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四季物語
四季物語1 始まりは54年前のフランス革命記念日
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日本の演劇界で一番元気があるのはミュージカルといっていいでしょう。ミュージカルを中心に公演を行う劇団四季は日本を代表するメガ劇団として全国に9つもの専用劇場を持っています。東京、大阪、名古屋などでロングラン公演を行い、全国各地でツアー公演を続けています。53年に演出家の浅利慶太代表を中心に旗揚げしてから、現在の隆盛を迎えるまでの背景を追います。

東京・渋谷駅から東急田園都市線の急行で20分。横浜市のあざみ野駅から徒歩7分ほどの小高い丘に劇団四季の本拠がある。昨年7月にオープンした四季芸術センター。約5260坪に、476平方メートルの大けいこ場をはじめ大中小10のけいこ場、26の個人レッスン室や最新式マシーンをそろえたトレーニングルーム、専門のマッサージ師が常駐するマッサージルームや医務室、食堂などを完備した世界最大の俳優養成センターでもある。

四季の結成は53年7月14日、フランス革命記念日だった。慶大の学生だった浅利慶太、日下武史、東大の水島弘、そして藤野節子らがメンバーに名を連ねた。翌54年1月の旗揚げ公演でフランスの劇作家アヌイの「アルデール又は聖女」を3日間上演し、観客は約150人。それから53年、今や年間公演数は3000を超え、観客動員も05年には310万人と初めて300万人を突破した。俳優は約700人、技術スタッフ270人、経営スタッフ200人と、劇団員は約1170人という大所帯。さらに東京に5つ、大阪、名古屋、京都、福岡に1つずつの計9もの専用劇場を持っている。

「エンターテインメント白書2007」(ぴあ総合研究所)によると、06年のステージ市場(ミュージカル、演劇、歌舞伎など)は観客数1821万人、市場規模は1221億円とされるが、四季単独で6分の1を占める。東宝・松竹という大手興行会社の演劇部門、宝塚歌劇団をしのぎ、日本を代表するメガ劇団である。

芸術センター2階の応接室で浅利慶太代表は「劇団ですが事業内容としては一つの企業でしょうね」と語った。演劇というジャンルでスタートしたベンチャー企業が54年の歴史を経て大企業に成長した姿といった方が分かりやすいかもしれない。成長の理由を尋ねると、話は大正以降の新劇運動に遡った。「小山内薫らの築地小劇場が元凶。欧米の作品を紹介する役目は果たしたが、プロのレベルではなかった。面白い芝居を作らず、その後の新劇運動の流れを作った。しかし、四季は当初から劇というものの感動を客席に伝えることを追求した」。

独りよがりの芝居を排除し、観客第一主義を貫いた。「質の高い舞台を上演すれば、観客がついてくる」。四季には「四季の会」という会員組織があるが、18万人が2100円の年会費を払って入会している。優先的にチケットの予約ができるメリットもあるが、「四季の舞台なら間違いない」という四季ブランドへの信頼があればこそである。

今日2日、四季は全国で9カ所で公演を行っている。四季劇場「春」=ライオンキング、四季劇場「秋」=ウェストサイド物語、自由劇場=鹿鳴館、電通四季劇場「海」=ウィキッド、キャッツ・シアター=キャッツ、新名古屋ミュージカル劇場=アイーダ、京都劇場=ジーザース・クライスト=スーパースター、大阪四季劇場=オペラ座の怪人、岸和田で全国公演中の「エビータ」(福岡シティ劇場は「ライオンキング」準備中)。

四季芸術センターは無借金で建設した。法人税も年約20億円近く払っている。浅利は「国の演劇界への助成金が16億円。四季が国に納める法人税の方が多いんです」と笑った。国の援助に頼らずにやってきた自負をのぞかせた。
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