しています。