プロによる「絵を上手くする方法」発言まとめ

プロが発言し、ソースも確認できる「絵を上手くする方法」をまとめました。

070718:公開
070902:荒川弘、ドラクロアを追記。
071208:葛飾北斎、佐藤友生、月山可也、寺島祐二、遠野ノオト、奈央晃徳、やきうどん、安田剛士、渡辺静を追記。
071209:高岡孝太郎、中島直之に追記。


絵を上手くする方法といえば、代表的なのは模写とデッサンですが、この二つ、よく思い出してみると、実はプロが直接勧めてた記憶がないんですよね。いつのまにか常識として頭に入っていて、疑うこともありませんでしたが、 誰の発言か、本当のところはよくわからないんですよ。

なので、ためしに、プロの絵師・漫画家が発言して、かつソースも確認できる「絵を上手くする方法」を集めてみました。大体50音順で並べてあります。

これで完成というわけではなく、新たな情報が入り次第更新していきたいと思ってますので、「この人がこんなこと言ってたぞー」という情報募集中です。

 


荒川弘(漫画家)

「――漫画家になろうと思ったのは、いつごろですか。

「小さいころから、漫画なり絵なりで食べていけたらいいなあ、と思っていた。学生時代は、いわゆる“教科書の落書き”レベルだったんですが、卒業後は実家の農業を手伝いながら油絵を習ったり、歴史好きの友だちと『三国志』の同人誌を作ったり。ライターをしている友人に誘われて、競馬雑誌に4コマ漫画を描いたりもしました。でも、本格的なストーリー漫画を描いたのは、デビュー作になった投稿作品が初めてです」

(Yahoo!ブックス インタビュー 荒川弘

 


一本木蛮(漫画家)

「(絶対にまんが家になりたい。どうやったらうまくなるの? と聞かれて)
デッサンから、あせらずみっちりやりましょうとはいいません。そりゃあ、やるにこしたことはないけど、あなたは絵がうまくなりたいんじゃなくて、まんががうまくなりたいんだもんね。好きなまんがをたくさん模写しましょう。いままでなんども触れてきたようにまんがの絵の上達は、好きな作家の模写。それも、一人ではなく複数。多ければ多いほどいいのです。気にいったポーズやシーン、表情。描き写すのが難しいのなら、上からトレーシングペーパーをあてて、なぞることからはじめてもいいです。絵はこれだけでどんどんうまくなるので、どんどん作品を描いてみてください。」

(「マンガ 応用テクニック講座」 美術出版社)

 


井上俊之(アニメーター)

「当時(アニメーターになる前)は、俺はいわゆるアニメっぽい画はほとんど描いてなくて、クロッキーばかりやっていたんだよ。」

(WEBアニメスタイル animator interview 井上俊之(1)

「(アニメーターになられる前に一番勉強されていたことは何ですか? と聞かれて)
専門学校時にやったクロッキーでしょうか。」

(P.A.works Q&Aその2・・・アニメーター志望者からの質問26

 


大塚康生(アニメーター)

「フルアニメーションでは、特別な教育が必要なのは昔とかわっていません。しかも「歩き」「走り」といったありふれた動きの解釈、細部でさえも考え方の違いがありますから、今でも先生によって流派が異なる「徒弟制度」といっても過言ではありません。」

「私は、「石にかじりついてでも、人より多く枚数を描くことしか、人よりうまくなる方法はない」と大工原さんがチラッと洩らしたことばを実行してみようと思いました。天才でもない限り、うまく描くための近道があるわけがないのです。
確かにそのとおりで、アニメーターになって何年か経ってみると、動画を描くのが早い人というのは、結局、上達も早い、という漠然とした”公式”があることを発見しました。」

「同じスタートラインについた新入生は、アニメーションのノウハウ、あらゆる場面を想定した原画の描き方、カメラワーク、移動の仕方、セル操作、画面処理のテクニック、その他を、担当したカットを消化していく過程で覚えていくものです。ですから、1年で100カットやった人と、200カットやった人では、その”経験量”の差が倍の力の開きを生じさせてしまうことになります。3年経つと、それはもっと巨大な差になっていきます。系統的にいろいろな原画を分析、研究し、積極的にカットを選ぶ人と、サラリーマン化して惰性でやっていく人では、2、3年経つと大きな経験差が生まれます。」

「当時の私は、受け身になったら損をするという気持ちが強く働いていましたので、一応勉強方法として”人の嫌がるカットを人より多く描く”ことを決めていました。
『ハヌマン』のフィルムコンテがあがったのは、1957(昭和32)年5月10日のことです。私はここは積極的に挑戦すべきだと考えて、フィルムコンテの中から特に厄介そうなカット、カメラワーク、枚数が多いもの、そして、自然現象や群集などのカットを選び、「私にやらせてほしい」と頼むことにしました。」

「そういう世相(昭和初期、子供たちみんなが兵隊さんになりがたる時代)の中で、なぜか私は絵を描くことに夢中になっていました。小学生の終わりごろから、蒸気機関車をスケッチしていました。戦争が終わってアメリカ軍が町にやってくると、今度はジープに夢中になって克明なスケッチをはじめています。」

(「作画汗まみれ 増補改訂版」 徳間書店)

 


葛飾北斎(浮世絵師)

「自分は六歳から物の形を写す習癖があり、五十歳のころからしばしば画図を描写したが、七十歳前にえがいたものにはとるにたる作品はない。七十三歳になってようやく禽獣虫魚の骨格、草木の生え具合をさとることができた。したがって八十六歳で画業はますますすすみ、九十歳でなお絵画の奥義をきわめ、百歳でまさに神妙の域に達しようか。百十歳では一点一画生けるごとくなろう。願わくば長寿の君子、わたしのこのことばの妄言でないことをご覧になっていただきたい。」
*「富嶽百景」序文を現代語に直したもの

(「北斎の謎を解く」 吉川弘文館)

 


菅野博之(漫画家)

「(簡単にはやく、デッサンが上達する方法はないですか と聞かれて)
(デッサンの狂いも味のひとつだと思うけど)どうしても気になって悩んじゃうんなら、たくさん描くしかない。簡単に、早く上達する方法なんかないよー。

(中略)

で、デッサンの練習法だけど、まず、漫画の絵をマネして描いちゃダメ。実際の人物を見て描いた方がいい。

----写真の模写でいいんですか?

