破壊された清凉寺の仁王門。右側の扉は境内の内側に倒れている(午前9時25分、京都市右京区) |
12日午前4時40分ごろ、京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町の清凉寺で、右京署員が府指定文化財の仁王門(山門、縦3・5メートル、横1・9メートル)が壊れているのを発見した。仁王門の周辺に車の部品の一部が落ちており、同署が器物損壊事件として捜査している。発見の約30分前、仁王門近くに住む会社役員(65)が約1キロ離れた路上で道交法違反(酒酔い運転)容疑で現行犯逮捕されており、乗用車に当て逃げの跡があることから、同署が関連を調べている。
右京署によると、仁王門の片側の扉が完全に外れて倒れ、もう一方も扉が崩れかけ、柱が破損していた。状況から車が正面から仁王門に突っ込んで扉を壊し、境内をUターンして出て行ったと見られる。
一方、午前3時15分ごろ、嵯峨天竜寺瀬戸川町で、乗用車が対向の車にぶつかって逃走する事故があり、右京署が逃走した車を運転していた会社役員の男を酒酔い運転容疑で現行犯逮捕した。車の前部が破損していたため、署員が付近を調べていたところ、仁王門の破損を発見した。
清凉寺は嵯峨釈迦(しゃか)堂として知られ、府文化財保護課や同寺によると、仁王門は1783年に建てられた。鵜飼光昌住職(50)は「とても悲しい出来事。お正月を前に、どのように修理するか総代たちと相談したい」と話していた。
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