教員ニュース

2007年11月19日[杉浦]
[KMD創立カウントダウンvol.4]趣味と研究をループさせよう 新設時の自由闊達な気分をKMDで再び!

インターネットの黎明期、動いている絵がみられるだけで夢のようだった。今やオンデマンド映画、テレビ会議などは当たり前。そしてもうすぐテレビ並の高品位映像が普及し、通信と放送のドラスティックな融合が進むだろう。そんな時代を切り拓いたのが、日本発のDVTSという技術。杉浦教授は、その開発者の一人だ。

■私のSFC時代
1990年、政策情報メディア学部の1期生として入学。当時学生1人に1台ノートパソコンがあるという環境は画期的だった。しかし入学当初、SFCはまるで陸の孤島。校舎の一部もまだ建設中だし、当然先輩もサークルも何もないので自分たちで創っていこうという気分があった。私の場合「コンピュータサークルを作ろう」と思い立ち、顧問になってくれませんか?とお願いに行ったことが、村井純先生と出会ったきっかけ。この出会いによって、私の人生が大きく変わったことは間違いない。
当時300bpsのモデムが25万円くらいして、その帯域でインターネットの元祖的な実験をいろいろ試していた。特別研究室にはワークステーションもあって、これはパソコンとはどう違うのか? これで何ができるのか?ということを研究しているうちに、ネットワークの魅力、コラボレーションの面白さにはまってしまった。


■新設ならではの自由さを、メディアデザイン研究科一期生にも!
当時のSFCには新設である自由さと、インターネット発展期の自由さの両方に満ちていた。仲間と大学で使うアプリケーションの開発をして、フロッピー2枚組にして学内で売ったりしていた。改善の要望があればバージョンアップするが、これが結構いいアルバイト代になった。自由に作れるが、作ったものには責任も伴う。改善して再び世に出す、というループを繰り返すことで磨かれる、ということを学んだ。私の場合、このループを早い時期に身体で覚えることができたことがよかったと思う。
新しいKMDでもその点を重視していきたい。研究成果を世間に問えば、可能性があるものなら必ず利点も欠点も教えて返してくれる。可能性をどう発展させていけるか、そんな進化のループを維持していくことこそが重要だ。


■研究と遊びのループも大事
研究しながらよく遊ぶが私のモットー。クルマが好きで慶應に自動車部を作ったり、筋トレを欠かさないので、筋力に関しては今も学生に負けないつもり。趣味の映画はDVDは2000枚、ブルーレイ300枚を所有、忙しいときほど映画館にもよく行く。アニメ、漫画もメジャー作品、同人誌を問わず大好きだ。いろいろな趣味が、研究や仕事とループする。自分がオタクというのに入るのかどうかわからないが、ひきこもりやニートと比べるとオタクが一番、消費活動と生産活動をしており、世の中のためになっていると思う。オタクパワーをちゃんと評価すると、通信放送融合化の未来も見えてくるというわけ(笑)。
KMDに入ってくる人は、これから自分の時間がなくなるくらい大学院に時間をとられると思うが、自分の遊びも確保していこう。来年、出会えるのが楽しみだ。