うん。私は写真よりはナマの人物を描くほうがいいと思うけどね。デッサンって人間の骨格がわかってくるとうまくなるの。骨に対する筋肉のつき方とか。最初は動きのある絵ってなかなか描けないよ。何でうまく描けないんだって思ったら、たくさん描くしかない。

----どんくらい描けばいいのかなー

人間の全体像を三千人ほども描けばどうにかなるでしょう。

(中略)

描け! というわけじゃなくて、それだけ描いてダメなら、もうしょうがないってことです(笑)。でも、とにかく絵を描きまくる時期っていうのは、必要だよ。これはマンガ絵でいいからさ、一週間に百枚から二百枚くらい描けば、半年くらいで納得のいく絵がかけるもん。

----それは体験談っすか?

そうだなー 」

(「快描教室」 美術出版社)

 


小林七郎(アニメーション美術家)

「このように、すべての表現には、単純化は欠かせないものと考えて良いのですから、絵を描く具体的技術は、単純化の技術であると言っても過言ではありません。
物を見て、観察して、理解して、単純化を続けながら描いていくこと、これが写生なのです。 」

「優れた作品の模写をすることもひとつの方法です。良い結果がどのような過程を重ねて成り立っているかを、追体験することもきわめて有効な方法です。」

「観て描き、正しく理解し、見ないでも描きたいものが自由に描けるようになるために、基本的な理解(*)を土台として、しっかりかためたうえで、伸び伸びした方向に向かってください」
*立体を基本形に置き換えることや、光源設定の基礎などが、本の中で語られている。

「感動に形を持たせる、この能力を養うために、自然物の写生を正しく繰り返して行うべきであり、ものを立体的に意識してとらえることを、正しいデッサンの第一歩とします」

(「アニメーション美術」 創芸社)

 


佐藤友生(漫画家)

「(画力向上のために、オススメの練習法は? と聞かれて)
私の場合、その画面にあった音楽を聴きながら絵を描くと、のびのびしたいいものが描ける気がします。」

(週刊少年マガジン2007年39号 講談社)

 


月山可也(漫画家)

「(画力向上のために、オススメの練習法は? と聞かれて)
写真の模写。あと、ぜひアシスタントをしよう! きっと上手くなるから!!」

(週刊少年マガジン2007年39号 講談社)

 


寺島祐二(漫画家)

「(画力向上のために、オススメの練習法は? と聞かれて)
模写・アシスタントで勉強。」

(週刊少年マガジン2007年39号 講談社)

 


寺田克也(イラストレーター・漫画家)

「自分は突出した人間だとは思ってないから。ただ人よりいっぱい描いてきてるという自負はあります。学生の時によく「寺田は絵が上手くていいな」とか言われましたけど、それは違うだろと。じゃあ、お前はオレの倍描いてるのかと。全然描いてないじゃん。何もしてないのに「いいな」と言われてもね、「ちょっと殴っていい?」って感じですよ(笑)」

(コミッカーズ第21号 美術出版社)

*本のアオリ文句
「落書き帳一万六千ページから厳選」

(「寺田克也ラクガキング」 アスペクト)

*イラストレーター、米田仁士氏の発言
「アニメージュ文庫に「作画汗まみれ」という本がある。その中に著者のアニメーター大塚康夫氏が「石にかじりついてでも、人より多く枚数を描くことしか、人よりうまくなる方法はない」という先輩のちらっと漏らした言葉を聞いて「実行してみよう」と決心する下りがある。

 そこを読んでいて、自分は「う〜ん、そりゃそうだけど、なかなか出来る事じゃないよな」と思った。後年、そんなことを本当に実行している男に出会った。ウソみたいに絵が上手かった。

 男の名前は寺田克也という。
  寺田さんの家に遊びに行った時に「落書き」と称する、大量の絵を見せられた。どれもこれも舌を巻くほど上手い、そのデッサン力と質感描写には完全に圧倒されてしまった。
 下書きもなしにいきなり描き進めてゆくという絵は、魔術としか思えない。しかしこの魔術には種がない。徹底した修練のなせる技だ。」

(H.Yoneda's Homepage 不可能を可能にする、たったひとつの冴えたやり方

 


遠野ノオト(漫画家)

「(画力向上のために、オススメの練習法は? と聞かれて)
方法というか…反省と向上心を胸にひたすら描きまくる?」

(週刊少年マガジン2007年39号 講談社)

 


ドラクロア(画家)

*イラストレーター、永沢まこと氏の言葉
「ドラクロワという人は、生涯いつも小型のスケッチブックを持ちあるき、何かあるとすぐスケッチしたり、いたずら描きをしたそうです。」

(「絵を描きたいあなたへ」 講談社α文庫)

 


奈央晃徳(漫画家)

「(画力向上のために、オススメの練習法は? と聞かれて)
こっちが教えてほしいくらいです(泣)。いろんな人のイラストを見ることにしてます。」

(週刊少年マガジン2007年39号 講談社)

 


永沢まこと(イラストレーター)

「絵がうまくなるための方法を、三つに絞ってみますと、
その一、何を描くときでも「実物」を見て描くこと
その二、何を描くときでも「線」でカタチをとること
その三、「色」を塗るときは理性を捨て、心を開くこと
ということになります。これを「入口」における鉄の三原則と考えてください。 」

(「絵を描きたいあなたへ」 講談社+α文庫)

