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「いい加減にして」

2007年11月29日

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事件から一夜が明け、校区内に現場がある合川小の通学路には、保護者と一緒に登校する児童たちの姿があった=久留米市合川町で、水野義則撮影

 久留米市で指定暴力団・道仁会系の組長ら2人が射殺、刺殺された事件から一夜明けた28日、道仁会の本部がある同市と、道仁会から分裂した九州誠道会の本部がある大牟田市では、保護者らに付き添われて登校する児童の姿や、通学路での見守りなどが目立った。「いい加減にしてほしい」「流れ弾が飛んできたら」――。エスカレートする一方の抗争事件に、住民の間には怒りと不安が渦巻いた。

 久留米市教委は28日早朝、市内の全小中学校に、暴力団事務所を避けて集団通学するよう、緊急通知を出した。事件現場が校区内にある合川小では、保護者と一緒に登校してくる児童も。通学路では教職員や防犯ボランティアらが見守った。

 小学5年の長女と同級生に付き添った母親(38)は「昨晩自宅にいて銃声を聞いた。暴力団事務所が近くにあるので心配はしていたけど……。こんな事件はもういい加減にしてほしい」。小学1年の次男を送ってきた母親(37)は「安心して通学できない。いくらなんでもこんな近くで」と声を震わせた。

 大牟田市の九州誠道会本部事務所の近くにある上官小では、9月の新学期から、登校時に教職員や保護者、警察官らが通学路で見守ってきた。同事務所前では、県警がパトカーなどを配置して24時間体制で警戒を続けている。

 道仁会系組長が駐車場で射殺されたマンションは、事件翌日も重苦しい空気に包まれた。

 住民の男性は「流れ弾が飛んできていたらとんでもないことになっていた」。住民の女性も「暴力団関係者が住んでいることは問題になっていた。事件が起こらないと、恐ろしさは分かってもらえない」。男子高校生は銃撃直後、血まみれになって倒れていた組長を目撃したという。

 住人によると、組長は妻子と住んでいたという。最近は抗争事件を警戒してか、マンション内に裏口から入ることもあったという。

 マンションには数年前から、複数の暴力団関係者が入居するようになったという。「管理組合が弁護士を通じて退去を求めようとしていたようだが、退去してもらっていればこんなことは起きなかったのに」との声も聞かれた。

 県警の捜査本部は28日午前、大牟田市内の病院の前で九州誠道会系組長が射殺された事件に関し、九州誠道会の本部事務所など同会関係の7カ所を家宅捜索した。大牟田署では現在巡回しているパトカー12台に加え、県警が2〜4台を派遣し、警戒態勢を強めるという。

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