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【世界の街から】

南京 真の交流に笑顔弾む

2007年6月16日

 いい光景だった。一九八七年に愛知県からヨットで中国に渡り、長江の遡上(そじょう)に成功した男たちが二十年ぶりに、当時のゴール地点である江蘇省南京市を訪れた。

 日本人と中国人が杯を酌み交わした記念のパーティーでは、当時の乗組員や受け入れた中国側の関係者が集結。省の元トップまで駆けつけた。けれん味のない皆の笑顔に、こちらも痛快な気分になった。

 今年は日中の国交回復三十五周年。“日中友好”をうたった行事は数多いが、おざなりに感じる例もまた多い。違いは何か。今回で感じたのは双方が相手の「政府」でなく、「陳さん」や「呉さん」、「伊藤さん」や「小林さん」、つまり人と交流しているのだ。

 今回の訪中団長は「日中友好の活動で、わが財産は全部なくなってしまいました」と、冗談交じりにあいさつした。その笑顔は、ほれぼれするほど輝いていた。 (豊田雄二郎)

 

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