「一、「線」は必ず「実物」を見て描くこと
初めての人でも、線で描けばけっこう早くモノのカタチがうまく描けるようになるものです。
そこで「実物」を見る、ということを忘れ、線の「サラサラ描き」に軽く色を付けた絵だけを描くようになってしまう人がいます。
線で描くことは、「実物」を穴があくほどよく「観察」した上で発見したものをペン先で紙の上に、いわば翻訳するようなものです。
見ることを忘れて描くということは、記憶とか概念でしか描いていないことであり、まるで原本を見ないでいいかげんに翻訳することと同じです。よくよくモノを見つめれば、だれにでも「線」は見えてきます。そして見るほどに線の数は多くなるものです。「描き込み」するようになります。
とくに初心者は、できるだけ細かく「描き込み」をしなければなりません。
「サラサラ描き」はそうした描き込みを百枚、千枚と描いた人が、旅先など時間がないときに行う、いわば余技のようなものだと考えてください。」

(「絵を描きたいあなたへ」 講談社+α文庫)

「『まず三十枚を描くこと』

古今の一流と呼ばれる画家たちは、その絵のスタイルも境遇も様々ですが、案外知られていない共通点が一つあります
それは彼らが代表作の影で人並みはずれた「数」の作品、デッサン、スケッチ、習作を描いたということです。
画家については、その才能や幸運さなどがよく語られますが、この点については意外と知られていないものです。
私は、「うまくなるコツ」がもしあるとすれば、実はほとんどの人が気づいていない、この「数」にあるのではないかと、かねがね思っていました。もちろん、数さえ多ければいいということではありませんが……。
具体的にいえば、あなたが、これからもし描き続けるとしても、軽くチョコチョコッと描いて色を塗った程度の絵では、いくら描いても「数」には入らないのです。
初めは、F4サイズ。慣れたらF6サイズ以上の紙に、自分で「これが今の精いっぱい」と思うまで描いた絵を、自分の「数」として数えることです。
その絵は、得意なテーマを決めてのシリーズとしてもいいし、ニガ手克服ものをテーマとしてもいいと思います。
そして、まず三十枚きっちり描いてみてください。もちろん、一人の力で。」

(「永沢まことのとっておきスケッチ上達術」 草思社)

  


西村博之(アニメーター)

「ほとんどの場合、形が上手く描けないのは、その形が解ってないからです。既成概念(思いこみ)や、色、表面の質感、立体感といった雑多な情報が形の正確な把握を妨げています。(現段階では)線で描けない情報に関しては一切無視し、「抜き型」のみに注目するようにしましょう。

  普段から身の回りのものをこの「抜き型」として観るようにして、形に対する感覚を磨きましょう。余分な情報を上手く省き、必要な部分のみに注目することで物事の理解はずっと優しいものになります。

描く作業の前に、まず、描くべき対象を正しく観て、そして理解することが大切なのです。 」

(WESTVILL GRAPHICS column

 


宮崎駿(アニメ映画監督・アニメーター・漫画家)

「漫画を描くためのモラトリアムとして大学に行った。修行のため、近くの佐藤先生のアトリエに通い始めた。
先生は中学時代の美術の先生で、学校を辞め幼稚園の園長をやりながら、油絵を描いておられた。ひょうひょうとした不思議な人でした。
描きかけの絵と石膏像が二、三ある、小さなアトリエが、僕の逃げ場になったのです。

(中略)

土曜日ごとにアトリエに行き、一人で石膏デッサンなどをしていた」

(「出発点」 徳間書店)

*アニメーター、大塚康生さんの発言
「4年振りに一緒に机を並べた宮崎さんは以前と少しも変わっていませんでしたが、1週1本放映、ギリギリの厳しいスケジュールの中で、『ハイジ』をへて『母をたずねて三千里』の全カット、レイアウトという前人未到の仕事を通過してきた彼は、かつて一緒にやっていたころには見せたことのない力量をそなえていました」

(「作画汗まみれ 増補改訂版」 徳間書店)

 


やきうどん(漫画家)

「(画力向上のために、オススメの練習法は? と聞かれて)
やっぱりひたすら描くしかないと思います。」

(週刊少年マガジン2007年39号 講談社)

 


安田剛士(漫画家)

「(画力向上のために、オススメの練習法は? と聞かれて)
ものの構造を知ることではないかと……。」

(週刊少年マガジン2007年39号 講談社)

 


山口貴由(漫画家)

「(デッサン力をつける方法はありますか? という質問に対し)
あります。お手本を見ながら、何回も何回も描くことです。描けば描くほど良くなるので、たいへんやりがいのある楽しいレッスンです。馬が描けるようになると、犬でもライオンでも描けるようになります。まず1匹、得意な動物(花でも教会でもよい)を持ってください。私はトラが好きです。」

(「Pen&Ink」 美術出版社)

 


渡辺静(漫画家)

「(画力向上のために、オススメの練習法は? と聞かれて)
目標とする作家さんの絵を模写しまくる(僕はこの作業を”モシャモシャする”と呼んでいます)。」

(週刊少年マガジン2007年39号 講談社)

 


高岡幸太郎(アニメーター)

「美術界はいざしらず、アニメーションの世界には、デッサンなどまったくやったことがないという人と、まあ専門学校にいる間はやりました(二年!)という人が、半々くらいいて、だいたい同じような結果の仕事をしています。
 つまり、上手下手とデッサン経験の有無に、因果関係がないということです。」

「あと付け足しますが、能力向上を目的にデッサンを学ぶ際は、教室や授業などで必ず指導を受けるようにしましょう。絵というのは、適度な手ほどきがなければ、なかなか伸びません。
  教室だ授業だといって、大仰に考える必要はありません。市民文化会館や公民館で開かれている、カルチャースクールの類で十分。ヌードデッサン専門教室なら、なおよい。
  せっかくやるなら、最低限の環境は整えて、しっかりと勉強しましょう。」

(ソリッドウェブ デッサン神話

 


中島直之(アニメーター)

