夫がたばこを吸う女性は、肺がんのうち「腺がん」になるリスクが高いことが12日、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター部長)の疫学調査で分かった。
研究班は1990年と93年、全国9地域に住む40〜69歳のたばこを吸わない女性約2万8000人を登録し、2004年末まで追跡。この間、109人が肺がんになった。
肺がん全体では夫の喫煙による発症リスクはやや高まったが、統計学上、有意な差はなかった。ただ、8割以上を占める腺がんについて分析したところ、夫が喫煙者の場合は非喫煙者の場合の約2倍のリスクだった。
また、1日に20本未満では1.7倍、20本以上では2.2倍と、本数が多いほどリスクが高まる傾向が見られた。
夫の喫煙者、非喫煙者の割合とリスク比を基に、受動喫煙の関与の程度を算出したところ、受動喫煙がなければ避けられた肺腺がんは37%に上ると推計された。
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