◇「本来、うつりにくい病気」
汚染血液製剤による薬害肝炎問題で、肝炎の基礎を学び、薬害C型肝炎訴訟への理解を深めてもらおうと、県内の患者や家族で作る「滋賀肝臓友の会」は2日、草津市野路町の市立市民交流プラザで、「肝臓病講演会」を開いた。市民ら約40人が参加し、医師らの解説に耳を傾けた。
薬害C型肝炎はウイルスに汚染され、米国で使用中止になった血液製剤を、日本では全国の病院が止血や輸血の際に投与し続けたことなどから感染が拡大。350万人もの患者がいるとされ、長い潜伏期間のため、感染源を特定できない場合も多い。
この日は、竜王町の「弓削メディカルクリニック」の雨森正記院長と佐藤弘太郎医師が講演。○×クイズ形式で「一緒に入浴すると感染するか」「同じ食器を使うと感染するか」などと質問した。答えはいずれも「×」で、雨森院長が「C型肝炎患者に使った注射針が誤って別の人に刺さっても、感染確率は500分の1。本来、肝炎は、うつりにくい病気」と話すと、会場から驚きの声が上がった。
また、佐藤医師は「約70%が慢性化するのがC型の特徴。10~30年で肝硬変になるが、自覚症状が少ないため、気付かない人も多い」と話した。
同会は閉会後、薬害肝炎被害者の救済を求め、ビラまきと署名活動をJR南草津駅周辺で実施し、約1時間で85筆が集まった。【近藤希実】
毎日新聞 2007年12月5日