「アニメ業界の場合、出自・方法論に関わらず上手い人は上手い、という強烈な現実が次々と叩き付けられるため、デッサン狂信者の類はほとんどいません。」

「さて、デッサンの他にはどんな上達法があるのでしょうか。
  かつてデッサンと双璧をなしていた上達法が模写です。
  しかし、文字通り「模して写す」だけでは、まったく上達しないという巨大な落とし穴を持つ練習法で、実践者:上達者の人数比は、デッサンと同じくらい低いのでは?というのが現実だと思います。
  模写をやっている限り、絶対に模写では上達しないという訳の分からない落とし穴……それゆえに、私は模写よりデッサンを勧めています。」

「言葉で是非を問う限り、逆立ちしてもデッサンに勝てないのが模写派の悲しい宿命です。
  しかし、模写派ながら殺したくなるくらい上手いアニメーターがゴロゴロいる現実がある以上、模写が否定される日は永遠に来ないでしょう。」

「トレスで絵がうまくならないことは、世界中のアニメーターが立証済ですので、ここではこれ以上書きませんが、この上達法はクロッキー以上の支持を集めています。」

「そういえば、専門学校に顔を出していた頃、生徒の間で、「画力をあげるにはまず枚数だ!」という上達法が流行ったことがあります。
カンノさんあたりが聞けば大喜びしそうな上達法で、間違いなく良い心がけです。
その流行の中、夏休み明けに、とある先生は、生徒から300枚の絵の束を渡されました。
「夏休み、一日十枚ずつ絵を練習しました!」
すごいじゃないか! 先生は最初は手を打って喜びました。
こういう人はどこの学校にも毎年何人かいるんですが……、このエピソードが特別なのは、その絵が悲しいほどヘロヘロだったということです。
300枚の絵をめくる先生の手が、ワナワナと震えていきます。しかし、対応を間違えると、この生徒はショックで自殺するかもしれません……。
この生徒、一日十枚ずつ絵を描いたのではなく、一日十枚描ける絵を描いたというだけの話で、夏休みを完全に棒に振っています。」

(ソリッドウェブ デッサン狂信

「Sさんは常に言っていました。
「練習の目標と内容は同じでなければならない」
  すなわち、
「描けないものを描く」
  ことが、練習であり鍛練であるのだと。
  私たちは、デッサンや模写などに時間を割き、しばしば、
「描けないものを描くために、何か別のことをする」
  ことが上達するための練習法である、と考えてしまいます。
  今の自分では乗り越えられない壁に立ち塞がれたとき、一旦そこから逃れて、別のことをやっているうちに、自然とその壁を乗り越えられる力が付く……という展開を望んでしまいます。
  映画「ベストキッド」のように、窓を洗っているうちに空手が強くなる……といった展開です。
  デッサン信者に限らず、上達法の幻想に捕らわれる者は、単純練習をしているうちに、自分が描けなかったものが無意識のうちに描けるようになることを強く望んでいるのです。
  しかし、描けないものそのものに触れない限り、描けないものはいつまでたっても描けないのではないでしょうか。
  Sさんは、
「絵はスポーツじゃない。日々の体力作りが無意識のうちに効果を上げるということは絶対にない」
  と言い切っていました。
  描けない具体的なものがあり、描けない具体的なものを描くために、ダイレクトな努力を続ける(つまり、一旦その絵から逃げたりしない)ことで、描けるようになる。
  それがイコール「上達」なのだと。
  私はデッサン肯定派でしたが、Sさんはそれも一笑に付していました。
  デッサンに限らず、解決したいことがなく続ける練習は、スポーツなら身体能力が発達して、相乗効果を示すかも知れないが……絵に関しては無意味だと。そうおっしゃっていました。
  私の過去を否定するような考え方でしたから、当初は非常に抵抗を感じていました。
  今もSさん自体には抵抗を感じていますが、考え方のほうはアニメ業界に意外に多いせいか、今や私の考え方そのものになりつつあります。」

(ソリッドウェブ デッサン思考停止

 


大垣野芳晴(アニメーター)

「私は、生まれてこのかた、直接的なデッサンもクロッキーもしたことがありません。
対象観察はもちろんしますが(アニメーターでこれをやらない人はいないだろうが……)、それを絵に落とす方法論を勉強したことは一度もありません。
アニメ業界には、
「模写だろうとデッサンだろうと、上手い人は上手い」
という超現実があります。しかし、現実問題、模写派は肩身が狭い……。」

「では“模写派”はどうなのかというと、こちらも「大きな落とし穴」があることで有名です。
これは、
「真面目に模写すれば模写するほどハマってしまう落とし穴」
でして、この落とし穴に落ちると、這い上がってくるまで技術レベルは頭打ちになってしまいます。
具体的にどういう落とし穴で、何が問題なのか……こればかりは、言葉ではなかなか表すことができません。
これは一回落ちてみるしかない世界です。
模写に関しては一回空振りしないと、ホームランは打てません。」

「そこで、私ちょっと考えてみたのですが……次のようなテストを定期的に行うことで、正しい意味での模写にそった学習が進められるのではないでしょうか?
これは現時点ではTipというより、提案にすぎないので、是非ご意見をいただきたいところなのですが……。?

レベル1・左右反転

模写をするとき、左右を反転して模写を行います。
落とし穴にハマっている人でも、一旦絵を分解して、アタリから取り直さなければなりませんから、落とし穴を脱するヒントが見つかるかもしれません。
大切なのは、できなくても、一旦は気にしないことです。
「デッサンにくれば出来るようになるよ?」
という悪徳業者の囁きに耳を貸してはいけません。

レベル2・角度を変える

元絵をもとに、15°くらい角度を変えたものを模写してみます。この時点で模写ではないような感じがしますが、はっきりとこれは”模写派”に分類される学習法です。
慣れてくるに従ってもっと角度を大きくすると、より難易度が高くなってくると思います。
アニメの動画でいうところの、「振り向き」的な難度です。
これは自力で絵を起こすことを考えれば、まだまだカンタンな作業です。
これを出来るようにするために、模写で学習する……それは一体どういうことだ? ということを考えれば、落とし穴脱出のヒントが生まれるでしょう。
その結論が「デッサン派になること」でないことを祈ります。

