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【櫻井よしこコラム 福田首相に申す】 国家国民のために働け (1/3ページ)

2007.12.12 21:47
このニュースのトピックス薬害肝炎問題

 福田康夫首相はなんのために政治をしているのか。自身の政権と自民党の生き残りのためか。国家、国民のためではないのか。こう問うのには理由がある。まず、薬害C型肝炎への鈍い対応だ。

 12月10日の参院決算委員会で首相は同件について「この件についてはあまりよく知らない」「(12月13日の)大阪高裁の和解案を待って対応したい」と答弁した。

 薬害C型肝炎については厚労省の地下倉庫で発症者418人のリストが5年間も放置されていたことが10月に公表されたばかりだ。肝炎は一日も早い治療開始が重要だ。肝硬変・肝ガンを発症してからでは間に合わない。だからこそ、症例を把握していながら、本人に通知しようと考えた厚生官僚がただの一人も存在しなかったことに、私たちは心底驚いた。すでに死亡した患者も多く、患者にとっては命を左右する喫緊の問題だ。にもかかわらず、首相は一連の事情を「よく知らない」のだそうだ。国民への思いに欠けること甚だしい。

 また、13日、つまり今日、正式に示される大阪高裁の和解案を待つとはこれまた奇妙なことだ。なぜなら1週間前の12月6日に、大阪高裁は同案の内容を原告患者側にも通達済みで、それは基本的に国側の主張を反映したものだからだ。

 国の主張は東京地裁の判決を基にしており、骨子は以下の3点に絞られる。(1)投与された薬剤によって救済患者を選別する。薬害C型肝炎は非加熱血液製剤のフィブリノゲンおよび第九因子製剤を原因とするが、国はフィブリノゲン製剤による感染患者のみを救済する(2)投与の時期によって選別する(3)前記2項目の基準から外れた患者については一括の救済金で解決する。

 国のこの和解案に沿った内容が大阪高裁の案だ。当然、国はその内容を知っている。にもかかわらず、首相はなぜ高裁の判断を待つと言うのか。まさかこの問題を政権の支持率アップに利用しようというのではあるまい。

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