岡山市横井上の市道で2002年、近くの短大生中桐裕子さん=当時(19)=が酒気帯び運転の車にはねられ死亡した事故で、岡山検察審査会は12日、業務上過失致死容疑で書類送検された当時高校3年の女性(23)=同市=を不起訴とした岡山地検の処分について、異例となる3度目の不起訴不当を議決した。
公訴時効(5年)が21日に迫る中、審査会は「優先して審査した」と説明。議決で「酒気帯び運転が事故の予見や回避を妨げたと考えられる。人の死という重大な結果があるにもかかわらず、不起訴となるのは納得できない」と指摘した。
女性は02年12月21日午後10時45分ごろ、酒を飲んで軽乗用車を運転し、中桐さんをはねた。03年8月、道交法違反罪(酒気帯び運転)で罰金20万円の略式命令を受けたが、業務上過失致死罪は不起訴(嫌疑不十分)となった。
中桐さんの両親からの申し立てを受け、審査会は05年4月に最初の不起訴不当を議決。地検は「被害者が斜めに飛び出したのが原因」などとして05年12月、07年10月に不起訴とした。中桐さんの両親は11月19日に3度目の審査を申し立てていた。
民事では、岡山地裁が今年8月、女性の過失責任を認め、約7700万円の損害賠償を求める判決を出している。