レベル3・ポーズを大きく変えてみる

「大きく」です、「大きく」。
一見すると、レベル2よりカンタンそうですが、実はこちらのほうが遥かに難しい。
レベル2のほうは、見え方が変わるだけで、その他の情報は元絵から拾うことができました。重心や力点は変わらないのですから。
こちらはそうはいきません。新しく画を起こす作業に限りなく近いのです(ただしVP等変更なし、で)。
しかし、元絵は参考にできないが、元絵の束縛がありますので、白紙にテキトーなラクガキを描くよりは、こちらのほうが勉強になるのではないでしょうか。
アニメーターにしてみれば原画を追加する作業。これが出来れば第二原画になれます。」

(ソリッドウェブ 模写派・反撃の狼煙)

 


ソリッドアニメーターズ

「アニメーターの世界は、基本的に従弟制度です。
  まず、動画としてこの世界に入ったアニメーターは、会社に“師匠”を割り当ててもらい、弟子入りします。
  そして、多くの諸先輩方に様々なことを学びながらも、基本的には“師匠”と同じ属性と傾向を持つようになるのです。」

「弟子は師匠の影響を色濃く受けますから、基本的に系譜のようなものが出来あがります。
  もし真っ白な状態で師匠をあてがわれますと、実力はともかく、系統としてはほぼコピー状態の弟子が出来あがるのが、面白いところです。
  ソリッドウェブで例えてみましょう。
  偉大なるオッサン・高岡孝太郎さんは、面倒見がよく、これまで多くのアニメーターを育ててきました。

(中略)

 そんな高岡さんの影響をモロに受けたのが愛弟子カンノカムイ。
  カンノは約二年間、高岡さんのいるスタジオとは別のスタジオで働いていました。
  しかし、ここではロクな教育を受けておらず、真っ白な状態。
  それから、転社後に出会った高岡さんの教育を受け、高岡さんのコピー人形のようなアニメーターになったのです。
  アニメ理論といいますか、原動画に対する考え方、処理方法、傾向、属性すべてまるっきり一緒です。
  でも、どこにでもいるよな、こういう師弟。」

(ソリッドウェブ 鬼の系譜

 


149氏(イラストレーター?)

149 名前:スペースNo.な-74 投稿日:01/10/07 22:01 メール:
一日1-6時間。
練習メニューとしては
大まかに形を速描、ゆっくり精密描写、模写、思い出し模写(対象を見ないで模写)
あと、目をつぶって頭のイメージに集中して線を描く訓練。
全体を見て描くための、周辺視の能力をあげるために紙の一点だけ
見て絵を描く訓練など。

だいたいこのメニューで1,2ヶ月くらいやると絵の描き方が
根本から変わってくる。半年くらいで絵のレベルが別物になってくる。
1年もやると今まであまり描かなかったものとかがそらで描けるようになってくる。
2年くらいで紙上にイメージが見えるようになってくる。

ほぼ毎日。3日以上は休まずで5,6年やってます。
一応、独学でプロとしていっぱしに食えるようになって画集も出版されました。
お薦めの訓練メニューです。

(2ちゃんねる)

 


820氏(漫画家)

820 名前:スペースNo.な-74 投稿日:03/10/05 10:52
>814
>一つの向きしか描けない(他の向きは苦手)という人って立体的に物が見えてないって証拠

その見解は全然間違ってないんだが、実は大きな勘違いがある。
こういう人はまず立体が頭に浮かんでない、と言う段階の前に
「2次元も頭に浮かんでない(イメージができない)」と言うもっと大きな
壁があるんだよ。自分が昔そうだったからよく判る。イメージなしで漢字の書き取りみたいに
手順で絵を憶えてんだよね。

正直、立体を描けば上手くなる、とかデッサンで上手くなった、って語る、
ある程度上手い連中は、もとから頭の中のイメージが出来てるヤツで、
初っぱなの一番重要なとこが判らないまま出来ちゃってる
(重要なところだと自覚しないままやれた)からこゆ連中の言うことを
いくら聞いてもたいてい「なんかいくら努力してもあいつとは根本的に違う」という
壁に突き当たる。

まずイメージで描けるようにならんと立体でも描けないし、
応用、簡略、描きなれない絵でも整える力、こういったものが着かない。
だけど、イメージで描けないうちは「頭の中のこんなおぼろげなもんで絵が描けんの!?」
と思うもんなんだよねぇ。

 

838 名前:820 投稿日:03/10/06 09:50
>>826 いや俺は模写やデッサンも何万枚もやってる。
今はもうイメージして描けるんだけどね。今はこれで生活してるし・・。
「昔の俺もそうだった」って書いたろう?もう15年くらい昔の話。
オノレの顔の皮を剥ぎ取るような努力をして壁を越える前の話だ。

正直、確かにイメージしなくてもそこそこのレベルには行けるし、
きれいな一点物イラストを描く「だけ」ならいくらでも高いレベルに行ける。

だが、描きなれないものをあっさり形とったり、
デッサンを維持しながら、自在に表情や動きを込めたポーズを描こうとすると
イメージ出来ないと話にならん。
できないときれいなイラストを描けるレベルまでなんだよな。
描ける幅は狭いし、描きなれないモノになると
とたんに稚拙になる。漫画を描き始めると自分の描けないものの多さ、
なんでもないものに時間がかかる能力の低さに気付く。

イメージを出来るようになるかってのがコツとかですぐ出来るようになるもん
だと思ってる人がいるみたいだけど、筋力や持久力と同じだよ。
鍛えないと(その部分を使わないと)いつまでたったも力は付かない。
見ないで模写するとか、目をつぶってイメージしたものを描くとかね。

はっきり言ってただダラダラ手を動かしていてもできる模写より
最初のうちはスゲーツラい練習です。数ヶ月から一年くらいしないと
実際に絵のレベルに影響するとこまで行かないし。

