福岡市発注のごみ焼却炉建設の指名競争入札で談合し、市に損害を与えたとして、市民オンブズマン福岡が入札参加5社に対し、約29億8000万円を市に返還するよう求めた住民訴訟で、同市は11日、福岡市長が談合で生じた損害額を企業側に賠償請求しないのは「違法」とする一審判決を支持した福岡高裁判決について、判決を受け入れ、上告を断念することを決めた。

 上告断念について市は「控訴審で判決内容は覆らなかった。住民利益の観点からも判決を受け入れる判断をした」と説明している。今後、市側の損害額を確定させ、5社に損害賠償請求する方針。

 判決は、1996年のごみ焼却施設(同市東区)の入札で参加5社の談合を認定。落札価格(約298億円)の7%となる約20億8800万円を損害額とした。

=2007/12/12付 西日本新聞朝刊=