宙に浮いた年金、公約断念に野党攻勢
5000万件の宙に浮いた年金記録の名寄せ作業を来年3月までに終えるという政府の公約が実現不可能になったことに、野党側は、国民への裏切りだと政府・与党に対して攻勢を強めています。 7月の参院選での政府・与党の最大の公約の一つでもあった年金記録の持ち主の特定が不可能になったことに、野党は一斉に強く批判していますが、一夜明けてもその声は大きくなるばかりです。 「お粗末だと思います。公約というのは公の約束ですから、守る努力を最大限にする」(民主党・蓮舫参院議員) 「直ちに(舛添厚労相は)謝罪をして辞職をすべきである」(民主党・山岡賢次国対委員長) 民主党はじめ野党からは、政府が公約に違反しただけでなく、舛添大臣の「あれは意気込みだった」とか、町村官房長官の「選挙前なので簡素化して言ってしまった」という発言を問題視する声も上がっていて、与党側からも公明党の北側幹事長が「選挙だから縮めていいということではない」などと述べています。 野党側は、この年金問題をテコに、さらに政府・与党への追及を強める構えですが、一方で民主党内には、「政府・与党側は当初から来年3月までの名寄せ作業は無理だと分かっていて、予算審議に影響が出る来年よりも、一番影響が少ない時期を選んで公表したのではないか」という見方もあり、年金問題は決して消えない問題だとして、来年の通常国会の中でじっくり政権にダメージを与えたいという声があります。 ただ、国会が再延長された場合の舛添大臣の問責決議案提出の可能性に言及する声もあり、給油継続法案に年金問題も加わって野党側は攻勢を強める一方です。 「会期延長1ヶ月でもやってみろ、私どもはきちっと受けてたつ」(民主党・輿石東参院議員会長) そんな中で、民主党の輿石参院会長は12日朝、こう述べ、対決姿勢を鮮明にしました。与野党の攻防にまた一つ要素が加わった格好で、国会はさらに混沌としてきました。(12日11:30)
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