 

856 名前:820 投稿日:03/10/07 13:00
模写絵の元はポーズ集とか他人の絵とか広告の写真とか
正直、その気になればこの情報化社会じゃ腐るほどあるよ。

ポーズ集は「描くときにそのポーズと同じポーズを探して見て描く」ための
ポーズ辞典のように使う人が多いと思うけど、あれの最も有効な使い道は
「全部のポーズの全角度を模写ってどんなポーズでも描けるようにする練習台」として
使うのが一番。本の値段なんて軽〜く元とって、百倍くらい価値ある力が付くッス。

それに、模写はある程度出来るようになったら時間をかけて精密にやらなくていいと思うな。
練習目的によるけど。
それじゃないと数がこなせないし、当然、自分にインプット出来る
パターンの数も増えない。
長くて1枚(正確には1ポーズ・1キャラ等)10分くらいじゃないかなぁ。
個人的には5分くらいでいいと思う。
精密に丁寧に描くのは、自分の作品上だけで充分。

 

859 名前:820 投稿日:03/10/07 14:45
>858 それこそ、まさに漏れの昔の悩み。
描けるポーズ&角度は必要以上にかっこよく描けるけど
ちょっとヒネリ入れたり角度変わるととたんになんか不自然になるし時間がかかる。
きっちり憶えてる形だけ、ほんとにそれだけ描けるって状態。いくらデッサン重ねても、なんかある壁を越え
られない。
やっぱりイメージしてなかったからだったんだよね。

イメージ力の根本を鍛えるまでやっぱ抜け出せなかったッス。
よくやったのが元の絵を見ないで模写する、とか、
目をつぶってままイメージしたものを描き続けるとか。
鍛えなきゃならんのは紙の上の絵じゃなくて、頭の中だったと言う・・。

 

862 名前:スペースNo.な-74 投稿日:03/10/07 21:18
>861 あらかじめいっとくけど別にデッサン否定の意見じゃないよ。
立体のデッサンとかも力になるとは思うけど
「それをやらないとゼロから形作る力がつかない」とか言うことは絶対ないよ。
むろん、他の練習をしてることが大前提だけど。

アニメーターの動画マンとか上手い人いっぱいいるけど
デッサンやってる人殆どいないし、漏れが昔某ゲーム会社に
勤めてたころも上手い人いたけど美大も出ていないしデッサンも
やって無い人ばかりだった(実際にその手の話をした)

漏れ自身、今では漫画家としては画力そこそこあるほうだと
自負してるけど、石膏とか実際の人物をモデルにしての
別段デッサンはやったことないし・・。
写真だけでもいろいろな角度のものを見て、
自分で立体を捉える(頭の中で再構成する)気になればちゃんとやれるスよ。
光と影を面で捉えたりもできるっス。

美大出とか美大予備校行った人がデッサン重視の人が多いんだけど、
たぶん、美大の受験準備とか半年とか一年とか毎日デッサンひたすらやったりするでしょ?
で、その期間でめきめき力が付くのを実感した人達がデッサン重視論を唱えるんだけど
あれだけ長時間毎日、絵を描くって、自発的にだとそうそう無いと思うのね。
だから、それまでの人生のうちでもっとも集中して絵を描いた期間がそれだったので
「デッサンの練習をやってた時期に力が付いた」=「デッサンやったから力がついた」と
思いこみやすいんじゃないかなぁ・・と思ったりする。

 

867 名前:スペースNo.な-74 投稿日:03/10/07 22:30
>そんなのをさらに絵として書き起こせるレベルまで昇華させなきゃいけないんだから
>自分に取っちゃそれこそゾッとするような話。

そりゃーね。漏れだって最初はそう思ったよ。いやホントーに。
なんつーか完全に自分にとっては異次元の達人ワザに思えた。
「もしこれができないと、これくらいの絵が描けないのだったら俺には無理なんじゃ・・」って。
んで、頭の中でうち消して、「こんなの出来なくたって絵は描けるよーんだ、ヘンだ。」
と、手っ取り早く答え(上手く描けてる他人の絵を)をひたすら模写るのよね。

・・で10年後、「5年速くこの練習し始めてたら今のレベルにもっと速くなってたなぁ」
と思ったりしたりしたわけ。

 

885 名前:スペースNo.な-74 投稿日:03/10/08 10:57
個人個人でちがうんでない?>割合

自分でイメージする力のほうが足りないと思ったらそっちを重点的にやればいいし・・。

方法ッつっても上に書いたように
よくやったのが元の絵を見ないで模写する、とか、
目をつぶってままイメージしたものを描き続けるとかだけど、そのまんまだしなぁ。

なるべくシンプルで上手い絵を選んで、それをじーっと見て
すぐ本を閉じて、なるべく全体が大まかに似るようにひたすら描くとか
(今見たばっかりなのにけっこう思い出せそうで思い出せないのを無理に思い出し描く)
服のシワとか、髪の毛とか、木の枝なんかの割とランダムで全体の
形がどうでもいい物を、目をつぶって頭の中で細部まで思い浮かべて、
それをひたすら描いていく、とか。

これ、ミソは「訓練中に出来上がるものに関しては気にしない」ことです。
鍛えにゃならんのは「思い浮かべながら手を同期して動かす力」なので
その訓練中、そういう実感がしっかり出来ていれば紙の上に描けたもんが
ぐちゃぐちゃでもちゃんと実になってます。

 

923 名前:885 投稿日:03/10/11 11:15
>919 これはPainterだねーおもろい!自分もデジタルで描くときはPainterっス〜。

>918 当然元のモンはないよー。全部その場その場で描いたラフ。ここ3,4日描いたスケブのラフから抜粋。

もう今は殆ど模写はやりません。ある程度の所に行ったら、
「吸収(模写)」より「出す」ことを鍛えないといつまで経っても元がないと上手く描けないんだよね〜。

一度イメージで描き始められるようになると、今まで描いてないもんでも描けるようになるし
描けば描くほど新しい形が生まれてくるようになる。
今まで模写とか目で見たこと、筋肉や骨格、パースの知識や感覚なんかの
自分の中に点として存在してたものが一気に全部が線でつながる感じ。

ただし!さぼってるとイメージの源みたいな所はメチャクチャなまるのはやいッス。
普通に記号書きしてたころよりレベル維持がムズイ・・。

1番目、最初はイメージしやすいのはやっぱり目をつぶりながら描く。
その状態でかなりイメージ出来るようになってから紙の上でも
そのイメージが壊れないようにするのはかなりムズイ。
たいてい目を開けて絵を直視すると、描いてる絵に邪魔されて消えちゃう。
だから2番目の段階はあまり絵を見ないようにして絵とイメージを
半々で見れるようにしていって徐々に絵を見ながらでもイメージ出来るように持っていく。
自分はそうやって、全くイメージ出来ない状態からイメージだけで
描ける状態までもっていったよ。4,5年かかったかな。

(2ちゃんねる)

 


絵アンケート回答集

当サイトの絵アンケートの回答から、参考になりそうな質問をピックアップしてみました。もちろんプロの方限定。

 


かねこしんやさま (漫画家)

Q、絵の練習はどのような練習をどのくらいされてますか?

A:今はもう、仕事を上げるので手一杯で、練習はしていません。
   仕事の原稿を描くこと自体が一番の修行になっています。

Q、過去にはどのような練習をされましたか?

A:自分の描きたいものばっかり描いていて、特に練習を意識した
   絵は描きませんでした。^_^;
   描きたいものを描くと、楽しいし一生懸命描くから良い練習に
   なったと思います。

 


カリーナさま (エロゲンガー)

Q、絵の練習はどのような練習をされましたか?
小中高、の授業中の落書き。
高校、大学時にエロ本とオンナでデッサンの勉強。
「やさしい人物画」「優しい美術解剖学」で仕上げる。

Q、過去に美術学校などに通われたことはございますか?
京都精華大卒。アトリエ等は行ったことなし。
学生時代はおもしろおかしく遊んで暮らしていました。

 


武林武士さま (漫画家)

Q、絵の練習はどのような練習をされましたか?

全て独学です。下手糞なままにデビューしてしまい、自分の掲載原稿を
「悪いお手本」として、上手くなろうとしていて、それは今も続いています。

Q、過去に美術学校などに通われたことはございますか?

ありません。
高校の頃の芸術科目選択も、美術は選んでいませんでした。

 


中平正彦さま (漫画家)

Q、絵の練習はどのような練習をされましたか?

     アシスタントで。基本からいろいろ学びました。

Q、過去に美術学校などに通われたことはございますか?

     大阪芸術大学に約2年通いました。電卓片手にパースとか
      描いていたので、その辺は今も結構役に立っています。

 


HAGA KENさま (イラストレーター)

Q、絵の練習はどのような練習をされましたか?

  練習した記憶はない……。 

Q、過去に美術学校などに通われたことはございますか?

  学校自体にほとんど通っていない……。

 


本谷利明さま (アニメーター・イラストレーター)

Q、絵の練習はどのような練習をどのくらいされてますか?
しません。行き当たりばったりで描くようにしてます。
そのほうがドキドキして良いカンジなものですから。

Q、過去にはどのような練習をされましたか?
だから、してません。美術の成績もそんなに良くなかったよ。
さぼってたし。

Q、過去に美術学校などに通われたことはございますか?
考えたこともありませんでした。
目的も無く、ぷらっと上京しちゃいました。
小っちゃなバイクに乗って。

 


るりあ046さま (漫画家・イラストレーター)

Q、絵の練習はどのような練習をされましたか?
椅子に座って机に向かい右手で絵を描きました。

Q、過去に美術学校などに通われたことはございますか?
ありません。…と、思ったけど、よく考えたら何か美術教室みたいなのに入っ
たコトあります。忘れてた。それぐらいさぼってました。

 


長月みそか様(成年誌漫画家)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
  父より基本を教わるが、才能がないと見放される

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
  絵ではなく写真や現実の物を見て、観察力を養う

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
  「上手く描くのではなく、好きなように描きなさい」と言う

 


七六様(イラストレーター)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
中学(図画?)までです。

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
デッサンをします。
うまいひとのまねをします。
色んな画材を手当たり次第に試しています。

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
好きなもの描きなさい。好きなものなら、いくらでも描けるでしょう。
もし描けないなら、好きじゃないものなのだから、好きなものを探しなさい。
ある程度実力がついたら、今度は仕事として絵をかいてみなさい。

 


シガタケ様(イラストレーター)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
芸大入試時にゼミに通ってた位でしょうか?
イラスト仲間の人に絵の指導をお願いした事もあります。

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
手癖だけで絵を描かないように心掛けています。

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
枚数を描く事と、自分の絵の何が駄目なのかを分析する事。
あとは向上心で頑張るしか。

 


ズンダレぽん様(成年誌イラストレーター)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
    大学で少々。職場でいっぱい。

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
    最近はフィギュア(立体)を作ります。

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
     質は低くてもいいから量をこなす。コピーする気で上手い人の絵を真似る。朝の時間帯に仕上げをする。

 


まれがらす(石黒正数)様(漫画家)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
・「大学に受かる為の」静物デッサンなど

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
・物をよく見て形や造りを覚える様にしています

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
・むやみに枚数をこなしてもあまり意味が無いので
  常に正しい立体や骨格を意識するよう勧めると思います

 


川崎犬太朗様(成年誌漫画家)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
漫画アニメ系はないです。
高校はデザイン課に入りましたけど1年で辞めました。

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
何?毎日指腕立て伏せ10回とか?(笑)
..いや、とくにしてないっスよ。

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
楽しく描こう!
描いてりゃそのうち上手くなるサ〜。

 


佐藤利幸様(イラストレーター・漫画家・アニメーター)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
中学校の美術で教育は終わりでした。
*上橋註:
wikipediaに、
>大阪芸大のサークルの同期に漫画家の石黒正数などがいる。
との記述あり

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
町に出て裸を想像したりしました。

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
好きな方向性で上手い人の絵を真似しろといいます。

 


犀川 樹様(グラフィックデザイナー)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
高校の頃、近所の画塾で静物デッサンを中心に学んでいました。
卒業後はデザイン系の専門学校に進みました。

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
現在、やっている事でもありますが。
模型誌に載っている「美少女フィギュアの模写」
漫画の模写では、「上山徹郎」「小畑健」にチャレンジして玉砕したりとか…(泣)

以前(自分のPCを持つ前)にはFAXを使って友人と
絵チャットみたいな事をやってました。

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
人物画に限定するなら、ですが。
A・ルーミスの著書を貸したりすると思います。

 


COSHU様(プロダクトデザイナー)

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
:高校はデザイン課で基本的な事なデッサンや色彩学等、、、
:専門学校にて同じくデザインの基本一式とパースペクティヴ等、、(インテリアデザイン課にて)
:就職後ではディスプレー業をかじり、建築パースのデザイン事務所を得て
  現在プロダクトデザインをしてます。(でもサラリーマン)
  又、仕事をしながらプロダクトデザインの講座も1年通ってました。

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
:だいだいのトレーニングはデザインに関する学校及び講座によって
  デザインストローク、パースペクティヴ、色彩学、デッサン、トレース、
  描写、造形、プレゼンテーション、etc、、、習いました。
  その他、何かで感動したりすると、表現したいって衝動にかられて
  その手法として絵を描いたり、作曲してみたり、、、、
  ほしい雑貨がないと掛け時計や写真立て等自分で作ってみたり、、
  あと、武道を長年やっているので、動きや重心や人体構造は体験を基に
  分かります。
  植物を書く為に植物園で写真をとったり、感性を磨くのに
  音楽や物に対しても興味をもってたくさん見たり聞いたりしました
  あとは、、いいなって思う絵とか真似てみたりかな。

Q15.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
:1、どんな風な物を描きたいか聞きます。2、その方の絵や描いてる段階をみて
、足りない所を助言します。
:又は、いろんな人の絵を見て洞察する事を薦めます。
:又は、(彼女の誕生日にプレゼントする絵を3枚描いてみ)とか言うかも(^^;)

 


「まとめと考察」

まとめてみると、実は肝は「量」なんじゃないの? って方が多いですかね。あとは、「絵じゃなくて実物を見て描け」ってのも多いですか。他は、絵アンに答えてくださった方の多くが「好きなものを思いっきり描け」といってるくらいですかね、共通項。

あと意外なことに、あれほど言われているデッサンや模写を勧めてる人がほとんどいないプロはみんなデッサン・模写を勧めていて、デッサン・模写を一生懸命やれば僕らもプロに近づけるという世界観は、どうやら出所の分からない都市伝説っぽいという結論。
まあ、美大系の人はデッサンしこたまやってるでしょうし、それに、そもそも特定の練習法を勧めてる例自体がかなり少ないのですがね・・・
ていうか、練習なんかしたことねーよって方も多いですね。天才め・・・

まあこれは、僕の知ってる範囲では、ですし、僕の知識はかなり偏ってますので、「こんな有名なデッサン発言しらねえのかゴルァ!」などのご意見募集中です。

 

(071208追記)

週刊少年マガジンに、漫画家に絵を上手くする方法などを質問した記事が載っていたので、転載しました。
見ると、「模写」と「アシスタント」が多いですね。これによって、模写に関しては、漫画界では一般的な練習法っぽいというソースが確認できましたが、ひとり取り残されてしまったのがデッサン・・・

 


「おまけ:ソースを確認できなかった情報等」

・島本和彦先生のマンガに、「一度デッサンが分かってしまうと、二度となんか狂った形はかけない」という記述があった。

・永沢まことさんの本のどれかに、「永沢式スケッチではデッサン力はつかない。上を目指すならいつかは石膏デッサンをやりましょう」というような記述があった。

・漫画家・篠房六郎先生のmixiに、posemaniacsを利用した練習法が載っているが、mixiゆえ引用していいのか微妙で、掲載できず。

 

あと、書いたはいいけど、よく考えたら絵師なのかわからなかったり、仕事の履歴がサイト等で確認できなかったりした方はこちらに。


青木氏(スタジオぴえろ取締役・製作部)

「いくら3Dソフトがあっても、骨のしくみが分かってないと動かせませんから。骨格だけでなく、ものの形をきちんと把握しておくのは基本だと思いますよ。
そのために、うち(経営する専門学校)では毎日、朝から晩までスケッチさせてます。スケッチは、人間から動物から、ありとあらゆるもの、とにかく目に入るものを全部描け、と言ってます。写生もするし、1つのテーマをどう表現するか、といった練習もするし。朝は10時半から始まって、夜の6時まで、休み時間を除いてずーっと描かせている。鉛筆で延々と描かせていますね。」

(キャラデザの壺 No.3 グラフィック社)

 


坂本 みねぢ様

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
学校の図画工作とか、美術の授業くらいでしょうか。

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
観察する事。美術本とか見なくても、
絵になるヒントはそこら辺にいくらでもあると思います。

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
絵を描く事が本当に好きかどうか、自問する事かなぁ。
数をこなす事も重要ですが、やる気も無いのに沢山描いたところであまり効果がないような気がします。
要は絵を描く事に対する姿勢が問題だと思います。

 


ハセガワタロウ様

Q5.絵の指導を受けたことはありますか(教育)
広告系の専門学校へ行きました。

Q6.普通に絵を描くこと以外に、何かトレーニングはなさいましたか(練習法)
特別な事はしてないです。

Q16.下手な人が「絵を上手くするにはどうすれば良いか」と聞いてきたら、どうアドバイスしますか(指導方針)
基本的にしないようにしています、上手い方法論がいまだ分からないので。

 


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